第十巻・・・陸上系女子が転校生!?男女問わず人気がある彼女が考えた事とは!?愛華がまさかのモデルデビュー!?更に驚くべき関係が次々と・・・

美樹ちゃんのデビュー小説が発売された直後、次なる新作を手掛ける事に執念していた美樹ちゃんだった。

その新作の予約キャンペーンで全国主要箇所にてサイン会を開催する事になった。

サイン会直前、秋月さんの厳しいチェックが入り、てんやわんや状態の美樹ちゃんだったが、サイン会に入ると始めは緊張していた美樹ちゃんも場所を変わって行く毎に慣れた感じになって来て、サイン会も最終場所を残す頃には大分落ち着きを取り戻していた。

サイン会には顔を隠していたある不思議なファンの少女が来ていた。

質問コーナーに移った時にその少女は「まなせ先生の作品はつまらない・・・」

と言う言葉を投げかけ一瞬会場は静まり返ってしまった。

だが美樹ちゃんは自身が師である愛瀬 瑠奈である香波 愛華と出会った時に口に出した言葉を思い出しその事について深く語った。そして愛瀬 瑠奈が何処がつまらないのか尋ねた様に自身も同じ様にその少女に告げた。

すると・・・

「・・・・・・合格です・・・」

きっと少女も愛瀬 瑠奈の作品を知っていると確信を持ったのだった。

その後は順調にサイン会をこなして行ったが次なる場所にも初日に訪れていた少女の姿が・・・続いて3カ所目・・・最終日の会場に迄彼女は足を運んでいた。

全ての会場を網羅したそのファンの少女はどうしてサイン会全会場へ訪れたのだろうか?

最後の会場でその少女の名前を聞いた美樹ちゃん。彼女の名前は「愛川 カラズ」と言った。

彼女と会えるのはそのサイン会のみだったのだろうか?

夏休み序盤だったサイン会も無事に終了し2学期がスタートした。

いつもの様に親友の加奈子ちゃんと仲良く話をしていると、サイン会の話になり、

加奈子ちゃんも気に掛けていたのだろう。

そう思っていたのも束の間、美樹ちゃんは気付いていた。

あの中学生でデビューしたライトノベル作家であり、物凄い実力を発揮していたあの「愛川 カラズ」の正体が親友の加奈子ちゃんだった事を!!

美樹ちゃんもまた、愛川 カラズの大ファンであった。

愛川 カラズとして活動を停止していた加奈子ちゃんは美樹ちゃんのおかげもあり活動を再開する事に。そして自身の正体も私、香波 愛華に告げに来てくれたのだった。











愛華「ここの所私たちだけじゃなくて美樹ちゃんの辺りも活気があったからあっと言う間だったね!」


政樹「そうだな・・・この後は少し落ち着いて来るだろうし、愛華も少し今迄の疲れを取れるんじゃないか?」


智也「そうだな、色々と大変なのは見ていたけどさ、体壊さないようにな?・・・って言いつつ、知ってるか?今日から転校生が来るらしいぜ?」


夏葉「えぇ!そう言えば私も耳にしていましたが、確か・・・」


担任「は~い!皆席に着いて下さ~い。良いですか?既に噂などで聞いている人もいるかもしれませんが、このクラスに新たに仲間が加わる事になりました。では、挨拶の方をお願いします!」


「はい、皆さん、おはようございます。隣の県よりこちらの学校へ転入して来ました、須久里 穂希 (すぐさと ほまれ)と言います。この学校は様々な可能性を大切にされていると言う事で私もこの学校で出せる可能性を存分に発揮したいと思いやって来ました。皆さん、よろしくお願いします。」




♪パチパチパチパチパチ




「はい、須久里さんありがとう御座います。今日からこのクラスの新たな仲間になってくれる彼女は、陸上の方面で活躍しているのですが、この学校はあらゆる可能性を大切にして行く事が校風でもありますので彼女もこちらで更なる活躍を目指すと言う目標があります。是非、皆も協力し合ってそれぞれの目標に向かって引き続き頑張って行きましょう!では・・・香波さんの後ろの席に座ってもらう事にします。」




須久里 穂希 (すぐさと ほまれ)・・・美少女ながらアスリートとして活躍する将来有望の選手でもある。

性格は、さっぱりとしていて口調は凛々しい感じの若干男勝りなイメージ。

引き締まった肉体で体格もバランス良い。

性格の良さから男女別け隔て無くモテ、付き合いも良い。

黒髪ロングヘアーで髪型は、基本的にポニーテールである。




愛華「わぁ~!!凄く引き締まった体格だね・・・憧れちゃう・・・あっ!!ごめんなさい、私、香波 愛華と言います。よろしくお願いします。」


穂希「ありがとう♪私は穂希でいいよ?気軽に接してくれれば嬉しいな♪」


愛華「格好良い!!・・・」




引き締まった肉体!それに性格もきっとサッパリとした格好良い感じだろうな・・・話し方からイメージが付く!穂希ちゃん・・・うん!これは私の作品の登場人物のモチーフにしたいかも!?(勿論官能さんの方で!!キラーン☆)




