005

バチ…バチバチ


プラムが見張り番を交代してから幾分が経っていた。すると突然脳内に響く音が聞こえた。


ピロン♪


「ん?通知?そう言えば誰も居ないし…いいチャンスかも…」


そう言ってプラムは手を出した。


「ギフトメニュー」


ブィン



―――――――――――――

1:02:56 

   

△通知有り△ 

   

    表示しますか?



◇ギフト一覧

┗基礎ギフト

┗マスターギフト

┗ユニークギフト

┗天命

┗管理者ギフト


◇デバイスツール

┗アナライズ

┗アクティブ

┗アンロック

┗ロック


◇管理者設定

┗履歴

┗詳細設定



―――――――――――――






「やっぱりそうだ…通知、閲覧っ!!何々?」



――――――――――――――――――――――

⇦  

天命:虹の観察者を取得。

Mギフト:くすぐり耐性を取得。                  

Mギフト:暗視効果を取得。

....

――――――――――――――――――――――


「く…くすぐり耐性…いつの間に…」


悔しがるように唸るプラム。実は子供達の世話をしている間、そのような攻撃をされていたので有った。


( え~っとさっきの通知は…暗視?ってアレでしょ…緑っぽく見える…。現状、全然そんな感じしないけど…他はもう無いね。ならやる事はひとつ…)


「アナライズ」


――――――――――――――――――――――

⇦                    

アナライズ起動。

解析するギフトを指定して下さい。

――――――――――――――――――――――


( そう、これ…解析するギフトを指定…ね。なら試しに… )


「暗視効果」



――――――――――――――――――――――

対象を確認。

解析中...完了。

                    

暗視効果

┗マスターギフト

┗アクティブタイプ


・起動型持続ギフト。効果を得るには起動を宣言し、効果を止める場合は停止を宣言する。

起動する事で、暗闇でも30%の視野を確保し、物を見る事が出来る。

レベルが上がる事に視野範囲が広がる。


....

――――――――――――――――――――――


「成る程っ!!あ、声が…」


(これは便利かも!?分からないギフトはこれに聞けとっ!!)


「アナライズ、ユニークギフト」


――――――――――――――――――――――

⇦                    

対象を確認出来ませんでした。

誤表記、もしくはギフトでは無い可能性が御座います。

――――――――――――――――――――――


「なっ!?…」


(しまった…。ギフトメニューの項目ってだけでギフト能力その物じゃない…だから解析出来ない…そういう事だよねきっと。なんでも教えてくれるナビかと勘違いしてた…。この際仕方ない、気を取り直して… )


「アナライズ、ファースト【デス】」


――――――――――――――――――――――

⇦                    

対象を確認。

解析中...完了。


ファースト【デス】

┗ユニークギフト

┗パッシブタイプ


・永続型ギフト

【デス】死に関連するギフトの増減、抵抗、現象、構築、取得を手助けする。



――――――――――――――――――――――


( 死に関するギフトって…なにそれ恐っ…。それに説明が今一ピンと来ないですね…。この感じだと次も同じ感じですね…)



「アナライズ、ファースト【リバイブ】」


――――――――――――――――――――――

対象を確認。

解析中...完了。

                    

ファースト【リバイブ】

┗ユニークギフト

┗パッシブタイプ


・永続型ギフト

【リバイブ】生に関連するギフトの増減、抵抗、現象、構築、取得を手助けする。


....

――――――――――――――――――――――


(やっぱり…あと良く分からない物はと…)


「アナライズ、【人気者】」


――――――――――――――――――――――

対象を確認。

解析中...失敗。

                    

取得条件乱用を阻止する為、天命ギフトは解析出来ません。

....

――――――――――――――――――――――


(まさかの失敗…天命は解析できないギフトと…納得いかない。それに取得条件乱用って…。まぁ誰でも人気者に成れたら誰が人気者か分からなくなるもんね…。にしても何故私が…)


「アナライズ、カウント【ゼロ】」


――――――――――――――――――――――

対象を確認。

解析中...完了。


カウント【ゼロ】

┗ユニークギフト

┗アクティプタイプ

       

・起動型ギフト。

あらゆるアクティブギフトの起動、経過、持続、終了までの時間を任意で0に刻む。

始まりを0とするか、終わりを0とするかは自由。

但し、カウントを適応させたギフト以外の過程は存在せず、0以外の時間軸を刻む事も出来ない。

また永続効果には無効。

       


....

――――――――――――――――――――――


( 全く意味が分からない…考えるだけで頭が痛くなりそう…)


「アナライズ、生体再構築」


――――――――――――――――――――――

対象を確認。

解析中...完了。

                    

生体再構築

┗ユニークギフト

┗アクティブ


・起動型ギフト。

対象の正常な生体情報を基づき、有害個所を除外、生体を再構築します。


....

