第四のん♪~GWゴールデンウィーク前編~(映画観たりショッピングしたりあれこれしてあっと言う間に夏休み?映画を観た後、とんでも無い事が!?)

桜「早いもので私たちが高校に入ってもう1月が経とうとしているんだけど、そろそろ五月病患者が増え始めて来た頃なんだけど、それと同時に長期の休みになるから尚更休み明けが大変な事になっちゃうんだよね。まっ、長い休みだし遊びまくってやろうじゃないか!って感じなんだけど、珍しく今日は姉御が来た。姉御、どうしたの?」


詩音「あぁ、いつも楽しそうにあらすじ解説をしているものだから今日は私が寄せてもらおうかなと思ったのだが、私でも良いのか?」


桜「いやぁ、当たり前だよ、むしろボンク、いや、例の主人公だと疲れるだけだから姉御がいてくれた方が正直助かる・・・かも。」


詩音「それなら良いのだが、その主人公も酷い扱いになっているな(汗)」


桜「そうだ!一度ピヨピヨと一緒にやってみる?それはもう、下手に1万回素振りするより疲れると思うから・・・精神的に・・・」


詩音「私は日々、精神も鍛錬しているのでそれ位ではびくともしないよ。」


桜「流石姉御、じゃあ又の機会に2人でやってみてよ。と言う事でGWだから色々と楽しい事が起こりそうな気がするけどさ、とりあえず、GWだから、映画は行くよね?まあ、一部の劇場系列が値上げに踏み切った訳だが、私たちには関係無いよね?」


詩音「いや、思いきりその値上げに踏み切った劇場に行ったでは無いか!?」


桜「あっ、それは、その、ネタバレだし・・・まあ、いいやとりあえず行ってみよう!」







ゴールデンウィークの連休前日午後の教室



ひより「ねぇねぇ、明日から連休だし何処か遊びに行かない?」


照子「そうねぇ、色々と遊びに行けるわね。でもひよちゃん、今授業中って言う設定だから前を向いて授業を受けないといけないわ。」


ひより「授業とか以前に今、「設定」って言ったよね?どう言う事!?」


照子「あまりそこに拘ると消されるからスルーしちゃった方が良いわよ?」


ひより「ひぇぇぇぇぇ~、何かダークなものが見え隠れして来たよぅ~、怖いよ~ぅ。」


グラサン教師「おい、コラッ、お前、何大きな声でダークなものって言ってんだ?俺か?俺がダークなのか?コラッ!」


ひより「いっ、いえ、何でも無いです、ごめんなさい。・・・て言うか、さっき迄優しそうな顔をした先生だった気がするんだけど、これも「設定」とか言うのに組み込まれているの?ちょっと作者さん酷過ぎるよぅ~(涙)」


グラサン教師「おいっ、何いつまでもピヨピヨひよこみたいに独り言でわめいてんだ!?」


ひより「いえっ、何でも無いんです。授業聞きます!」


グラサン教師「よし、じゃあ、お前、この問を答えてみろ?」


ひより「はい・・・」


照子「(小声で)そこは、珍しく「パンツァーフォー」と言ったのがミホちゃんじゃなくてマコちゃんだったから驚いてラーメンこぼしてしまったチョウノ教官。」


ひより「いや、それ完全に授業じゃないよね?アニメの話だよね?何でキャラ名がカタカナなのか分からないけど、全く関係無いよね?」


グラサン教師「おい、さっさと答えろよ!ちゃんと聞いて無かったのか?この後職員室に来るか?え?」


ひより「いえ、その・・・(こうなったら)珍しく「パンツァーフォー」と言ったのがミホちゃんじゃなくてマコちゃんだったから驚いてラーメンこぼしてしまったチョウノ教官。」


グラサン教師「おい~・・・」


ひより「ひぃぃぃ~・・・・!」


グラサン教師「お前~・・・・・・・・」


ひより「あっわっ、ごめんなさい・・・(>_<)」


グラサン教師「見直したぞ!よく俺の話を聞いていたじゃねぇか!大正解だ!ラーメンこぼしたってどうして分かった?そこ迄言っていなかったぞ!そこは俺が予想した事を言おうとしたのだが・・・とにかくお前は大したものだ、後で職員室へ来い!」