政樹「↑とか考えてんだろ?流石に官能さんの方は止めておけ!」


愛華「嫌っ!!人の頭の中に入って来ないでよっ!!」


穂希「ふふっ♪どうやら君たちはパートナー同士なのかな?凄く相性が良さそうに見えるよ!」


政樹「あっ!悪い!!俺は加賀谷 政樹でこっちの愛華とは幼馴染で・・・」


穂希「うん!何となく分かるよ!私は穂希・・・男女関わらず穂希って呼んでくれて良いよ!宜しくね!」


政樹「あぁ!宜しく・・・確かに凛々しいよな・・・」




軽く席の周りの子達に挨拶を終えると授業も真面目に受けていた。

姿勢もとても良くて流石だなと思った。




休憩時間・・・

勿論転入生に人だかりが出来るのは定番中の定番で・・・




夏葉「あらあら!!本当に大人気ですわね!穂希さん・・・確か陸上系で活躍されていらっしゃる様ですわね・・・」


智也「あぁ!改めてこの学校の主旨を垣間見た気がしたよ!」


穂希「やぁ!君たち・・・凄い熱気だったよ・・・」


政樹「お疲れだったな・・・ごめんな?皆、人に興味が強い奴ばかりと言うか・・・何と言うか・・・」


穂希「いいや!人に興味がある事は良い事だよ!人と人との繋がりは必要不可欠だからね!」


夏葉「あぁっ・・・人と人との繋がり・・・おもら・・・いいえ!気絶しそうな名台詞・・・」


智也「出ました!久しぶりの別の意味での名台詞!!もう新しい奴全員に教えて行くつもりなのか!?」


愛華「凄い人気だね!・・・でもそれは伺えるかも!?」


穂希「愛華さんって言ったかな・・・君は光の様に見える・・・」


愛華「えっ!?・・・それってどう言う意味かな?・・・」


穂希「えっ!?・・・あっ!!すまない!!私とした事が・・・今のは気にしないで?私、時々変な事言っちゃう事があるから・・・ごめん・・・」


愛華「ううん♪大丈夫♪悪い意味では無い事は何となく分かるから!」


政樹「・・・・・・・・」


智也「・・・・・・・・」


夏葉「あら?お二人ともどうかされまして?」


智也「いや、おもら・・・止めておこう!」


夏葉「あら?どうしてですの?そのままいつもの様に・・・」


智也「いや、俺はいつも言っていないからな!初めて今言おうとしてしまった・・・初めてだ!!」




帰宅時・・・




政樹「う~ん!!かなり好印象なのだが・・・」


愛華「そうだね!!きっと男女から告白とかある様な子だよきっと!!」


智也「そうだよな・・・きっと政樹も嫉妬しそうになってんだよ!」


政樹「誰がっ!?・・・んな訳無いだろ・・・」


愛華「ふ~ん♪・・・どうしてかな~?」




私はわざと政樹に尋ねてみた・・・すると・・・




政樹「いや、俺もイメージとかそう言うのは良いなって思うし憧れるのも頷けるし申し分が無いんだよ・・・ただ・・・なんて言うかさ・・・その男女別け隔てが無い所がな・・・」


愛華「んきゅぅぅぅぅ♡」


政樹「何だよ?何キュンキュンした様な表情してんだよ?」


愛華「何でも無いよ♪」


夏葉「あらあら♪お二人の仲がまた一つ・・・と言った所でしょうか?」


智也「まぁそれはそれはお熱いご様子・・・ってあれ!?運動場の方穂希じゃないのか?」


夏葉「あら!?確かに・・・って転入早々部活動でしょうか?流石の意欲ですわね!!」




私たちが帰宅しようと学校を出る直前体操着に着替えた穂希ちゃんが運動場で先生と話をしながら部活の準備をしようとしていた・・・やっぱりそのくらいの意欲が無いと活躍出来ないのだろうな・・・私も頑張らなきゃと思った。




翌日、学校にて!




