旅人と魔女

プロローグ

旅人と魔女

プロローグ

とある学生が交通事故で亡くなった

そのとある学生とは一体誰か…そう、僕です。

薄れた意識の中目覚めた

そこは事故現場でもなく病室でもなかった

見知らぬ女性…いや女神というべきか

それほどに美しい女性だった。

直感的に察した「僕は死ん…だ…のか」

女神は一筋の涙を流し

「そうです、あなたは信号無視をしたトラックに轢かれて、わずか17歳という若さで

亡くなってしまいました…」

最後に「お労しいことです」と悲しんでくれた

僕のために…きっと根が優しい子なんだろう。

「その労いとして死後は自分の望む世界に転生させることができます

あなたの望む世界を聞かせてください」

決まっていた…小さい頃から夢に描いていた理想郷

それは大自然が広がるファンタジーめいた世界

いろんな動物や生物や植物、様々な国や街がある壮大な世界

儚くもあり美しくもあるそんな世界があったらと…

それが僕がもとめる唯一の欲求だった。

僕の思考を読み取ったのか

「では、あなたの望む世界へと転生させましょう」

と言い右手の人差し指を立て僕の心臓のある方の胸を

2回突いた