ひより「へっ?当たり?本当に?これ変なドッキリじゃないよね?って後で職員室?」


照子「(小声で)良かったわねひよちゃん、先生に気に入ってもらえたみたいで!」


ひより「(小声で)全然良く無いよぅ~、結局答えても答えられなくても職員室に行かないといけないんだよぅ~( ;∀;)」






ホームルーム(HR)



グラサン教師「よし、全員集まってるな!」


ひより「(小声で)ちょっと照ちゃん、何でグラサン先生こんな所でホームルームやってるの?どう言う事?」


照子「(小声で)何だか設定が変わったみたいね、何でか私も知らないわ。」


ひより「(小声で)えぇ~・・・もう嫌だよぅ~、作者の陰謀だよぅ~こんなの・・・( ノД`)シクシク…」


グラサン教師「え~、あれだ、お前たちの担任の早乙女先生なのだが、体調を崩されて、先程救急車に連れられ、病院へ向かった。今の所命には別条無いが、念の為当面入院や検査で来られなくなった。その間、俺がこのクラスの担任を引き継ぐ事となった。俺が担任代理になったからには、ビシバシ行くから覚悟しろよ!それからGW、華のゴールデンウィークは、浮かれ過ぎて羽目を外す事は許さんからな!それから、俺の名前をまだ紹介していなかった。俺の名前は・・・(黒板に文字を書く)早乙女雪之丞輝義 俺の名前は、早乙女雪之丞輝義と言う、以後宜しく頼むぞ。ついでだが、早乙女先生と同じ名字だが夫婦だ。さっきは急に倒れて本当に慌てた。小雪、頼むから無理しないでくれよ~、本当に、俺お前がいないとやっていけないんだよ~・・・早く良くなってくれ・・・と個人的な話はさておき、明日からGWに入る。何度も言う様だが、羽目を外さず、特にゴールデンウィークだから映画館へ行こうよぅ~、きっと楽しいよぅ~、色々遊びに行こうよぅ~・・・とか言って怪我をしたりする可能性が高いからくれぐれも注意しろよ!」


ひより「(-_-) 最後のって明らかに私の事真似したよね?ね?それに早乙女先生って夫婦だったの!!初めて聞いたよ。どうしてあんな人と結婚なんてしたのかな?」


照子「まあ、色々とあったんじゃないの?本当は優しい人なのかも?」


早乙女雪之丞輝義「恐らく、何であんな温和な先生がこんないかついグラサン教師なんかと結婚したの?と言う声が聞こえて来ているから言っておくとだな、俺と小雪先生は幼馴染でだな、ああ見えて小雪は俺より遥かに強いんだ。俺はいつも幼少期から彼女に捻じ伏せられていたんだ。」



「え~~~!?嘘~~~!?」



クラス全員が口を揃えて言った。



早乙女・・・以下略「今も負ける・・・俺が彼女と結婚したのは彼女に押し倒されてしまってだな・・・その・・・天井を見ていたらいつの間にか・・・」



桜「何と言うか先生って色々と辛い思いしていたんだな(汗)」


詩音「ふむ、やはり、人間見た目では無いな。」



雪之丞以下略「と言う訳でだな、先生が戻って来ても出来るだけいつもの様に振る舞え。勘が鋭いから直ぐに察知されるからな。俺が浮気した時も直ぐに「勘付いて」部屋に「缶詰」状態されたからな。いや、今のはダジャレじゃないんだ。とにかく、あれだけ皆に偉そうにGWは羽目を外すなと言っていたがむしろ俺が羽目外しそうで怖いんだ。何せ、今日からしばらくの間自由の身、お前たちの気持ちが手に取る様に分かる!ただ、教師としてはそれを見過ごす事は出来ない。だから、連休明け、元気な顔でこの場に座っていて欲しい。宜しく頼む。私からは、以上!では連休明けに又会おう!」





ひより「何と言うか、気の毒な先生だったね・・・最初私の人生終わったって思ってけど最後の方は反対に雪之丞先生の方が人生終わったみたいになってたね・・・」


照子「人は見た目じゃないのよ、ひよちゃん、私はあのサングラスの奥のつぶらな瞳を最初に見た時に感じていたわ。この人はきっとドMの変態なのだと!」


ひより「照ちゃん、何気に人を傷付ける発言するよね(汗)」


詩音「いや、あの先生は出来る、ただ、私も最初の方から薄々感じていたのが、奥方である小雪先生の方だ。全く見えないのだ。正体の様なこう、どうも私も苦手な感じだったんだ。」


