第六のん♪~ジメジメ梅雨模様~(まさかの桜が風邪をこじらせ・・・これはお見舞いに行かねば!皆でお見舞いパーティー?)

ひより「さてGWが過ぎてしまい、特に夏休み迄大きなイベントが無いのですが・・・この場所久しぶりの様な気がして何だか慣れないねぇ・・・」


詩音「そう言われれば、ずっと桜が仕切っていたからな・・・その桜はサブタイトル通り梅雨時ではあるのだが、風邪をひいてしまったらしい・・・」


ひより「大変だよぅ~!お見舞いに行かなきゃ!!」


詩音「今日は桜のお見舞いに行くと言うお話が舞台だそうだ・・・」


ひより「何だかいつもノリノリの子がいないとちょっと寂しいね。」


詩音「あぁ、でもこう言う時だからこそ私達で盛り上げなければならないと思うんだ!」


ひより「じゃあ、詩音ちゃんをいじる回と言うのも今回も・・・ひっ!!!!」


詩音「それ以上言うな!」


ひより「うっ、うん!(最近詩音ちゃん荒れてるな?・・・)」


詩音「では早速本編に入ろうか!」


ひより「そうだね!梅雨でジメジメしているので髪の毛の手入れとか大変でそんな時に桜ちゃんが風邪をひいちゃったから桜ちゃん大変だね・・・それでは、本編開始~!!」






6月のある日・・・



ひより「うみゅ~・・・又今日も雨だよぅ~・・・早く夏にならないかな?」


照子「そうね・・・この時期は髪の毛もパサつくし体も重く感じるわね・・・」


詩音「おい、二人とも、今日桜が風邪をひいて休みだそうだ?」


ひより「えぇ~!?あの元気だけが取り柄の桜ちゃんがまさかの風邪!?台風が来てるよきっと!!」


照子「ひよちゃん、案外人を傷付けるのが上手そうね?・・・」


詩音「熱が38度あるそうだ。後で見舞いに行かねば・・・」


照子「そうね・・・じゃあ、後程その事についてお話しましょう?」



♪キーンコーンカーンコーン×4回



グラサン教師「よし、皆席に着け・・・朝礼の時間だ!・・・おい、何で俺の名前がグラサン教師なんだ!?作者の野郎、俺の名前忘れやがったな?俺の名前は「早乙女雪之丞輝義」だ!忘れんなよ!?お前が考えた名前だろうが!?それに面倒だからと言って、チャイムの所!省略するなよ!」


ひより「あれ?先生誰と話してるんだろう?」


照子「先生も色々とあって疲れているのよきっと・・・そっとしておいてあげましょう?」


グラサン「おい、そこの2人、今痛い人みたいなセリフ吐かなかったか?」


ひより「いえ、先生が疲れてるんじゃないかな?って心配したんだよ?」


グラサン「あっ、そうだったのか・・・すまない、もうそろそろあいつが帰って来る気がしえな・・・色々と準備をしておかないといけないのだが・・・」


ひより「大丈夫だよ!先生、何かあったら私達相談に乗るよ?いつでも言って来てね!(キリッ!)」


グラサン「お前は本当に良い子だな・・・先生嬉し過ぎて漏らしてしまいそうだ・・・」


ひより「先生、この作品は下ネタ禁止なんだよ?」


グラサン「いや、言い方が悪かった・・・涙がだな・・・ジュルッ!」


ひより「その最後のジュルッ!って何ですか?怖いです・・・」


グラサン「いや、気にしないでくれ。それより、今日は師匠、いや、相楽が休みになった。風邪を引いてしまったそうだ。皆も体調管理にはくれぐれも気を付けるように。特にこれから季節の変わり目となると体調が崩れやすくなる。俺みたいに体を鍛えていればそのようなもの吹き飛ばせるが、皆も鍛えろ!じゃあ、出席を取るぞ・・・天川・・・」