愛華「穂希ちゃん、おはよう♪」


穂希「やぁ、おはよう♪愛華さん、ちょっと休憩時間話良い?」


愛華「えっ!?・・・うん、別に構わないけど・・・」




何だろう?私は言われるまま休憩時間に穂希ちゃんに付き添う事にした・・・




穂希「すまない、貴重な時間を頂いて・・・少し気になっていたのだけれど・・・」




休憩時間、1階のひと気の無い場所へ呼び出され私は穂希ちゃんと話をした。




愛華「えっと・・・何かあったの・・・かな?」


穂希「愛華さん、私・・・愛華さんなら良いと思うんだ・・・」


愛華「えっ!?・・・それって・・・もしかして!?・・・」


穂希「あぁ・・・そうだよ!私は・・・」




ほぼ壁ドン!状態!?・・・私・・・この後凄い事に!?・・・なっちゃうよ・・・政樹・・・どうしよう!?・・・




穂希「愛華さんにモデルをやってもらいたいと思うんだ!!」


愛華「へっ!?・・・・・モデル?・・・」


穂希「あぁ!実は私の知人にプロのカメラマンがいるのだけれど、きっとその人も愛華さんを見れば一目で大注目すると思うんだ!!」


愛華「えっと・・・モデルと言うと・・・雑誌とかに出ている様な?・・・」


穂希「勿論だよ!まさかプラモデルのモチーフとか考えてた?」


愛華「ぷっ・・・それは無いよ・・・」


穂希「そうそう♪そんな自然な笑顔、凄く素敵だと思うよ!きっと大物になれると思うんだ!」


愛華「でも、私・・・」


穂希「不安かい?・・・それとも何か別に理由があるのかい?」


愛華「私には恐らく務まりません・・・」


穂希「どうして?・・・やってみないと分からないと思うのだけれど・・・」


愛華「私には他にやりたい事があるのと、モデルさんの様な大変なお仕事は恐らく続けて行く上では難しいだろうと思うので・・・ごめんなさい・・・折角声を掛けてくれたのに・・・」


穂希「じゃぁ・・・私が君を頂いても・・・良い・・・かな?」


愛華「それはどう言う意味かな?・・・」


穂希「このまま君の唇を・・・」


愛華「そうか・・・モデルと言うのは口実で・・・本当は・・・」


穂希「やはり勘が鋭いね!・・・そう言う所が私は好きになったのかもしれないね!でも、モデルとして活躍出来るのではないか?と言う所は事実だよ!プロのカメラマンの知人がいると言うのも本当の事・・・そして、君に気があると言うのもまた事実・・・かもしれないね!」


愛華「あの!一つお願いがあるんだけど・・・良いかな?」


穂希「おや?・・・私に出来る事なら・・・」


愛華「うん!出来ると言うか穂希ちゃんは何もしなくて良いの・・・ただ・・・」


穂希「何もしなくて良い?・・・一体どう言う事なのだろうか?」


愛華「私の書く小説のヒロインになって欲しいの!!」


穂希「私が?・・・一体どう言う小説なのだろう?」


愛華「官能小説です!!」


穂希「官能小説?・・・と言うとあの大人の小説だよね?・・・私がその小説のヒロインを?・・・それは勤まるのかな?」


愛華「完璧です!!」


穂希「ははははは♪・・・そうかい・・・私が官能小説の・・・しかもヒロインだなんて恐縮してしまうな・・・いいよ!ただ・・・愛華さんが書く訳だよね?確か官能小説って大人が書くものでは?」


愛華「私は、一般向けの官能小説染みた感じの小説に属するから厳密に言えば官能小説には部類されないんだ!」


穂希「ほ~ぅ・・・その様なジャンルの小説があるのかい!?・・・私も以前、同人誌?・・・とか言うものに百合だのなんだのモデルとして出させて欲しいと頼み込まれた事があったけれど、その様な感じかな?」


愛華「あぁ・・・同人誌じゃないよ!私は一応商業の方だから、普通に書店に出ている小説かな・・・」


穂希「君、プロの小説家なのかい!?・・・それは凄いじゃないか!!」


愛華「えっ!?・・・まぁ・・・まだそれ程時間も経っていないし刊行した作品も少ないけど・・・」


穂希「専属の出版社とかあるのかな?」


愛華「い・・・一応・・・」


穂希「それはどこかな?・・・言いたく無ければ無理には聞かないけれど・・・」


愛華「丸川書店だけど・・・」


穂希「丸川書店・・・か・・・あっ!すまない、時間がそろそろだったね!ありがとう!面白い話が色々と出来て嬉しかったよ♪また、色々とお話したいな?もし迷惑で無ければ2人で時間がある時にでも・・・って嫌か・・・こんな状況になっちゃったもんね!ごめんなさい。」


愛華「ううん!又お話しましょう?私で良ければ♪」




確かに少し驚いたけど、こうして穂希ちゃんと話をしていて楽しいなって思う自分もいたし、色々と深い話も出来そうだったから・・・それより小説のヒロインとして出しても良いって許可もらえちゃったし♪創作意欲が沸いて来たかも!!帰ったら早速題材から考えてみるとしようかな♪そんな事を考えながら私も教室へ戻った。




政樹「おい、愛華!?・・・穂希さんと何か話してたんだろ?何かあったのか?」


愛華「うん!モデルに誘われた!」


政樹「あぁ・・・最近は小さいタイプのフィギュアだったか・・・色々と出てるもんな!」


愛華「あはは♪・・・プラモデルじゃないよ!雑誌とかに出ているモデルの事だよ!」


政樹「智也の仕事みたいなやつか!?・・・そうか・・・遂にお前にも話が舞い込んで来たのか・・・俺は常々素質あるだろうと踏んでいたのだが、いざそうなってしまうと・・・」


愛華「断ったよ!私にそんな大それたお仕事が勤まる訳無いでしょ?」


政樹「・・・・・・嘘だろ?」


愛華「本当だよ!!その変わり、穂希ちゃんを私の官能さんのヒロインに出していいよって言ってくれた!・・・って言っても私がお願いしたんだけどね・・・へへっ♪」


政樹「おまっ!!官能さんに本当に登場させるのかよっ!?・・・それを言ってしまう事自体凄い勇気だな・・・感服するよ・・・そして、それをOKする穂希さんにも・・・」


夏葉「あら、流石は愛華さんですわ!!上手く言い回されたのでしょうか?」


愛華「ううん!普通にお願いしたらあっさりOK出してくれたよ♪」






穂希「もしもし?お姉さまですか?・・・はい、私は元気です。思っていた以上に楽しい学校生活が送れそうです・・・はい、クラスメイトになった子が想定以上に楽しませてくれそうで・・・えぇ!確かお姉さまの所の・・・はい、色々とお話もしたいので今度是非♪」






愛華宅・・・




茜「どうしたの、愛華?かなりご機嫌じゃない!」


愛華「今日ね、転入生の女の子が入って来たんだけど、凄く格好良くて陸上の関係で上に進みたいって言ってた!」


茜「へぇ~・・・あなたが女子に目が行くのって珍しいわね!」


愛華「実は・・・官能さんの方のヒロインのモデルになってもらおうかと思ってお願いしたらあっさりOKくれたんだ♪」


茜「あら!?・・・それもまた、珍しいパターンの話よね・・・普通嫌がるでしょう?」


政樹「何だかさっぱりした性格みたいで男女から人気があるみたいなんです・・・」


茜「ほうほう・・・何となくイメージ出来るわね!私の頃にもそう言う子が1人いたわ!」


愛華「お姉ちゃんの時にも!?」


茜「その子は女子からも告白が頻繁で凄かったわよ!!・・・確か今は、プロの格闘技の方面で活躍しながら商社に勤めているとか・・・!?」


愛華「凄いよ!!プロの格闘技の選手なの!?・・・今はその人とは?」


茜「そうね・・・もう数年会っていないわね・・・久しぶりにこの前メールが来たから返したけれど・・・色々と忙しくて会いたいけれど会えないねって言ってた・・・」


愛華「そうなんだ・・・結構仲が良かったんだね!!」


政樹「茜さんも人当たりが良いしきっと相手の人もそうだったんだろうな・・・」




♪プルプルプル♪~プルプルプル♪




茜「あら?噂をすれば何とやら・・・ちょっと電話だから出るわね?・・・もしもし?久しぶりね!元気してた?・・・うん、えっ!?・・・香波 愛華って言うのは私の妹よ!確か紹介していなかったわよね?どうして知ってるの?」




政樹「おい、愛華?お前の事が電話で出ているみたいだけど・・・?」


愛華「うん・・・何で知ってるのかな?」




茜「そう言う事か・・・本当運命と言うか何と言うか・・・凄いわね!!あなたがまさかそこに勤めていただなんて!!それも運命なのかな?・・・うん!丁度良かったわ!今あなたの話を妹にしていた所で妹も凄く興味を持ってくれていたみたいで!・・・うん、次の土曜日に来てくれるのね!?・・・じゃぁ住所とか分かるものをメールで流しておくわ♪楽しみに待ってるから!じゃあね!」


愛華「お姉ちゃん?どう言う話の流れに?」


茜「凄いわね!運命が重なっているみたいな話よ!?・・・順番に説明すると・・・私のその同級生って今日あなたのクラスに転入して来たえっと・・・須久里 穂希ちゃんの従姉妹なんだ!!」


愛華「嘘でしょっ!?・・・まさか穂希ちゃんの従姉妹の人がお姉ちゃんの同級生だったの!?」


茜「それで、驚くのはそれだけじゃないのよ!その子ね、商社に勤めているって言ったわよね!?実は、その会社って、愛華の所の出版社なのよ!!」


政樹「マジデカ!?・・・マジデカ!?・・・」


愛華「それ私のセリフ・・・って言うか政樹、2度同じ事言ったよ?」


茜「次の土曜日に家に招待しているから色々と話を聞けるじゃない!!良かったわね愛華?」


愛華「うん!!色々と聞きたい事があるよ!!穂希ちゃんの事についても!!」




何だかんだ言いながらあっと言う間に土曜日になってしまった!!




♪ピンポ~ン




茜「は~い!・・・あっ、待って直ぐに開けるから!!」




張り切ってお姉ちゃんが扉を開けるとそこには・・・!!




「やぁ、お久しぶり♪元気だったかい?私の仔猫ちゃん?」


茜「も~!からかわないでよ!妹もいるんだし!・・・それに・・・あっ、そちらの子が転入生の?」


穂希「初めまして、須久里 穂希と申します。転入早々愛華さんにはお世話になっています・・・あれ?君は・・・!?」


政樹「よっ!加賀谷 政樹だ!」


穂希「ふむふむ・・・そう言う事かい・・・」


政樹「なっ!?・・・何だよ!?そう言う事って勝手に想像してるんじゃ?・・・」


穂希「ふふふ♪いいや!合っていると思うよ!でも・・・私も負けないよ?」


政樹「何をだよ!?」


茜「まぁ、立ち話も何だし早く上がって?」


「じゃぁ、遠慮無くお邪魔させてもらおうかな?・・・穂希も!」


穂希「はい、お姉さま!」




「愛華さんだったわね!初めまして、私、この子の従姉妹の舞って言います。お姉さんからのお話で興味を持ってくれたみたいでありがとう♪」


愛華「い・・・いえ!本当に姉から伺っていた通り凛々しい感じで格好良い素敵な方だなと・・・」


舞「ふふふ♪これは穂希が気になるのも無理は無いかな♪だって茜に気があった私でもあったからね!」


茜「こらぁ!!あまり変な事言わないでよ!今日は妹が色々と質問とかしちゃうかもしれないから覚悟しておいてよ!?」


舞「そうか!分かったよ!でも・・・折角久しぶりに会えた事だし、色々と共通点も多いみたいだから私たちからもお願いとか聞いてもらえないかなと考えているのだけれど・・・?」


茜「まぁ、話の内容によるわね!それにこの子の事もあるから!」


舞「ふふっ♪昔から変わらないね・・・そのしっかりと見据えようとする姿勢、私にはあまり無かった憧れていた部分・・・」






須久里 舞・・・須久里 穂希の従姉妹で愛華の担当出版社に勤めながらプロ格闘技の世界でも注目を集める若手格闘家の一面も持つ。

性格や雰囲気は穂希の通り黒髪ロングヘアーで凛々しく格好良いと評判で女性からの支持が非常に高く、告白は70%程が女性からである。優しく誰に対しても冷静且つ親切に接する事が出来る大人な女性である。知識や頭脳明晰で多方面で活躍出来る事を見込まれオファーも多々来ている。学生時代、茜に対して恋心を持っており、色々と接近してみたが茜は上手に回避して来た。今も実は好意を寄せているのだが唯一茜には勝てない事が多く、出方を見計らっている。

穂希の身なり、仕草等はこの、舞から引き継いでいる部分が多い。






舞「えぇっと・・・愛華ちゃんは穂希の何処に興味をそそられたのかな?」


愛華「先ず、第一印象が凛々しくて格好良かったのと肉体美です!」


舞「あぁ・・・見た目の印象と言う訳かい?」


愛華「はい!是非私の書く小説のヒロインに抜擢させてもらいたかったんです!!」


舞「ははは♪・・・それが穂希が言っていた官能小説のヒロインって事かい・・・良いね!!私、そう言うの大好きよ!」


愛華「はは・・・そう言って頂けて私も嬉しいです・・・」


政樹「ところでお二人本当によく似ていますよね!!俺、姉妹かと思った位です!!」


舞「あぁ♪よく言われるよ!こうやって二人で一緒にいると!この子は私に憧れて色々と頑張って来たからね!・・・でも本当に私みたいなのを模範にして良かったのかい?」


穂希「勿論です!・・・私は幼少の頃からお姉さまを見て育って来ました。ですから今でも!!」


政樹「絆も深いと言う感じですね!素敵だと思います!」


舞「そうかな?・・・それを言ってしまうと君と愛華ちゃんの絆も相当深いと伺えるよ!」


政樹「俺たちの事迄ご存じなんですか!?」


舞「あぁ!すまない・・・あまり言うべき事では無いかもしれないね・・・実は、秋月 小波は私の母方の従姉妹なんだよ・・・小波から色々と相談事や逆にこっちの相談にも色々と乗ってくれていてね・・・君たちの話も少しだけ聞いた事があったんだ・・・まさかこうして実際に会う事になろうとはね!世間って言うのも狭いものだね!」


政樹「(“゚д゚)ポカーン」


愛華「(“゚д゚)ポカーン」


茜「は・・・ははは・・・そうだったの・・・そこは聞いた事無かったな・・・私も・・・」


舞「でも出会って確かに数日しか経っていないけれど、色々と穂希から聞いて、確かに愛華ちゃんは素質があると思う!」


穂希「お姉さま、その話は愛華さんが断ったと・・・」


舞「そうだね・・・愛華ちゃん・・・もう一つ不躾な話を良いかな?・・・気に障ったのであればお詫びするよ・・・」


愛華「いえ・・・不躾と言うのはむしろ私の方かもしれません・・・大丈夫です!続き・・・お話頂いても・・・」


舞「そうかい?・・・なら・・・小波が初めて大喜びの表情で私に話をして来た日の事なんだけれど・・・いつもなら誰かの担当についたら割と厳しい表情をして緊迫ムード満々になるんだけれど、その日は180度違ったんだ!・・・その日も同じ様に新しい作者の担当についた事を話して来たんだ・・・私が「いつもと違って心底喜んでいる様に見えるじゃないか?」と尋ねると・・・「うん!今日、新しく担当についた方は、女子高生でとてつもなく美少女でモデルにも抜擢してみたい程なの!!」と・・・恐らくあの日以来小波はその女子高生小説家を小説家としてだけではなく雑誌などのモデルとしてもデビューさせたいのだろうなと感じたよ・・・」


愛華「・・・・・・・・・・・・・・・・」


舞「一度断っているのは分かっているけれど・・・私から・・・もう一度お願いさせて欲しいんだ!・・・これは、悪いけれど穂希とは全く別なんだ!・・・小波の今迄の想い、そして、私個人の見解として君を・・・撮らせて欲しい!!」


愛華「・・・・・・その様な経緯が・・・確かに秋月さんにも物凄く今迄お世話になって来ました。その秋月さんが私の担当についてくれた時から・・・あの日は私、凄く地味な格好でメガネも掛けて三つ編みで・・・」


舞「恐らく私がその姿を拝見したとしても彼女と全く同じ意見を出していたと確信が持てるよ・・・」


愛華「ありがとうございます。凄く嬉しくて名誉な事だと今の私は痛感している程です・・・ですが・・・」


政樹「やってみたら?」


愛華「政樹?・・・どうして?・・・」


政樹「俺もさ、実は・・・恥ずかしいから1度しか言わないけどな・・・お前は極上だと思うんだよ!!俺だけがって言う想いは正直言って勿体無い気がしていた・・・」


愛華「恥ずかしい・・・よ・・・」


政樹「お前はもっともっと色々な所に出て刺激を受けて、作品に活かす方が良いと思うんだ!・・・俺、お前の小説全部読んで来たけど、もっともっと自分に経験が出来て、そうするともっと作品も大きくなって更に良い作品が生み出せる気がするんだ!!・・・正直モデルとかやって俺の手に届かない程売れて・・・留学するとか言う事になってしまうかもしれない!・・・でも・・・今のお前なら何でも出来る・・・何でもやってみるべきじゃないか・・・そう思えていたんだ・・・だから、少しでも今の可能性を伸ばせるのであれば、そんな大チャンスがあるならそれを見過ごす事は勿体無い気がするんだ・・・何言ってるのか分からないけど、俺、応援しているから・・・でもお前が本当にそれが嫌なら俺は無理強いは絶対にしない・・・お前の気持ちに少しでも違和感や嫌悪感があるなら俺はその気持ちを大切にしたい・・・断りたいなら俺も一緒に断ってやる!だから・・・今回の件も色々と考えてみる価値はあるんじゃないかと・・・そう思うんだ・・・」


愛華「政樹・・・・・・・」




私は政樹が涙を少し浮かべながら熱弁している姿に胸を打たれた。この言い方、最後に私に対する意志を尊重してくれる言い回し・・・心底私の事を大事に想ってくれている証拠だ!

その政樹が言ってくれているんだ・・・私、やってみよう・・・




愛華「私、やってみます!!」


舞「それは、本当かい!?・・・」


愛華「はい!今政樹が言ってくれた通り、私がこれから先に少しでも作品を手掛ける為に良い成果が現れるならやってみたいんです!色々と無知な部分ばかりですがどうぞ、よろしくお願い致します。」




愛華はそう言ってしっかりと立ちあがって目の前に座っていた舞さんに深々とお辞儀をしたのだった。

俺も、色々と複雑な気持ちは正直言ってあった・・・けれど、こうして愛華にも大きな華々しいチャンスが訪れてくれるのであればそれは応援してやる事がせめてもの恋人としての役目では無いかと思ったからだ・・・




その日の夕方頃、今度は秋月さんが訪ねて来た。




小波「すみません、先程連絡を受けてやって来たのですが・・・私の嫌な予感が的中していないかどうか確認に参りました。」


茜「あら!?嫌な予感と言うとどの様な?・・・」


小波「舞・・・又変な誤解を招く言い回しでもしたのでは?」


舞「いいや!そんな事は無いよ!ちゃんとそちらにいる彼が説得してくれたんだよ!」


小波「本当に?・・・政樹君が?・・・」


政樹「あっ!・・・はい、舞さんがお願いした後に、良いチャンスだろうと思って俺が・・・」


小波「そうなの・・・ですか・・・なら良いのですが・・・」


愛華「あの・・・初めてお会いした時からそんなにモデルにしたいと思って頂けていたのでしょうか?」


小波「えっ!?・・・モデルの件は確かに舞には話をしましたが、凄く綺麗な感じの子だからきっとモデルなんかやっても人気が出ると思うわねとは言いましたが・・・まさか!・・・」


舞「♪~~~」


小波「舞・・・ちょっと表に出なさい!あなたまたしても誤解を招く様な発言をしていたんじゃないでしょうね!!」


舞「いやいや・・・私は少しでも可能性が高くなった方が良いだろうなと思ってね・・・いや・・・そんな強く言っていないよ・・・いや・・・その・・・ごめんなさい・・・許して・・・私、小波に嫌われちゃったら生きて行けない・・・」


穂希「姉が粗相を・・・」


愛華「何となく読めたよ・・・」


政樹「まぁ、何れにせよ、折角の機会だし挑戦してみれば良いんじゃないか?」


愛華「そうだね!私、やってみるよ!」




こうして、私は舞さんが言ってくれた通り、モデルとしてのお仕事も受けてみる事にした!

色々と慣れないし知らない事もあるけど、政樹が近くにいてくれるから頑張れる気がする!!




小波「本当にお騒がせ致しました・・・この子、悪気は無いのですがいつも自分の有利になる様な動きを示す時があるもので・・・舞、あなたもきちんとお詫びしなさい!」


舞「いや・・・色々とお騒がせしてしまい申し訳ありませんでした。この話は無かった事に・・・」


愛華「そんな・・・私、お受けしようと思って・・・」


小波「本当に宜しいのでしょうか?・・・学業と作家としての活動だけでも相当負担があると思われますが・・・」


愛華「はい!それは承知の上です。それに政樹も言ってくれたので・・・作家としての良い効果にも繋がるだろうし、良い刺激にも・・・それに私の作品にもっと深いものを採り入れられる様になればと・・・」


小波「・・・と、先生はお答え下さっていますが?・・・」


舞「うんうん!ありがとう!必ず私が素敵な姿で世の皆に知らしめようと思うのだよ!!」


小波「調子に乗らないのっ!!」




コツン!!




小波「穂希ちゃんもごめんなさいね!色々と大変だったでしょ?・・・」


穂希「いえ・・・いつもの事ですから・・・クスッ♪」


小波「それはそうと、穂希ちゃんは転校したって言ってたけれど、愛華ちゃんと政樹君の通っている学校の同じクラスって言ってたわよね!?」


穂希「はい、これも運命なんだと・・・」


小波「そう・・・色々と面白い展開になって来たわね!まぁ、穂希ちゃんは舞とは違って変な心配はしなくて済みそうだし、よろしくお願いね!」


穂希「え・・・と・・・はい!私自身も楽しくやって行けそうです♪」


舞「穂希・・・私の様になってはいけないよ?」


穂希「お姉さま・・・もう手遅れかもしれません・・・」


小波「何の話?」


舞「いいや・・・何でも無いよ!」


小波「でも、まさか茜さんが舞と同級生だと言う事実も驚きました!・・・こんな子だったから茜さんも色々と苦労されたのでは?」


舞「おいおい!それはどう言う意味だい?」


小波「言ったままの事よ!あなたは男女問わず迫るからきっと茜さんも美人だし困っていたのだろうなと思って・・・」


茜「いえ!私は高嶺の花的な存在だった舞に憧れを抱いていたのも事実ですが、何より話を掛け辛い状況の中でも率先していつも私に仲良くしてくれた・・・そんな舞に憧れていたのかもしれません・・・」


小波「茜さん・・・・・・ぷぷっ♪・・・あまり褒めると色々と厄介ですよ?」


舞「茜・・・私は今でも!!」


小波「は~いストップ!・・・折角愛華ちゃんが良い返事をくれたのだから早く部へ帰って報告、準備をしないといけないでしょ!?」


舞「そうだった!!・・・致し方無い・・・茜、そして愛華ちゃん、それに政樹君だったかい?・・・色々とありがとう!又、仕事の件についての詳細は連絡するから!それと茜・・・更に綺麗になったね!次はデートに・・・」




♪ゴツンッ!




小波「余計な言い回ししていない「また又会おう」とか「連絡するから」で締めなさい!」


舞「と言う事だ!では、先を急ぐので私はこれで!・・・あっ!穂希はどうする?帰るかい?途中だから送って行くけれど?」


穂希「そうだね・・・では、私もこの辺で・・・また学校で!」


愛華「はい・・・色々とこちらこそありがとうございました。舞さん、これからよろしくお願い致します。」


舞「うん!その笑顔・・・撮りたかったけれど今カメラが・・・じゃぁまたね!」




そうして慌ただしく舞さんと穂希ちゃんは帰って行きました。

私、これからどうなっちゃうのかな?・・・色々と不安だらけだよ・・・




政樹「大丈夫大丈夫♪お前の良い所は色々と不安とか思いつつもあっさりクリアして行く所だから!!」


愛華「それは偶然だったでしょ!?・・・今度はどうなるか・・・」


政樹「いや、偶然じゃないさ・・・俺はお前の一つ一つの丁寧な考え方、動き方を知っている。大変な事もあるかもしれないけどさ、絶対お前は前を向いて丁寧に進んで行くんだ!だから俺はあえて薦めたんだ!」


愛華「そうか・・・やっぱり政樹は私の事を何でもお見通しなんだね・・・」


政樹「何年幼馴染やってると思ってんだよ!?」


愛華「そうだったね・・・うん!私、頑張るよ!」






愛華「と言う事が土曜日にあってね・・・それで・・・」


夏葉「それは!!まさに運命ではありませんか!!私感動のあまり・・・」


智也「は~い!ストップ!そのセリフの続きは無しで!!・・・ってそれはそうと香波も遂にモデルデビューか!・・・何て言うか色々と厳しい業界なんだけど香波になら勤まると思うぜ!本当にスタイル良いもんな!それに根がしっかりと強くてスタイルにも出ているからさ!」


愛華「あまり褒められると・・・」




プシュゥゥゥゥ~♪




政樹「あちゃ~・・・ショートしたか!?お~い!愛華~?起きろ~?」




香波 愛華か・・・お姉さま、ごめんなさい・・・お姉さまは同じ女の子を好きになってしまった自分の様にならない為に私に言い聞かせてくれていましたが、この感情は抑え込む事が出来ません。

加賀谷 政樹君・・・君とはライバルになるかもしれないね・・・いや、ライバル以前に私は彼女とは接点がまだ無い。だとすれば、これから作れば良いだけの事!

君には悪いが私も色々と動いてみたいと思うよ!