ひより「えぇ~?あんなに優しい先生なのに、どうして?」


桜「お前、やっぱりボンク、いや、天然だな(笑)よく見ていれば分かるだろ?お前がゆる~く授業中話していた時、近寄って来ていたの気付いていたか?」


ひより「何度かあったね!でも優しく注意されただけだったよ?」


桜「いや、そうじゃなくてだな、気配とかしなかっただろ?ってお前に言っても分かる訳ないか・・・」


ひより「特にそう言う感じには見えなかったけどなぁ・・・」


照子「その何度か注意された時にひよちゃん気付かなかったと思うけど、お菓子ポケットから取ったのよ?授業中にお菓子持って来て食べているなんていけないからだと思うから黙っていたんだけどね。」


ひより「えぇぇ~!?全然気づかなかったよぅ~。って言うより私の大事なお菓子を取るなんて酷い先生だよぅ~!」


桜「お前が余計な物を持って来ているから悪いんだよ!」


詩音「うん、そう言う所もなんだ。やはり私は少々苦手なタイプだな。むしろ主人である雪之丞輝義先生の方が裏表も見えない分やりやすいかもしれない。」


ひより「今日の授業の話はきっと小雪先生に部屋に監禁されていた時にアニメを観たからああ言う話になったんだよ!」


照子「まあ、まだあの話を覚えていたの?きっとそうね、部屋に入り浸りの状態だと暇だしきっとひよちゃんの言っている通りだと思うわ。


桜「ところで、話変わるけどさ、明日からGWだし、私たちも羽目外さない?」


ひより「桜ちゃん、ダメだよ、羽目は外しちゃ、さっき先生も言ってたでしょう?」


桜「いや、大丈夫だって、映画とか行かない?遊びに行ってさ、まあ、何かあってもこっちには姉御もいるしさ!」


詩音「ふむ、随分と高く買われたものだな私も、分った、用心棒になるか分からないが最低限の事はしよう。」


桜「流石姉御、頼りになるぅ~!」


照子「じゃあ、映画館に行くとすれば駅前が近そうだから駅前に集合しましょうか。時間は9時にどう?」


桜「そうだな、それ位なら丁度良い席も空いているだろうし、お昼ご飯も食べられそうだし、じゃあ、皆明日朝9時に駅前の広場に集合!」


全員「了解!」





翌日の朝8時半



詩音「ふむ、8時半か、少しだけ早かったかもしれないな。それにしても今日はどう言う映画を観るのだろうか?楽しみだが、あまり劇場には足を運んだ事が無いし、少し緊張するな・・・」


桜「おっ!姉御、やっぱり早いな・・・」


詩音「桜、お早う。私は集合の時は大体いつもこんな感じだな。」


桜「もしかして緊張して眠れなかった?」


詩音「桜にはかなわないな。あぁ、少々緊張していた。イメージトレーニングはしていたのだが、やはりこう、あまり慣れない事をするとどうも私はいつもソワソワしてしまう。」


桜「相変わらず硬いな、姉御は!もっとナチュラルかつソフトでいいんだよ。髪型も今日はいつもと違って可愛いじゃん!いつもポニテでそれはそれで良いけど、そう言うボブって言うの?女子らしさがあってそれも好きだなあたし!」