ひより「やっぱり梅雨は嫌だな・・・」


照子「まあ、もう数週間の辛抱よ。それを抜けたら夏になるし、夏休みにも入るわ!」


ひより「そうだね!楽しみだよぅ~!!」




授業を受け、お昼休みになりました。




詩音「今日は食堂に行かないか?桜の見舞いの話もあるし。」


照子「そうね。丁度今日はひよちゃんも私も買いに行くつもりだったから。」


ひより「じゃあ、食堂にレッツゴー!」




食堂にて・・・



ひより「私、A定食でお願いします!」


照子「ひよちゃん?ここ食券買うだけで良いのよ?」


ひより「えぇぇ~・・・!?私食堂使った事まだ無いから知らなかったよ・・・て言うか先に言ってよぅ~・・・」


照子「ごめんなさいね。あまりにも食い意地が張っているひよちゃんの笑顔を見ているとついつい言いそびれてしまって・・・(・ω<)」


詩音「何と言うか、地味に刺さる言い方をするんだな君は?それに最後の顔文字は・・・」


照子「あら?いつも私たちってこんな感じよね?」


ひより「まぁね!もう長い付き合いだから慣れちゃった(笑)」


詩音「うん・・・お互いがそれで良いのなら私が出る幕は無さそうだな・・・(それで良いのかひより?)」


照子「じゃあ、あそこのテーブルにしましょう!」




詩音「ところで・・・ひよりよ?君はA定食を2つ分食べるのかい?」


ひより「うん、普段食べないから今日はめいっぱい食べるよ!ちょっと食べる?」


詩音「いや、私は結構だ。自分の分でいっぱいだから・・・」


照子「お休みの日なんかいつもこんな感じよね?」


ひより「うんうん、照ちゃんと2人で食べる時も私これくらい食べてるよ?」


詩音「あぁ、お互いがそれで良いのなら私が出る幕は無さそうだな・・・(それで良いのか照子?)」


照子「じゃあ、放課後に桜ちゃんの家にお見舞いに行くけれど、何を持って行こうかしら?」


詩音「花は任せてくれた良いよ。後ちょっとした果物なんかが良さそうだな?」


照子「そうね。じゃあ、ちょっと帰りにスーパーによって買って行きましょう。」


詩音「私は一度自宅へ戻るよ。それで花を用意して行く。」


照子「じゃあ、4時頃に桜ちゃんの家の近くの公園に集まりましょう?」


詩音「了解した。」


ひより「私も何か用意するよ!!」


照子「じゃあ、ひよちゃんは私と一緒にスーパーに行く?」


ひより「そうだね!そうするよ!」



HR(ホームルーム)



早乙女雪之丞輝義「よし、皆いるな?いよいよ週末に入るが、雨のバカ野郎がいつも降ってやがるが風邪を引かないように!師匠、いや、相楽の様に体調を崩されては、そろそろ戻って来るあいつに頭が上がらないからな、気を付けるんだぞ!」


ひより「ねぇねぇ、先生って桜ちゃんの事師匠って呼んでるの?」


照子「そうみたいね。きっとあの映画を観に行った時のアニメの件じゃないかしら?」


早乙女雪之丞輝義「あぁ・・・それでは、皆、良い週末を送るんだぞ?それから、フルネームで書かなくても良いぞ・・・何だか人名に見えないし妙に目立ってしまう・・・」


ひより「?やっぱり先生変だよ?きっと何かあったんだよ?頭思いきりぶつけたとか事故にあって頭が変になったとか?・・・」


照子「あらあら、ひよちゃん、知らず知らずの内に先生がへこんじゃってるわよ?」


ひより「あっ!ごめんなさい、そう言うつもりで言ったんじゃ?・・・あれ?先生?」


輝義「師匠~・・・今からお見舞いに伺います。どうぞご無事で!」


ビュンッ!!!


ひより「はやっ!!!何今の!?一瞬で教室から見えなくなったよ。あの巨体であの速さ・・・って人間技じゃないよぅ~!!!!!」


照子「あらあら、先生も桜ちゃんのお見舞いに行くつもりだわ?」




待ち合わせ場所の公園に到着・・・




照子「じゃあ、3人揃った所で桜ちゃんの家に行きましょう。」


ひより「うん、桜ちゃん落ち着いたかな?」


詩音「ゆっくりと休んでいるだろう?」




相楽家到着・・・




詩音「たのも~!」


ひより「ひっ!?詩音ちゃん、その掛け声おかしいよぅ?」


詩音「しまった!すまない、こんにちは~、失礼します。」


桜の母「は~い、あら?あなたたちは・・・」


照子「桜ちゃんがお休みされていましたのでお見舞いにと思ってお邪魔でしたでしょうか?」


桜の母「いえいえ、わざわざ授業が終わってからなんてごめんなさいね。桜は少し落ち着いたから上がって下さいね。」


詩音「かたじけな、いえ、それでは、失礼致します。」


ひより「お邪魔します!」


照子「すみません、恐らく今日の詩音ちゃん、テンパってると思うのであまり気になさらないで下さい。」


桜の母「あっ、そう言う事だったの?」


照子「では、私もお邪魔します。」


桜の母「ゆっくりして行って下さい。」



♪コンコンコン


桜「どうぞ!」


詩音「失礼する。」


ひより&照子「お邪魔します。」


桜「あれ!?皆どうしたの?」


詩音「あぁ、桜が今日風邪で休むってメールくれただろう?だから皆で見舞いに来た。」


桜「わざわざそんな事で?あっ、ありがとう・・・嬉しいよ。」


詩音「良かった。顔色もそれ程悪く無さそうで・・・安心したよ。」


照子(桜に耳打ち)「今日ね、詩音ちゃんの様子がいつもと違って、何だろう?って思ったの。どうやら桜ちゃんが風邪を引いてお休みだったから凄く不安でテンパってたみたい?」


桜(照子に耳打ち)「そうだったのか!?でも何で私が休んだだけでテンパるんだろう?」


照子(桜に耳打ち)「それは、私からは言えないわ。当の本人同士の問題よ?大きな胸に手を当てて考えてみて?」


桜(照子に耳打ち)「おぃ、最後の「大きな」ってとこは余計だろ?」


照子「まあ、桜ちゃん元気そうで良かったわ!」


ひより「そうだよぅ~!皆心配だったからね。特に詩音ちゃんなんか・・・うぐっ・・・」


詩音(ひよりに耳打ち)「おいっ、それは言うな!!恥ずかしいだろ?」


ひより「もごっ・・・ふごっ・・・分かった、分ったからぁ・・・詩音ちゃん力強過ぎて・・・・・・・・ぐふっ・・・」


桜「おい、姉御、ひより泡吹いて失神してるぞ?」


詩音「すっ!すまない・・・しっかりしろ?大丈夫か?ひより?目を開けろ!寝たら死ぬぞ?寝たら死ぬんだぞ?」


照子「ね?」


桜「なるほどね・・・何となくママが言っていた事が分かる気がする・・・うん・・・」


桜の母「皆さん、お茶とごめんなさい、用意が間に合わなくて大したものじゃないけどお菓子置いておくわね?」


詩音「あっ、お構いなく・・・いつもすみません。」


「ゴメーン」


桜の母「あら?お客さんかしら?あまり聴き慣れない声だけど?じゃあ、私は降りるわね。何かあったら呼んで下さいね。」


桜「疲れただろ?座ってそれ食べて?」


ひより「わぁ~!!凄く美味しそうなお菓子♪」


照子「ひよちゃん本当に食い意地が張っているわね・・・」



♪コンコンコン



桜「はい?どうぞ・・・って先生?」


輝義「師匠!大丈夫ですか!?」


桜「ちょっ・・・先生・・・?」


輝義「・・・・・・・・・・・・・・・・」


輝義「キャーーーーーーーーーーーーーーーーー」


桜「いやいやいや、おかしい、その叫び方!こっち側の誰かが叫ぶなら分かるんだけど・・・」


輝義「お前たちも見舞いに来ていたのか!?」


ひより「あぁ!それでさっき人間技じゃない技を披露していたんだね!?」


詩音「先生も見舞いに来られたのですか!?桜は渡しませんよ?」


輝義「そうか、簡単には手渡せないと言う訳だな・・・そうなればこちらも策を立てなければならんな。」


ひより「ちょっ、何なのこの二人!?」


桜「ちょっ、渡す渡さないって何の事?私って何?」


照子「あらあら、面白い展開になって来たわね?このまま観戦と行きましょうか?」


ひより「ダメだよぅ~、止めないと、そんな悠長な事言って無いでぇ~(>_<)」



詩音「ふむ、ではゴールデンウィークに行った映画の一件以来先生は、桜の事を師匠と慕っていたと言う訳ですね・・・」


照子「ねっ?私が言った通りでしょう?」


ひより「そうだね!流石照ちゃん、推理力凄いねぇ~!」


桜「だからぁ~、あたしは師匠とか言われんのが嫌なの!普通に先生と生徒でいいじゃん?」


輝義「いや、ですから、せめて、プライベートでは・・・」


桜「確かにギャルパン知ったのも食いついたのも話からすると私の方が先だけど、そう言うので師弟関係なんておかしいでしょう?」


詩音「では、こうしよう?先生と私が勝負をして、私が勝てば桜の言う事を正とし、私が負ければ先生の言う方を正とするのでは?」


輝義「ふぐっ・・・悩む所だが了解だ。」


桜「ちょっ!それもおかしいだろ?」


ひより「何か変な作品に変わりつつあるよぅ~・・・照ちゃん何とかしてぇ~・・・」


照子「♪たたらたったらーん、桜ちゃんのお母様が用意した特性お菓子~・・・」


一同「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


照子「あらあら、皆引いちゃったわね(・ω<)」


ひより「照ちゃん・・・その顔文字使いたいだけだよね?」


照子「うふふっ!」


桜「あのさぁ、何て言うか、今日の姉御変だよ?どうしたの?テンパってるのは凄く伝わって来るんだけど・・・何て言うの?何か深い理由がある気がするんだ・・・」


詩音「いっ、いや、私は・・・そのだな・・・」


桜「私、姉御を凄く尊敬しているし、姉御の事好きだけど、今日の姉御は何だかいつもと違う感じで何て言うの?苦手・・・かな・・・」


詩音「・・・・・・・」


ダッダッダッダッダ・・・


ひより「あっ!詩音ちゃん・・・どこ行くの!?」


照子「桜ちゃん、少し言い方が強かったんじゃ?」


桜「分かってる。でも少し状況を見たかったんだよ。きっと・・・」


照子「桜ちゃん・・・」


輝義「あぁ・・・何だか申し訳無かったな・・・俺が余計な事言わなければ・・・」


桜「先生のせいじゃないよ。今日の姉御はいつもと様子が違うんだ。そこを突いただけだから。」


輝義「俺が話をして来る。」


桜「いや、いいよ。姉御は何か考えがあって出て行っただけだと思うから・・・」


輝義「そうか・・・お前と榊は何かしら通じ合っているのかもしれんな。何だかこう言う空気の時に出て行くのも悪い気がするが、俺はこの辺でお暇させてもらおう。相楽、色々とすまなかった。もう師匠とか言わない。ただ・・・ギャルパンについては今後も宜しく頼む。」


桜「あぁ、いくらでも語ろうよ。いつでも良いからさ!」


輝義「ありがとう。では邪魔したな。テリャッ!!」


ビュンッ!!!!!!


ひより「だからぁ~!人間技じゃないからぁ~!!もうこの作品ぶち壊しだよぅ~( ノД`)シクシク…」


照子「大丈夫よ。もう直ぐ小雪先生戻って来るって言ってたでしょう?」


ひより「うん、それ迄頑張るよ・・・」




詩音 (あぁ・・・分かっていたさ、私が今日一日朝から変だって事は、自分が一番分かってた。でも何でそうなったのかが自分でも分からないんだよ。私のこの不安で怖い?その様な少しいつもとは違った気持ち・・・心の乱れ?なのか?戻ろう・・・)




ひより「それで、私がちょっと食べながら電話に出たら、口から吹き出してしまって、その吹き出したものがお父さんの顔に直撃して~」


桜「はっははははは~!!!お前って本当ギャグの塊みたいな事するよな?」


詩音「すまない、頭を冷やして来た。桜、さっきはすまなかった。」


桜「うん、いつもの姉御だ。私も少し言い過ぎたよ。ごめん。でもやっぱり私、いつもの姉御が好きみたいだよ。」


詩音「あぁ、もう取り乱さない様、気を付けるよ。」


照子「うん、これにてぇ~一件落着~!!!」


ひより「今度は照ちゃんの様子がおかしいよぅ~?どうしよう?」


照子「あら、いつも言っているでしょう?こう言う冗談染みた事?」


桜「ママも本当いつも通りで何より・・・」




翌週の月曜日・・・


桜「ゲホゲホッ・・・」


ひより「桜ちゃん、大丈夫?咳が出てるけど?」


桜「あぁ・・・大丈夫。昨日治ったと思ってちょっと油断したみたいでぶり返してしまったみたい・・・」


照子「お休みした方が良いんじゃない?咳が強いし顔色も少し悪いみたいだし?」


桜「いや、家にいても退屈なだけだし授業受けている間に治るだろう?」


詩音「ダメだ!!!!!」


桜「姉御・・・?」


詩音「あっ、すまない、つい声を張り上げてしまった・・・大分疲れている様子だし、先生に言っておくから桜は帰った方が良い。」


桜「大丈夫だよ。今の時期だと寒く無いし今日ダメそうなら明日休めば良いし・・・」


詩音「帰るぞ。君が帰らないなら私が連れて帰る。さぁ、来るんだ。」


桜「ちょっ・・・待って、何でそんな・・・強い、痛いよ・・・」


詩音「・・・・・・」


桜「やっぱり姉御、ううん、詩音、様子がおかしいよ?」


詩音「・・・・・・・もう、嫌なんだ・・・」


桜「どう言う事?」


詩音「大切な人を亡くした・・・」


桜「大切な人?」


詩音「君と同じ様に最初はただの風邪だった。」


桜「・・・・・・」


詩音「私がまだ小学校高学年の時だった。仲の良い子がいて、よく遊んでいたんだ。」


桜「うん・・・」


詩音「梅雨だったある日、公園で遊んでいたんだ。でも途中から雨が降って来て・・・急いで雨宿りをしようと思って近くの屋根がある小さな店の前で雨宿りをしていた。」


桜「・・・・・・」


詩音「それから30分程喋りながら雨が止むのを待っていたんだ。そうすると夕立だったから綺麗に晴れて来て、急いで私の家に帰って二人でお風呂に入ってその子は家に帰った。」


桜「それから・・・?」


詩音「翌日、学校があったから学校に行くと、マスクをしてとてもしんどそうに彼女が席に座っていた。私が、昨日は大変だったねと声を掛けると、笑顔で「そうだね・・・私風邪ひいちゃったみたい・・・」って言ったから私が「顔色が大分悪いし咳も出ているみたいだから帰って休んだ方が良いよ?」と言ったが「ううん、これ位平気。親がいないし、家に帰っても暇だから学校にいた方がかえって落ち着くんだ。」と言っていた。」


桜「それじゃぁ・・・」


詩音「あぁ、あの時私が無理にでも家へ連れて帰っていれば良かったんだ。怒られようとなんだろうと・・・」


桜「・・・・・・・」


詩音「彼女は頑張って授業を受けてその日終わって私が連れて帰った。彼女の親御さんは夜遅く迄働きに出掛けていたから私がその日は看病をしたんだ。親御さんが帰って来てかなり私に詫びて来たがどうしても気になったから私はその日は彼女の家に泊まらせてもらい、彼女と一緒にいた。翌朝、彼女がうなされている声が聞こえたから飛び起きたら、かなりの高熱で急いで親御さんを呼んで救急車を呼んで病院に行った。偶然土曜日だったので学校は休みだったんだ。思っていた以上に熱が高くて、彼女は既に朦朧としていた。」


桜「・・・・・・・・・・・・」


詩音「それから色々と熱を下げようと医者達が頑張ったが、私の所に彼女が運ばれて来た頃、時間は昼の3時を回っていた。彼女は午後2時56分、息を引き取った。」


桜「・・・・・・・・ひっぐ、ひっぐ・・・・」


詩音「おや?泣いてくれるのかい?」



桜が詩音に抱きしめる様に抱きついた。



桜「ごめん・・・っぐ、本当にごめんなさい・・・ひぐっ・・・」


詩音「・・・・・いいんだ。あの時の影を君に被せて見ていたからきっとあんなに取り乱したのだろう・・・私こそごめん。」


桜「そうじゃないよ・・・詩音は悪くなんて無いよ・・・悪いのは全部私なんだから・・・詩音にそこ迄大切に想ってくれていた、私もきっと詩音は私に気があるとか勝手な馬鹿な勘違いをしていたんだ。恥ずかしいよ・・・あなたに申し訳無い気持ちでいっぱいだよ・・・えぐっ!」


詩音「何も間違って無いさ。大切に想っているし、桜の事は大好きなんだ。だからもう泣かないでおくれ?・・・」


桜「・・・・・」


詩音「・・・・・・」


桜「私、今日はもう帰るね・・・詩音をこれ以上悲しませたくないし・・・」


詩音「あぁ、その方が良いよ。又見舞いに行くと思うから桜は家でゆっくり休むと良い・・・」


桜「ありがとう・・・本当にありがとう・・・詩音・・・」




照子「二人とも大丈夫?急に飛び出して何処に行ったかと思ったわ!?」


ひより「良かったぁ~二人ともそこにいたんだね!」


詩音「あぁ、色々とすまなかった。桜はこれから帰宅して休む事になった。だから悪いが私は桜を連れて行くから授業、送り届けたら直ぐに戻るから先生に伝えておいてくれないか?」


照子「分かったわ。後の事は私に任せて、気を付けてね。」


詩音「宜しく頼む。」




桜を送り届ける途中



桜「あ・・・その、あね・・・」


詩音「いつも通り、姉御と呼ばないのかい?」


桜「何て言うか・・・その・・・恥ずかしくて・・・」


詩音「そうか・・・まあ、今は呼びたい呼び方で呼んでくれて良いよ。」


桜「じゃあ、詩音ちゃん・・・」


詩音「ちゃん・・・ぷっ・・・ふふふっ・・・」


桜「何がおかしいの?」


詩音「いや、すまない、まさか君が私の事をちゃん付けで呼ぶなんて思いもよらなかったものだからつい・・・」


桜「べっ、別にいいじゃん、こっちだって恥ずかしいんだから・・・」


詩音「ごめんごめん、良いよ。ちゃん付けでも。」


桜「あの・・・さ、詩音ちゃんがさっき言ってた「好き」って言うのって、どう言う「好き」?」


詩音「「好き」は「好き」だよ?他にどう言う「好き」があるのだい?」


桜「ひょっとしてごまかしてない?」


詩音「いいや?ごまかす理由が分からないよ。チュッ!」


桜「は・・・はわわわわ・・・プシュー・・・」


詩音「はははっ!桜は分かりやすいね。顔が真っ赤だよ?」


桜「い・・・今のおでこにしたのって・・・」


詩音「あぁ、君が好きの意味だよ?こう言うのは嫌いかい?」


桜「からかってんでしょ?もう~・・・」


詩音「桜は、実はいじり甲斐があるな。はははははっ!」


桜「もう~・・・・・ふらぁっと・・・」


ガクン・・・


詩音「おい、桜?しっかりしろ?・・・大丈夫か?おい!桜、桜?さくらぁぁぁぁぁぁぁ~!!!」




総合病院


医師「お連れさんだね?」


詩音「はい、運び込まれた相楽桜さんの友人です。親御さんは電話で呼びましたのでもう直ぐ来られると思います。それより桜の状態は?」


医師「そうか。いや、君のおかげで助かった。どうやら学校で途中迄無理していたと聞いたけど、君が連れて帰る事になったと言う事だね?後もう少し遅かったらひょっとすると彼女はこの世にはいなかったかもしれない。」


詩音「では・・・・・!」


医師「あぁ、しばらく安静にしていれば直ぐに回復するだろう!若いって良いね。彼女の場合は特に回復力がかなり高い様だ。」


詩音「はっ・・・はい!ありがとうございます。ありがとうございます。本当に・・・ひぐっ!・・・」


医師「おぉ・・・泣く程心配していたのか?優しいね。一先ず一般病室に入ってもらっても大丈夫だろうと思うから303号室へ移す事にするよ。」


詩音「はい!本当にありがとうございました。」


医師「それにしても、腰に刀の様な物が見受けられるが・・・」


詩音「あっ!気になさらないで下さい。ただの飾りですので。」


医師「まっ、まあ飾りだろうね・・・君みたいな華奢な体形の子が本物の刀を持つのも結構力がいるはずだと思うし・・・」


詩音「では、私も病室へ向かいますのでこれにて失礼致します。」



桜「す~す~・・・」


詩音「眠っているな。本当に良かった・・・もし君がさっき死んでしまっていたら、私はもう・・・」


桜の父「桜!大丈夫だったか!?」

桜の母「電話ありがとうね、詩音ちゃん。」


詩音「おじさま、おばさま。桜さんは今落ち着いています。眠っていますが、命にも別状は無いそうです。」


桜の父「詩音ちゃん、色々とすまなかったね。頑固な面もある娘の事だから朝も大分苦しそうにはしていたんだよ。だけど無理にでも学校に行くって言い張って聞かなかったもんだから、気にはしていたんだ。でも仕事がある手前中々連絡もつけられなくて・・・」


桜の母「詩音ちゃん、学校の授業もあるのに本当にごめんなさいね。後は、私たちが看ているから詩音ちゃんは学校に戻って頂戴?今度お礼もさせてもらうから。」


詩音「いえ、お礼は桜さんがもうしてくれたようなものですから、結構です。それでは、私は学校に戻りますので。失礼しました。」


桜の父「相変わらず凛々しくて礼節弁えられる子だな。あの子が男の子だったら桜を嫁に出させるんだけどなぁ・・・」


桜の母「そうねぇ・・・昔のあなたみたいな凛々しさよねぇ・・・」


桜の父「いや、照れるな・・・はははっ!」


桜の母「「昔の」って所聴き忘れてるわよ?」


桜の父「えっ!?おいそれどう言う意味!?」


桜の母「ほらあまり大きな声を出すと桜が起きちゃうわよ?」


桜の父「あっ、いけねっ!!」




学校へ戻って来た詩音・・・




ひより「詩音ちゃん、お帰り!桜ちゃんが途中で倒れたって大丈夫だったの?」


詩音「あぁ、後一歩遅ければひょっとしたらって先生が言っていた。でも大丈夫。今は病室で安静にして寝ている所だから。」


照子「良かったわ・・・やっぱり姉御が無理矢理連れて帰ろうとして正解だったのかも!?」


詩音「あぁ、もうあの時のような事になるのは嫌なんだ・・・」


照子「姉御?大丈夫?疲れているんじゃ?」


詩音「あぁ、すまない、大丈夫さ。残りの授業受けたら急いで桜の元へ急ごう!」


ひより「そうだね、早くお見舞いに行かないと!」




HR(ホームルーム)




輝義「えぇ~、さっき榊から電話があったのだが、今日は相楽が風邪をむしかえしていたのだが、途中で下校する事となって・・・榊が連れて帰ろうとしてくれたのだが、下校途中で相楽が倒れてしまって病院に運ばれた。幸い命に別状は無かったそうだ。しばらく安静にしていれば落ち着くとの事だが、皆も梅雨時ではあるが、雨等浴びると後から体温奪われて風邪を引く。だがそれを放置しているととんでもない事になる。くれぐれも無茶をするのは控えろ。もし、お前たち誰か一人でもこの世界からいなくなってしまったら、悲しむ人が必ず現れる。その悲しむ人を悲しませない為にも無茶だけはするなよ。じゃあ、今日はこの辺で、解散!」


ひより「うわぁぁぁ!先生が先生に見えたよぅ~」


照子「あら、ひよちゃんは面白い事言うのね?先生は先生でしょう?」


ひより「うん、あまりにもまともな事言っているから反対に私が浮いちゃったよ?」


詩音「それより、病院に行こう。」


照子「えぇ、そうね。」




再び総合病院



詩音「303号室だから。ここだ。」


♪コンコンコン


野太い声「は~い、どうぞ~!」


詩音「失礼します。」


♪ガラガラガラ~


詩音「・・・・・」


野太い声「・・・・・」


詩音「すみません、間違えました。失礼しました。」


♪ガラガラガチャン


照子「あれ?ここじゃ無かったの?」


詩音「あぁ、確かに303号室だったはずなんだ。でも別人がいて・・・それで・・・」


桜の母「あれ?どうしたの?皆さんで、入って?」


詩音「おばさま、桜さんこの部屋で合ってますよね?」


桜の母「そうだけど・・・さっき詩音ちゃんが教えてくれたわよね?」


詩音「そうですよね・・・あっ、おじさまは?」


桜の母「桜が落ち着いたみたいだから先に帰ってお店を開けたわ。」


詩音「そうですか。それなら良かった・・・っておじさまが帰られて、おばさまがここにいるのに、私は目の錯覚を起こしてしまったのだろうか?中に巨漢がいたような・・・?はて、巨漢・・・?あぁぁぁ!!!」