その日の夜・・・自宅にて・・・




政樹「愛華!今度の新作のイラストってこんな感じで良いかな?」


愛華「うわぁ♪これは可愛いよ!次は一般作品だから丁度こう言う感じの雰囲気が欲しかったから・・・私はこの雰囲気が良いな♪」


政樹「じゃぁ決まりだな!後は秋月さんに話を通して・・・」




♪プルルルル~♪プルルルル~・・・・・




愛華「携帯・・・穂希ちゃんからだ!何だろう?・・・もしもし?穂希ちゃん?どうかしたの?」


穂希「こんな夜にごめんね?・・・今、電話良いかな?」


愛華「うん!大丈夫だよ?どうかしたの?」


穂希「うん・・・実は、次の土曜日か日曜日どちらでも良いんだけれど、買い物に付き合って欲しいんだ!・・・私も愛華ちゃんの様な可愛らしい服装とかやってみたいなって思っていて・・・今迄どちらかと言うと男染みた感じの服装だったから・・・詳しく分からなくて・・・ダメ・・・かな?」


愛華「えっ!?・・・私で良いのかな?私もそれ程詳しく分からないけど・・・?」


穂希「いいや!この間も凄く素敵な服装で憧れて見ていたから・・・恩に着るよ!」


愛華「じゃぁ・・・今の所、日曜日なら空いていると思うけど日曜日の午前中とかどうかな?」


穂希「あぁ!分かった!日曜日の朝に・・・そっちの近くに公園があったよね?そこでどうかな?10時に!」


愛華「うん!あるよ!・・・じゃぁ、日曜日の10時に公園でね!」


穂希「楽しみにしているよ!あっ!・・・すまないけれど、恥ずかしいから出来れば2人きりで良いかな?」


愛華「穂希ちゃん綺麗だしそう言う服装だって似合うと思うけどな・・・でも分かったよ!じゃぁ2人で行こう?」


穂希「急に色々と言ってしまってすまない・・・では日曜日の10時に!」




政樹「穂希さんから?」


愛華「うん・・・次の日曜日の朝買い物に付き合って欲しいって・・・恥ずかしいから2人で行きたいらしいから私行って来るね!」


政樹「あぁ!分かった!気を付けて行って来いよ!」






色々とあるけど、やっぱ愛華は人気が高いんだろうな!ちょこちょこお誘い的な話もあったり、この間あったのは告白だったよな!!あれには流石の俺も焦りを隠せなかったけどな・・・ずっと地味子で通っていて素の愛華で学校に通い出してから爆発的に人気が出始めてしまったらしく俺がこっちへ戻って来てから色々と不安もあり、少し地味目でと言う願いを聞き入れてくれたおかげもあってから何とか平常で保てていたはずなのに・・・ここ最近になってそれですら危ぶまれて来た感じが俺はしているからな・・・

その俺が帰って来る前の地味子とやらのスタイルに戻ってもらうってのも手かもしれないな・・・いや、それはそれで今度は「どうして!?」と逆に注目を集めてしまう可能性が・・・あぁぁぁぁ!!!!!俺はどうすれば良いんだよ!!!!!!!!!




愛華「政樹?・・・どうかしたの?政樹?・・・」


政樹「へっ!?・・・あっ・・・いや、何でも・・・」


愛華「↑あの心の中で唱えていた私に対する不安な気持ち・・・全部口に出てたよ?」


政樹「Σ(゚д゚lll)ガーン」


愛華「ぷぷっ♪・・・大丈夫だよ!私は何処へも行かないから!ずっと政樹のそばにいるって決めたし!政樹だって私といたいでしょ?」


政樹「あ・・・あぁ・・・当たり前だろ!!もう離れ離れになんてなるものかっ!!」


愛華「だったら私を信じて欲しいな・・・」


政樹「勿論・・・信じてるよ!」


茜「そう2人で強く結ばれた絆は決してほどける事が無く、将来を描いているかの様に見えたのだが・・・日曜日の穂希とのデートによって愛華の心は穂希へと徐々に向けられる様になったのであった・・・続きが気になるぅ・・・どうしよう!?政樹君が・・・政樹君がぁぁぁぁぁ!!!」


愛華「はい、お姉ちゃん、今度の官能さんのヒロインの相手役に決定ね!勿論実名で!!!」


茜「あら、お姉ちゃんそんな事許可した覚えはありませんよ?それだけはご勘弁を・・・」


政樹「・・・・・・・・・」


愛華「政樹が不安になっちゃってるよ?どうするのよ!?」


茜「ごめんなさい?・・・政樹君?・・・ちょっと、政樹君?泡吹いてる!!」


愛華「もう~!!お姉ちゃん!!本当に官能さんに出すからねっ!!」


茜「ごめんなさい・・・・もう二度と言いません!!」







こうして、次の日曜日に私は、穂希さんと買い物に出掛ける事になりました。

実の所少し違和感と言うか変な予感がしているんだけど・・・大丈夫だよね?・・・

この間みたいに半壁ドンみたいな展開とか無いよね?・・・実は軽く流しておいたんだけど本当は凄くドキドキして膝がガクガクしていたのは誰にもナイショ!!




















第十巻 終

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