詩音「いや、これは・・・その・・・ありがとう・・・」


桜「何かこっち迄恥ずかしくなって来るよ・・・おっ、あいつらも来たよ。お~い、おはよう~。」


ひより「おはよう~、桜ちゃん、詩音ちゃん~!」


詩音「お早う、ひより、それに・・・犬の散歩で犬に振り回される主と言った所か・・・」


照子「おっ、お早う~・・・ひよちゃん、置いて行かないで・・・本当に楽しみなのは私も同じだから・・・」


ひより「ごめんね、照ちゃん、本当に今日楽しみ過ぎて、昨日の夜も羊を10匹位数えた所で意識が無くなったの。」


桜「相変わらずだなひよ子は・・・」


詩音「では、揃った所で劇場へ足を運ぶとしようか。」


ひより「詩音ちゃん、今日の髪型可愛いね。」


照子「そうね、普段は凛々しさがある雰囲気が強いけれど、こう言う髪型をすると凄く可愛いわね。」


詩音「えっ、あっ、その、ありがとう・・・あまり褒められるのは慣れていなくて・・・」


桜「良いよね、1週間その髪型で学校来なよ。きっと大モテだぜ、男子たちに。」


詩音「あまり茶化さないでくれ、生まれてこの方、殿方とは付き合った事など無いのでだな・・・」


桜「えっ!?マジかよっ?これだけ容姿端麗なのにか?もしかして、家がそう言う事に厳しいとか?」


詩音「いや、そこ迄では無いのだが、私がそう言う事をしたいと言う思いがあまり出て来なくて・・・そもそもこんな奴を好いてくれる殿方なんてこの世にいるのかも疑問で・・・」


桜「おぃおぃ、自分を卑下し過ぎだって。むしろモデルじゃないの?ってくらいスタイル良くて綺麗なのに何でそう思うんだよ?」


ひより「そうだよぅ~、この中で誰が一番綺麗ですか?ってその辺りの男子捕まえて聞いてみたら分かるよ。絶対に詩音ちゃんがトップになるから。」


照子「あらあら、顔がリンゴのように真っ赤に・・・」


詩音「いっ、いっ、いや、そっ、そのっ、もう、私の話は止めよう・・・うん、劇場だ!劇場ぶ、いや、劇場に・・・」


桜 (姉御いじるの新鮮で楽しいかも。)





劇場へ到着した4人



ひより「ToHooシネマズ到着で~す!」


照子「今日はどの映画を観るの?」


桜「勿論、ギャルズ&パンツァーフォーで決まりっしょ?」


詩音「これは、雪之丞先生が言っていたアニメの映画化されたもののようだが・・・」


桜「そうだ、とにかく熱いアニメだったんだよ。幸い、作品知らなくても入り込めると言う評判があるから大丈夫。安心して観て行けるよ。」


ひより「何か嫌な予感がするんだけど・・・あっ、内容がとかアニメだからと言う訳じゃなくて、その・・・切っ掛けと言うか何と言うか・・・」


照子「あまり気にしない方が良いわ。折角のGWなのだから楽しみましょう!」


詩音「そうだな、とりあえず、チケットを買って時間になるのを待つとしようか。」





店員「いらっしゃいませ、高校生ですね。学生証のご提示がありますので、高校生料金なのですが、以前からお知らせしておおりました通り、この4月より当社の料金体制が変わりまして、100円値上げさせて頂く事となりました。」


ひより「えっ?聞いてませんよ。どうしよう、丁度しか持って来てないや・・・」


桜「あっ、すみません、この子の分私が不足分払うので・・・」


ひより「ごめんね、桜ちゃん、次会った時返すから。」


桜「て言うより、何で映画料金だけしか持って来て無いんだよ?この後どうするんだよ?」


ひより「急いでいたから映画料金の事しか頭に無かった。どうしよう・・・?」


桜「まあ、いい、立て替えておくから今日は気にするな!」


ひより「ありがとう桜ちゃん、やっぱり桜ちゃん優しいね( ;∀;)」


桜「どうでもいいけど、お前だけ顔文字で表現とかうらやま、いや、ずるいな・・・」




4人がチケットを無事に購入出来て上映開始迄劇場内で話をしながら待っていると・・・



男「なんだとぉ!?聞いてないぞ、4月から100円料金値上げで1900円だと!?責任者を呼べ!今日はギャルパンの公開初日、来場者特典も豪華なんだ、どうしたら・・・」


桜「あのぉ~、100円だったら私持ってるのでこの人も入場させてあげてもらえますか?色々騒ぎ立ててしまってすみませんでした。」


男「おっ!?これは女神様・・・ってお前は、相楽!?どうしてここに?」


桜「先生、羽目外しちゃダメですよ~。皆見てますよ?どうしてこうもこの作品に出て来る人って同じような事ばかりするんでしょうね?」


輝義「いや、それは、今日から公開のギャルパンをだな、あいつがいない今なら堪能出来るし、丁度運良く今日から公開と言う事もあって、来場者特典すら直ぐに無くなるから急いで来たのだが、4月から値上げとか言い出す始末・・・」


桜「いや、だからさ、どうして、劇場に足を運ぶのに映画料金ギリギリしか持って来てないんですか?もう少し余裕見て来た方が良いでしょう?」


輝義「いや、小雪がいないからお金がどこにあるのか分からなくて、いつもお金はあいつが管理しているから小遣い程度しか持たされていないんだよ。」


桜「お金の管理だけじゃなくて先生自体も管理されていますよね?きっと・・・」


輝義「上手い事を言うな!いや、そうでは無い、すまない、後でヘソクリを崩すから後程お金は返す。それより、お前?あぁ、他の連中もいるのか?何を観に来たんだ?」


桜「えぇ、昨日先生が授業中に熱弁していた作品ですよ。」


輝義「まさか!お前たちもギャルパンを観に来たのか!?」


桜「えぇ、実際アニメ版を観ていたのは私だけの様ですが、劇場版は初心者でも入り込みやすいって評判だから私が連れて来ました。」


輝義「おぉっ!!!同士よ・・・あの作品の素晴らしさが分かる訳だな。これは良いぞ!」


桜「あのぉ~・・・すみません、折角のGWなので私たちは別の所から鑑賞しますので、先生は小雪先生がいない分どうぞお一人で楽しんで下さい~(+_+)」


輝義「いや、そのだな、一緒に語り合わないか?」


桜「いえ、映画なので語る所はありませんが・・・折角のお休みなので先生はゆっくりして行って下さい。」


輝義「そっ、そうか、分った、又色々と語り合おうじゃないか!」


桜「じゃあ、又学校で!」





ひより「桜ちゃん凄いね、あの圧倒的な状況を元通りに!!」


桜「うん、何て言うか、この場にあの人いたらどう思う?あたしは別にいいんだけどさ、恐らくとんでもない事になるかもしれないしさ・・・」


照子「う~ん・・・その意見に対しては私も桜ちゃんに同意するわ(汗)」


詩音「確かに悪い人では無い事は承知なのだが私も生理的なもので、桜の言う事は理解出来る・・・」





そんな事がありながら、上映時間になったので席へ向かう。



ひより「映画観るのそう言えば久しぶりだよ。」


照子「私も、前回ひよちゃんと一緒に来たのが最後だったわ。」


ひより「もう3年くらい経つよね?あの時迷子になっちゃって私全然映画観られなかった(笑)」


照子「もう、ひよちゃん、この劇場より遥かに小さい劇場だったのにずっと迷っていてやっと見付けたら映画終わっちゃってたわね。」


桜「ちなみにどんな迷い方をしたんだ?」


照子「何だか大きな丸い柱があったのだけれど、そこを延々に回っていた気がしたわ。」


桜「おぃ~、それって、片方が走りながらもう片方が同じ方向を延々と走って最後はどちらかが止まって「見付けた~!」ってやつじゃないよな?」


照子「あら、大正解よ!」


桜「やっぱり、この作品って変なやつばかり出て来るよな・・・まともなやつって・・・?」


詩音「うむ、この椅子は座り心地が良いな。普段板に正座と言う生活だからかなり豪華な感じがする。」


桜 (もう、姉御って普段どんな生活を送っているんだ?と言うどうでも良い事は聞かないでおこう、いや、絶対に聞いてはいけないと思う。)


ひより「あっ、そろそろ始まるよ!電飾が消えたし。」


桜「いや、まだだ、ここからが長い。CMみたいなやつが延々と流れて、映画泥棒が出て来て・・・」


ひより「映画泥棒?」


桜「そこ突く?まあ、観ていれば分かるさ。」


照子「あぁ、これね。よくネタとかでやっているわね。」


ひより「私こんなの見た事無かったよ。時代の流れを感じるね。」


桜「15年そこそこ生きて来た人間が言うセリフじゃないな、それ・・・」


詩音「あっ、始まった様だ。」





映画が始まり、劇場ホール内も静かになる。

だが、何かおかしい、うん、ドスの掛かった声が映画じゃなくて・・・ホール内から聴こえている?


男「ミホちゃ~ん!ファイトだぁ~!!」



うん、大きなドスのきいた絶対に近くにいて欲しくない、知り合いであって欲しくないような、そんな空気の全く読めない声。そう、さっき一緒に観るのは嫌だから断った、我らがクラスの担任代理のあの巨漢野郎、確か名を早乙女・・・何とか・・・まあ、いいや、知らない振り、知らない振り・・・



ひより「ねぇ、大きな声を出した男の人が警備の人に連れられて出て行ったよ?あれって確か・・・」


照子「えぇ、紛れも無く私たちのクラスの担任代理の早乙女雪之丞輝義先生よ。」


詩音「フルネームを言ってしまう程とは、余程の念が込められている様だな・・・。」


桜「先生、お疲れ様でした。折角の映画の内容は私たちがしっかりと観て記憶に刻んでおくよ。」





映画も終わり、ホールから出てエントランスへ集まった。


桜「どうだった?面白かったっしょ?」


詩音「あぁ、アニメとてこれ程迄に熱くなれる作品は珍しい気がする。」


ひより「何だか格好良かったよね。黒ギャルなのに誠意に満ちていて、何だか桜ちゃんと似ている気がするよ。」


桜「だろ?あたしもこの作品観てから心入れ替えたからっておいっ!あたしがまるで黒ギャルそのもののイメージで見られている気がするのだが?」


ひより「そんな事無いよ。桜ちゃんは凄く可愛くて優しいもんね!」


桜「だろ?あたしもやる時はやるんだよ!そこんとこヨロシクな!」


照子「じゃあ、そろそろ丁度良い時間だし・・・あら?あの人どうしたのかしら?」




女性「あの、ギャルパンの上映って終わっちゃいましたか?」


店員「あぁ、1回目の上映は今しがた終わった所です。2回目はこの後13時からになりますが・・・」


女性「そうですか、すみません、出直します・・・」




詩音「あれは?・・・」


桜「ん?姉御、もしかして知り合い?」


詩音「あぁ、ちょっと待っててくれないか?」




詩音「あの、もしかして、涼坂 凛子さんですか?」


女性「はい、そうですが・・・って詩音?」


詩音「やはり凛子姉だったか。懐かしいな、何年ぶりだ?」


凛子「6年ぶりだよ。元気そうで良かったわ。」


詩音「今日はどうしたんだ?確か東京へ行ったとは聞いていたのだが・・・」


凛子「久々に長めの休みが取れたから実家に帰って来たんだけど、私が出演している作品の上映が今日からだったから観に来ようと思ったんだけど、1回目が終わっちゃったって。2回目にするのも時間が空いてしまうからどうしようかと思って。」




桜「ん?あれって、確かギャルパンの主人公のミホ役の声優さんじゃないのか?」


ひより「えっ!?声優さんなの?詩音ちゃんと仲良さそうに喋ってるけど・・・」




凛子「詩音はどの映画を観たの?」


詩音「あぁ、友人に連れられて、アニメのギャルパンだっけか?それを観たんだ。凄く熱くなれる作品だった。」


凛子「まぁ!それ私が出ていた作品だよ。」


詩音「そうだったのか!?だが凛子姉の声らしきキャラクターが見当たらなかったのだが・・・」


凛子「えぇ~!?詩音なら絶対に気付いてくれると思ったのに・・・」


詩音「それで、結局どの役を・・・?」


桜「それは、主人公のミホ役だよ。今やラジオ週4本にアニメ週8本、雑誌の取材や顔出しの番組のレギュラー出演、あちこちからオファー、引っ張りだこの大人気若手声優の、涼坂 凛子さんでしょ?」


凛子「えっ、そんなに詳しく・・・ありがとう。」


詩音「そんなに大人気だったのか!?」


桜「あたし、こう見えて、オタクだからさ、特に声優さんは超ファンなんだよね。ギャルパンの声優さん皆大好きで!」


詩音「あぁ、すまない、紹介がまだだったね。こちら、私の従姉妹の涼坂 凛子、そして、凛子姉、こちらは私の高校に入ってから知り合った友人で・・・」


桜「あたしは、相楽 桜」


ひより「はじめまして、私は待乃 ひよりです。宜しくお願いします。」


照子「天海 照子です。はじめまして、まさかあねご、いえ、詩音ちゃんの従姉妹の方だったとは。」


凛子「皆さん、初めまして、いつも詩音がお世話になってます。私は涼坂 凛子、詩音とは母方の従姉妹になるわね。6年前にこっちから東京へ出て声優になったの。もう6年も経ってしまったけれど、やっぱりこの街は活気があって良いわね。」


