第10話 空
最近、いや、もう少し前から
「あれ?」
と、空の色が変わっている事に、気付いた。
晴れた日の青空を、見上げて
「あれ?こんなに青が薄かったっけ?」
夜の遊びの帰り道
夜道を歩きながら、空を見上げ
「あれ?こんなに夜の空が、煙たく濁っていたっけ?」
でも、風が強く吹いた日には
青空の青は、また以前の様に濃く
夜空の黒は、また以前の様に濃い
昔から、風が大好きだった。
台風の夜など、ワクワクして
停電すらも、ドキドキワクワクして
雷も大好きで
硝子戸越しに、座布団に座り
ピカッと光り、ごろごろと唸る雲の空の声にドキドキして
稲光が地上に落ちるのを
雲の中で、光って、雲が美しく妖しく光るのを
ずっと飽きずに、見て居た。
きっと、全ての、
空の風の、水の海の、大気の雨の
姿には、意志と意味と、音楽があるんだ。
死の恐怖も超える、音楽が。
あるんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。