♪ガラガラガラ


詩音「やはり先生でしたか!」


輝義「何故扉の向こう側でコントのような反応を示した?」


詩音「いえ、さっきはご両親がいただけだったので・・・つい・・・」


輝義「もう桜さんは大丈夫な様ですね。私は戻って仕事がありますのでこの辺で・・・」


桜の母「先生もお忙しい所本当に申し訳ありませんでした。それからこんな娘ですがこれからも宜しくお願い致します。」


輝義「いえいえ、私の方こそ、いつも娘さんには色々と教えて頂いている身、今後も是非色々とご教授賜ろうかと思っておりまして・・・」


ひより「ねぇねぇ、先生があんなに礼儀正しそうに話してるよ?でも、色々とか色々とかだけで表現しちゃうと卑猥な感じに聴こえるね?」


照子「もう、ひよちゃんはどうしていつもそう言う方向に持って行こうとするの?そう言う時は先生が教え子に色々と教えるものよ?」


詩音「いや、君たちの会話の方がおかしいと思うぞ?・・・(汗)」


照子「まあ、でも桜ちゃんも容体が安定していると聞いていたけれど、顔色も随分と良くなってるんじゃないの?学校にいる時と大分違って見えるわ。」


詩音「あぁ、良かったよ。本当に・・・(桜・・・又詩音ちゃんって呼んでくれないかな?)」


桜「ん~・・・しおんちゃん・・・しおんちゃんだいすき・・・」


ひより「あれ?今何か聞こえなかった?ひょっとして桜ちゃん目が覚めたのかな?」


詩音「(ふふっ・・・私もだよ、桜・・・)えっ、いや何も聞こえなかったぞ?空耳じゃないのかい?」


ひより「えぇ~!?絶対に聴こえたよね?照ちゃん?」


照子「そうね、きっと空耳じゃないの?ひよちゃん結構心霊現象とか見えたりするでしょう?」


ひより「えぇ~・・・そんな能力無いよぅ~・・・私幽霊とか怖くて見えた事無いし・・・勝手に変な設定作らないでよぅ~!!!」


詩音「じゃあ、そろそろ私たちも帰ろうか。」




ちょっとしみじみさせながら梅雨のジメジメと掛け合わせるようなストーリー展開を見せたが・・・次回はいよいよ夏休み!又色々な催しものや展開が生まれて来る・・・と思います!次回を乞うご期待!




ひより「と言う事で、6月のジメジメした時に限ってジメジメした展開でお届けしましたが、読者の皆さま如何でしたでしょうか?」


詩音「おぃおぃ、ジメジメした展開っていくら私でもショックだな・・・」


ひより「しかも当初想定していなかった程の百合要素がさく裂!もうこの作品、百合作品で良いのでは?」


詩音「止めてくれないか?そう言うつもりでは無かったのだが・・・」


ひより「いやいやいやいやいや、大丈夫だよ、私応援してるから!」


詩音「そっ、それはありがとう・・・」


ひより「次回は夏休みだから楽しみだよね?もう次回からこんな変な展開無いよね?ね?ね?」


詩音「だから、何故今回の展開は変だと決めつけるんだ?凄くしっとりとした良い展開だったと思うぞ?」


ひより「だってぇ、この作品の主旨から明らかに逸脱した展開だったよぅ~?」


詩音「まあ、たまには良いじゃないか!」


ひより「ところで、詩音ちゃんは桜ちゃんの事が好きなの?」


詩音「あぁ、大好きだよ。」


ひより「作中にも出て来たけど、好きのベクトルがどうなのかって話は・・・?」


詩音「あぁ、好きは好きだ。それ以外の何物でも無いよ。」


ひより「恋心?」


詩音「恐らく君が照子に想っている想いと同じじゃないかな?」


ひより「じゃあ、大切な人だね!」


詩音「あぁ、大切な仲間さ。」


ひより「何か上手く回避されたような気がするけど・・・まあ、いいか・・・」


詩音「それより次回の夏休みなのだが、又宿題をさぼって本を読み漁る気じゃないだろうな?」


ひより「ん~・・・どうだろう?出来るだけ宿題頑張るよ!」


詩音「あぁ、今度は手伝わないぞ。」


ひより「えぇぇぇぇ~!?そんないけずしないでよぉ~・・・」


詩音「君はやれば出来る子だと知ったからもう私たちの手助けは必要無いだろう?だから頑張って自分一人の力で進めよう。」


ひより「うぅ・・・何気に詩音ちゃん、さっきの私の態度怒ってるでしょ?」


詩音「ん?何の事だい?私はそう言う事で怒ったりしないぞ?」


ひより「ごめんなさい、謝るから、宿題に行き詰った時は何とかして下さい

m(_ _)m」


詩音「何で謝るんだ?君は私に何か悪い事でもしたのかい?」


ひより「本当にごめんなさいぃぃぃ~・・・・」


詩音「と言う事で、次回は照子がメインになりそうな・・・そのような事を仰せつかっている。でも、これいつも思うのだが、作者殿が当日になってみないと分からない事が多いような気が最近しているのだが・・・」


ひより「うん、この辺りの次回の予告みたいなものは信じない方が良いよ!なんたってボンクラ書いてるのがボンクラだからまともになるはずがないよ。前回だってそうだったでしょう?もう無茶苦茶・・・いい加減まともに書いて欲しいよね。デモだよ、これはもう!作者に抗議しよう!」


詩音「はははっ、本当に・・・でも今日の一件で少しは見方が変わったかな?」


ひより「ダメだよ?そうやって甘い顔見せたら、鼻の下伸ばして次回とんでも無い展開を持って来るから?」


詩音「ははっ!その時はこの刀で斬れば良いだけさ!はははははっ!」


ひより「ははははははっ!そうだよぅ~、早く斬っちゃおうよぅ~!!それが一番だよ!」


詩音「あぁ・・・(冗談のつもりで言ったのだが・・・割と目が本気だな?作者殿も色々と大変だな・・・心中お察しします。)」







第六のん♪ 終

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