桜「あの~・・・もし、迷惑で無ければサインなんか貰っても良いでしょうか?」


凛子「あら、詩音のお友達からサイン何てお願いされちゃったわ。ちょっと恥ずかしいけれど、私ので良ければ。」


桜「ありがとうございます。家宝にします。」


ひより「お姉さんは、これから時間は空いているんですか?私たちお昼食べますけど、お姉さんもどうですか?」


桜「ナイスひよ子!」


凛子「私が入っても良いの?折角のお休みなのに・・・」


照子「詩音ちゃんも折角久しぶりに会えたみたいだし、桜ちゃんも大ファンの様なので良ければこちらからお願いさせてもらいたい位です。」


凛子「じゃあ、私もこの後どうしようか迷っていた所だからご一緒させてもらっても良いかしら?」






劇場付近にあるイタリアン料理店に皆で昼食を摂る事になった。



桜「じゃあ、凛子さんもアニメとか好きだったんですね!?何か詩音と言い、凛子さんと言いあたしと親近感があると言うか、凄く嬉しいです。」


凛子「詩音が持っている刀を桜ちゃんのお店で手に入れたと言う事ね。何だか不思議な縁よね。」


照子「そう言えば、凛子さんって、つい最近、テレビのナレーターもされていませんでした?」


凛子「えぇ、ナレーターも私は時々お仕事が来るからやっているわ。」


照子「今日の主役の子の声の感じとそのナレーションの声と雰囲気が全く違ったから私も驚いちゃったんです。」


凛子「自分ではあまり意識していないのだけれど、結構声が違うから誰だか分からなかったって言われる事は確かにあるわね。」


詩音「私も今日は驚いたよ。普段の凛子姉の声を知っているがあの役の声は知らなかったし、気付かなかった。」


凛子「もう、あれだけ私にべったりだった詩音が私の声を見抜けないなんて・・・ショックだったな。」


詩音「いやっ、べったりって・・・もう幼少期で昔の話だから・・・」


凛子「でも、いつも私について来ていたもんね。あの頃の詩音は凄く可愛くて愛らしかったわ。」


詩音「凛子姉、もうあの頃の話は良いよ。」


桜「おっ、今日2回目のいじられ詩音の登場だ!」


詩音「桜まで、もう・・・」


凛子「あっ、いけない、私この後、用事済ませて劇場版チェックしないと・・・」


詩音「凛子姉、何か用事があったの?」


凛子「えぇ、ちょっと買い物とか済ませておかないと・・・後、本当は今日舞台挨拶だったんだけどどうしても休みが欲しかったから無理言って休ませてもらったの。タイミングが悪いけれど私の父方の親戚のお墓参りがもう少ししたらあるから行かないといけないの。」


