第2話ーでも好き
「来たぜ来たぜ。流石俺様だこのスキルなら絶対に勝てる。もはや俺に敵なんていねぇ。おう、お前らはどうだった?」
「うん、僕も良いスキルが来たよ」
「ああ、俺も当たりだな。」
うらやましい。あいつらばっかりあんなに喜んで。
私の能力ものしつけてくれてやりたい。
『くくく、我のプレゼントは気に入ったようだな。それとこれはサービスだ。この鈴をお前たちにくれてやる。これを鳴らせばそれぞれ一度だけ我を呼べる。ただし我もいつも暇とは限らんがな』
「ああ、ありがとな。よし、早速この力を試してみようぜ! 行くぞ皆」
「うん」
「やってやりましょう」
『そうだ、その力で欲望の限りを尽くすと良い。世の混乱こそが我が悦びなればな……っておい。貴様ら一体何をやっとる』
「うるさい、気が散るから黙ってろよ。うわ、おいやべえぞこれ。世界ランク1位のやつに余裕で勝てんぞ」
「それよりもこっちを見てください。あの攻略できないバグと呼ばれた魔王軍四天王最弱がでれっでれですよ。うわなにこれマジ萌えるんですけど。うおおー最弱マジラブ」
「ガチャ引き放題。一度やってみたかったんですよこれ。なあなあ、お前らこのキャラおりゅおりゅ?」
あれ?
もしかして全く被害無いの?
って言うか、こんな力を得てもやることはその程度ってことは思ったよりも大したこと無いのこの力って。
「あー良かった。一体どうなることかと思ったけど無事に終わりそうだね。親友ちゃんはどんな力だったの? 私のなんておお外れだよ。女殺しだって女の私がこんなの引いてどうするって言うんだろうね」
(台詞が100音を越えました。この場に居る女性全員の好感度がカンスト致しました)
え……
「私の能力は奴隷化。誰でも好きな相手を一人だけ奴隷にする能力よ。そしてその奴隷の能力を大幅に上昇だって。そう、私を貴女の奴隷にする素晴らしい力よ」
ええ……
「待って主人公ちゃん。こんな子より私の方が役に立つわ。私の能力は隷属。ブーストは無いけど何人でも貴女の奴隷にできるわ」
えええ……
「拙者くノ一マスターにござれば姫の敵をことごとく粉砕してみせるでござるよ。にんにん」
いや、中二病は少し落ち着け。
役作りするのは良いけどあんた格好はいつものゴスロリだから。
全く忍んで無いから。って言うか、今もポーズが魔女と言うか魔法少女だから。
「そうか君が俺の物だった筈の女殺しを盗んだのか。顔が良いから俺の物にしてやるつもりだったのに。まさか飼い猫に手を噛まれるとはな」
あんたの希望だったんかい想い人。
百年の恋も冷めるようなことを知っちゃったんだけど。
でも好き。
「かくなる上はこの俺の能力生活費免除で吠え面かかせてくれるわ」
あ、それかなり羨ましいかも。
ぐぬぬ……
「いや、本当に吠え面かかれても困るんだけど。まあいいか、何か中二病の傘が首にあたって痛いし、今日はこれくらいで勘弁してやるよ」
相変わらずバカで変なやつね。
一体何で私あんなやつの事が好きだったのかしら?
そもそも接点も会話したこともないのに。
でも好き。
って言うか、これってもしかして私も洗脳でもされてるのかしら?
そうじゃなきゃあんな最低の屑の事なんて。
でも好き。
具体的には二度と顔もみたくないし、出来るんなら殺して豚のえさにでもしてやりたいくらい好き。
「うわっ次回のEスポーツで会おうって世界ランク一位からメールが来た。良いぜ返り討ちにしてやんよ」
「うわっ最弱ちゃんがこの服何で脱げないのよ。私の全てを捧げたいのにだってよ。残念だったな最弱ちゃん。このゲームは全年齢だから貴様の望みが叶うことはないんだよ。そう、決してな。所詮やつは四天王最弱と言うことか」
「待て、このゲームの登場キャラクター券なるものがチャリティーオークションに並んでるじゃねえか。取り敢えず三千万円だ。うわ、これで俺もこのゲームの世界に行けるってことか。これはもう異世界転移と言っても過言じゃないだろ」
いや、過言じゃないかな?
異世界転移って何の事か良くわからないけど。多分違うってことはわかるわよ。
「それよりも少し離れなさい貴女達。そんなに密着されたら暑くてたまらないわよ。特にそこの幼馴染。私の首に顔を近づけて深呼吸とか本気で止めて」
「言いがかりは止めて貰いたいわね。私の能力は能力無効化なの。その能力で貴女の能力を止めてあげようとしたのよ」
え、本当に。そう言えばあの屑の事がどうでも良くなってるわね。これは期待が持てるわね。でもまずは謝らないとね。
「ごめんなさい、そうね貴女はそんな子じゃなかったわ。で、効いてるかしら?」
「この香り香水にしたら一財産間違いなしじゃないかしら。ああ、天国って言うのはここにあったのね。って言うか、私の能力乙ランクなんだけど。それが効かないってことはあんたどんだけ女殺しの才能があるのよ。これはもう天性のジゴロねあんた。だから謝罪は要らないからもう少しあんたの汗をかがせてくれないかしら?」
『もしもし、私観光客今貴女の虜になったの』
また変なの沸いたわ。
って言うか絶対に観光客じゃないでしょ貴女。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます