売れっ子官能小説家は超絶美少女JK(Job Known)だった?
第九巻・・・美樹ちゃんの小説のサイン会開催!緊張する美樹ちゃん・・・果たしてイベントは成功するのだろうか?又、とんでも無い事実発覚!?美樹ちゃんの親友加奈子ちゃんの正体とは!?・・・
第九巻・・・美樹ちゃんの小説のサイン会開催!緊張する美樹ちゃん・・・果たしてイベントは成功するのだろうか?又、とんでも無い事実発覚!?美樹ちゃんの親友加奈子ちゃんの正体とは!?・・・
政樹と私が官能さん・・・もとい、官能小説の打ち合わせをしながら進めていた時、同じく後輩の美樹ちゃんも執筆活動に専念していた。
初めて出る小説を書いていると色々と緊張感や高揚感でいっぱいになるので応援と励ましの電話を入れたら美樹ちゃんも凄く喜んでくれて、意欲もあるけど不安もやっぱりあるみたいだった・・・
応援して美樹ちゃんも無事に初めて発売される小説を書き終え、私たちも秋月さんを呼んで色々と相談し合いながらようやく1冊の本へしたためる事が出来、いよいよ私たちの小説が書店に並ぶ日が来た。
クラスのファンの皆も美樹ちゃんと私と政樹の小説の方も買ってくれて読んでくれた!
私も勿論、妹子(でし)1号である美樹ちゃんの小説は買わせてもらった。
美樹ちゃんは凄く恐縮していたけど、やっぱりもらうのでは無く、実際に1人のファンとして買うのが一番良いだろうなと思う。
美樹ちゃんも自信が持てたと思うし、今後の創作活動の意欲を高めてくれる結果だったと思う。
そして少し落ち着いた頃、秋月さんから美樹ちゃんに1本の電話が届いた・・・
小波「もしもし、秋月ですがまなせ先生でしょうか?突然のお電話申し訳御座いませんが今宜しいでしょうか?」
美樹「あっ!・・・秋月さん、こんにちは!何かありましたか?」
小波「はい、実はまなせ先生の作品が発売されましたが、次回作の方の予約キャンペーンで先生のサイン会のご提案を頂いたのですが、次回作の発売日前後で先生のサイン会イベントを開催する予定になったのですが、もし宜しければお願いしたいと思いまして・・・」
美樹「えっ!?・・・私のサイン会なんて開いてくれるんですか!?・・・」
小波「はい!・・・先生ももう立派なプロ作家ですので、この様な催し事も参加されればより一層ファン獲得や作品を知って下さる方も増えると思います。良い機会だとは思うのですが、難しい様でしたらお断りは致しますが・・・」
美樹「私なんかのサインなんて喜んでくれるのかな?・・・」
小波「クスッ・・・愛瀬先生と同じ様な事仰るのですね・・・」
美樹「そうなんですか?・・・師匠も私と同じ事を?・・・」
小波「えぇ!やはりデビューしたての頃だからプロでファンの方も沢山いらっしゃる事に対しての感覚が無かったのでしょうね・・・今でも時々その様な事を仰る時があるのですが、そうやっていつの間にかそれが当たり前になって有頂天になられる方もいらっしゃいますが、愛瀬コンビのお2人はその様な事は無いだろうと私は思っています。作品を大切に出来るプロとしての自覚も十分にお持ちだろうと思うからこそ、私個人の意見にはなってしまいましたが、まなせ先生にも是非ご協力頂ければと思うのです・・・」
美樹「そう・・・でしたか・・・分かりました!私、やってみます!宜しくお願いします。」
小波「分かりました。では既にオファーを頂いている企業へ返答をさせて頂きますので詳細は追ってご報告させて頂きます。全国何カ所か出向かなければならないですがその辺りは調整の方を後日させて頂きますので先生のご都合も考慮させて頂きますね。次回作の方もその後如何ですか?何かお困り事等ありませんか?」
美樹「はい!前作の続きなので私もしっかりとあらすじが繋がる様に書いています!又、仕上がったら連絡しますのでお願いします。」
小波「あまり肩ひじを張らないで下さいね。私はただの編集者ですから・・・それにしても美樹ちゃんも愛華ちゃんとよく似ている気がします。」
美樹「そっ!?・・・そんな・・・師匠と私が!?・・・恐れ多いですよぅ~・・・!!」
小波「いいえ!これは第三者から見た客観的な意見ですからご本人がどの様にお思いなのかは分かりません。ただ、私は凄く雰囲気が似ていてお仕事をしている時にもこうして連絡している時も時々間違えて話掛けてしまいそうになる時があります。良い所を御妹子さんとして引き継いでいるのだろうなって・・・だからこれからも愛華ちゃんをよく見て、感じて、少しでも愛華ちゃんに追いつこうとして、追いついたとしたら次は追い抜いて、今度は愛華ちゃんがあなたに追いつく・・・そんな師弟関係も良いのではないかなと・・・あっ!!ごめんなさい私ったら・・・つい気が緩んでしまったみたいですね・・・それでは、又何かあったら遠慮無く連絡下さい!失礼します。」
周りの皆がどうして秋月さんを推したがるのかが凄く伝わって来た気がする・・・
あまり人が見ない所に特に注意深く見ている証拠だろうな!