詩音「そうか、それは仕方無いな。」


凛子「本当にごめんね。又連絡するから今度はゆっくり過ごしましょう。それから連絡先変わったから詩音に渡しておくわね。」


詩音「あぁ、凛子姉、大変みたいだけど体には気を付けてね。じゃあ、又ね。」




少し残念そうな表情を浮かべた詩音は凛子を見送った。




桜「優しい人だったな。と言うかサインスゲー!本当に家宝にしよう。」


ひより「私もイラスト付で可愛い・・・大切にしよう。」


照子「本当に素敵なイラストね。凛子さんは、ひょっとして絵画等も勉強されていたのかしら?」


詩音「あぁ、元々絵が上手で、私も習った事があったな。多方面で活躍出来る素質があるように私には見えていた。だから色々と凛子姉には憧れがあるんだ。」


桜「いや、本当に凄い人だよ。演技だけでも凄いなって思ったんだけど、今の話やこの色紙のイラスト見てるとそれが凄く伝わって来る。又会いたいよな。」


ひより「ところで何か忘れている気がするんだけど、それ程大事じゃないような、大事なような・・・」


照子「ひよちゃん、この世には考えなければならない事と考えてはいけないものがあるのよ!恐らくそれは後者の方だと思うわ。」


ひより「そうか、照ちゃんが言うなら間違いないね。私、考えない様にするよ。」


桜「あぁ、それは私も激しく同意だ。考えてはいけない。考えては・・・」


詩音「あっ、そう言えば、あの劇場のホールで叫んでいた男はどうなった?」


桜「あちゃ~、一番空気読める人が空気読めて無かったよorz」


詩音「ん?どうかしたのか?」


桜「いや、何でも無いよ。今日は姉御のおかげで凄く貴重な一日になったし、姉御には感謝の気持ちでいっぱいだよ。」


詩音「いや、それ程でも・・・って私は何もしていないが?むしろ今日映画館へ連れて行ってくれた桜に感謝だな。凛子姉にも再開出来たし。おまけにまさか観ていた映画に凛子姉が出演していたとはな。」


照子「運命を感じるわね。」


ひより「本当、良かったね。」





輝義「あれっ?今かすかに俺の事を思い出してくれたはずなのに、もう忘れちゃってる?」


警察官「おい、変質者として通報を受けたがどうしてあんな場所で叫んでいたんだ?」


輝義「そっ、それは、だな・・・あの劇場版ギャルズ&パンツァーの主人公のミホちゃんが可愛くて、見た目と違って真面目で素直な良い子なんだよ。分かってくれよ。声も凄く好きなんだよ。いつかあの声の涼坂 凛子にサインをもらうんだ!」


警察官「はいはい、妄想は良いから、職業と住所、ここに書いて、色々とまだ聞きたい事があるから・・・」







桜「てんやわんやでゴールデンウィークの1日目が終わった。

と言う訳で、いつもより話長かったな・・・

あたしは大ファンの涼坂 凛子さんに会えてサイン迄もらえたから良かったけど、何よりまさかの姉御の従姉妹だったとは!

これは運命としか言えないよな。」


詩音「あぁ、私もまさか凛子姉が声優と言う仕事をしていたとは思ってもみなかったが、確かに元々アニメとか好きだって言っていたな。それに凛子姉は歌も上手だったし、本当に多方面で活躍出来る素質があったと思う。」


桜「と言う訳で、ゴールデンウィーク前編と銘打ったんだけど、次回は後編に入ります。後編も色々とありそうだけど、あのおっさんだけは出して欲しくないな・・・ってここで言っちゃうと天邪鬼な作者の事だから絶対に出して来るだろうし・・・」


詩音「確かに劇場での醜態は頂けなかったが、それ以外なら悪い人間では無いと思うのだが・・・」


桜「姉御は本当に甘いよ。ああ言うのは放っておくととんでもない事をしでかすから釘を打っておかないといけないよ。」


詩音「桜は強いな!劇場でも色々と対応していたし、私には出来ないよ。」


桜「いやいやいや、ああ言う大人な対応は全部姉御の素養を頂いただけだからね。」


詩音「私の・・・かぃ?信じられないのだが・・・」


桜「ほら、入学してから少し経った時に、道端で困っていた人を助けたり、少し怖そうなおっさんがいた時だって、困っている人が絡まれている所を助けたじゃん。それにこの間の待ち合わせ時間だってひよ子を助けたじゃん。本当姉御って頼りになって凄いんだよ。自覚無いかもしれないけど・・・」


詩音「いや、それを言われてみれば、思い出すのだが、それぞれしっかりと覚えていなくて・・・」


桜「まっ、そう言う所が皆が好きになる要素だよね。」


詩音「・・・もう、私の話は止めにしよう・・・」


桜「何だか今日は姉御をいじるのが楽しい回でもあったな(笑)」


詩音「次は私は出来るだけ出ない方向で・・・作者殿・・・お願いだ・・・」


桜「あぁ、ダメだって、天邪鬼だから絶対出すよ。今回よりいじり倒すくらい出して来るよ。」


詩音「その時は成敗する。」


桜「だって、作者一番姉御を好いてるはずだから。」


詩音「それは、無いだろう?私なんかが・・・」


桜「だから、姉御は自分を下に見過ぎるんだよ。姉御は姉御自身が思っている以上に好かれているから。」


詩音「うぅ・・・」


桜「と言う訳で、次回にも乞うご期待!」


詩音「ゴールデンウィーク後編だが、本当に何が起こるのだろうか?」





第四のん♪~GWゴールデンウィーク前編~ 終

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る