――――――――――――――――――――――


( どれもこれも機械的な表現で分かりずらいけど…これは何となく解る気がする…そのままの意味なら治癒能力だよね?これは役に立ちそう…。それにしてもこの二つのギフトって管理者ギフトの枠なのにユニークギフトに枠づけられてるのがどうも気になる…。翻訳ミスみたいなモノなのかな )



「はぁ…。気になるのは一通り終わったかな…次は多分…アレだよね」


「アクティブっ!!」


――――――――――――――――――――――

⇦ 

起動するアクティブギフトを選択してください。


ユニーク

・カウント【ゼロ】

・生体再構築


マスター

・暗視効果


....                   

――――――――――――――――――――――


( 成る程、コマンドスキルって事だね。これは想像通りっ!!試しに使かって見ようかな♪)


「暗視効果っ起動っ!!」


ザザッ




プラムが暗視効果を宣言した途端、視界の景色が白黒の世界へと移り変わり、視野が狭まった。




「ぬぉっ!?」


(これが…暗視効果っ!!確かに木の形がくっきりわかる。でも視野が狭くて横が疎かになってるよ…レベル上げて行かないと使いにくい訳ね…。他のアクティブと言えば…試すだけ試そうかっ!! )


「アクティブっ!!カウント【ゼロ】っ!!」



――――――――――――――――――――――

⇦                    


カウントを適応するアクティブギフトを指定してください。


....

――――――――――――――――――――――



「と、来れば…暗視効果っ!!」



――――――――――――――――――――――

⇦                    


時間的プロセスの選択無し、効果を自動で適応します。

暗視効果の終了時間を0に刻みました。


....

――――――――――――――――――――――



ザザっ


「あれ!?視界が…」


( 停止宣言しないと暗視効果止まらないんじゃ?でもメニューには時間を0に刻みましたって出てるから…もしかしたらコレが原因かも…。まぁ暗視効果の時間を0にしてどうなるのって話しだよね…。カウント【ゼロ】は…後回しかな。現状アクティブギフトが少なすぎ… )




( 残るはアンロックとロック…アンロックは確か形あるギフトを取り込む機能だったよね…なら )


「ロック」



――――――――――――――――――――――


世界に還元するギフトを選択してください。


....                    

――――――――――――――――――――――



( 還元するギフト?戻すって事?ならこの無難なギフトを… )


「くすぐり耐性」


――――――――――――――――――――――


くすぐり耐性を選択中....

アナタはこのギフトを放棄し、世界へと還元されますが宜しいですか?


....                  

――――――――――――――――――――――



「そ、そういう事ねっ!!いいえ一択っ!!」



――――――――――――――――――――――


還元をキャンセルしました。


....                    

――――――――――――――――――――――


( ふぅ…危ない危ない 大したギフトじゃないとは言え、放棄する必要もないからね…ギフトは有るに越した事ない、か…楽園の女性が言ってましたね… 次は設定の項目ですね )


「履歴」


――――――――――――――――――――――

⇦                    


....

条件を満たし、天命:人気者を取得。

何者かにくすぐりをされました。

何者かにくすぐりをされました。

何者かにくすぐりをされました。

何者かにくすぐりをされました。

何者かにくすぐりをされました。

何者かにくすぐりをされました。

何者かにくすぐりをされました。

何者かにくすぐりをされました。

何者かにくすぐりをされました。

何者かにくすぐりをされました。

何者かにくすぐりをされました。

くすぐり耐性を取得。

くすぐり耐性により軽減しました。

くすぐり耐性により軽減しました。

くすぐり耐性により軽減しました。

暗視効果を起動しました。

カウント【ゼロ】を起動しました。

暗視効果が強制停止されました。


....     ⇧

――――――――――――――――――――――



( これは…なんと惨い私の履歴…これで何をされたか、何をしたか分かると…あまり使う機会はなさそうですね… )


「詳細設定」



――――――――――――――――――――――

⇦                    


メニュー設定

┗画面サイズ

┗表示位置設定

┗画面透明度

ガイド

┗音声指示設定

┗ジェスチャー指示設定

┗意思指示設定

マクロ設定


....

――――――――――――――――――――――


( こ、これは…上級者設定っ!!私にはまだ早いと神が告げて居る…。慣れない内に変な所をいじるのは良く無い…うんうん )


興味本位で色々いじり倒し、色々な機械トラブルを招いてしまった前世の記憶が蘇っていた。


「ふぅ…こんな所かな。今は身体能力だけに縋るしかなさそうね…」



そう言って一通り済んだプラムが立ち上がり、焚火に薪を投げ入れた。そして暗視効果を起動させ、見張り仕事に努めたのであった。


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