人を褒めて伸ばすタイプと言う所は誰でもあると思うけど、秋月さんの場合はそう言う人とは少し違う気がする・・・凄く色々な部分を見て、実際に感じて、それを元にして自分の気持ちも伝えている・・・そんな気がする。
サイン会か・・・サイン会?・・・えっ!?・・・私のサイン会!?・・・どうしよう・・・
次の作品の時だよね!?・・・今から緊張しちゃう!!
あっ!そうだ師匠に電話しよう!!
♪プルルルル~・・・ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ~・・・ゴロゴロゴロゴロゴロ~・・・
ピシャーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!
愛華「あっ!美樹ちゃんからだ!!・・・もしもし?美樹ちゃん?どうしたの?」
政樹「いや、その着信音もおかしいだろ!?・・・何だよ!最初は普通のコール音なのに2回目から何の音か分からない様な雑音みたいなの入って3回目のゴロゴロって雷かよっ!!」
美樹「あっ!?師匠ですか!?・・・大変です!!私・・・私のサイン会が次回作で決まりそうなんです!!」
愛華「えっ!?・・・良かったじゃない!!やったね!!これで美樹ちゃんも有名人だよ!!」
美樹「そ・・・そうでしょうか!?・・・私凄く緊張して来て・・・さっき秋月さんに電話で告げられて、後から凄くドキドキして来ちゃって・・・」
愛華「大丈夫だよ!ちゃんと周りの皆がついてくれているから!安心して当日を待ちましょう♪」
美樹「はっ!・・・はい!!楽しみにしています・・・新作ももうちょっとで出来上がるので秋月さんにチェックしてもらって良ければ第二弾が出ます!!」
愛華「もうちょっとか・・・又何かあったら遠慮無く言ってね!私たちも美樹ちゃんのファンだからね♪」
美樹「はい!・・・でも師匠って秋月さんに似ていますよね?・・・」
愛華「へっ!?・・・そっ!!そんなとんでも無いよっ!秋月さんに怒られちゃうよ!!」
美樹「クスッ♪・・・本当だ!さっきの私と似てるかも・・・?」
愛華「ん?・・・どうしたの?」
美樹「実はさっき秋月さんと電話で話をしていた時に、私って師匠と似ているって言われたのですが、そんな事師匠に恐れ多いですって言ったら本人の思っている事とは違って第三者から見ると似ている気がするって・・・凄く光栄で嬉しかったです♪」
愛華「そうか・・・なんだか私も嬉しいな♪美樹ちゃんと似ているのか・・・うん♪嬉しいよ!秋月さんと似ていると言うのは少し恐れ多いけど・・・」
美樹「又、仕上がったら師匠にも読んで欲しいのでチェックをお願いしても良いですか?」
愛華「うん♪楽しみにしてるね♪でも無理は禁物だよ?」
美樹「はい!・・・では、又学校で!!」
愛華「美樹ちゃん、サイン会が次の作品が発売する頃にあるんだって!!」
政樹「おっ!!やったじゃん!それで順調なのか?美樹ちゃんは?」
愛華「うん!もう少しで書き終えるからチェックして欲しいって・・・ねぇ?政樹?・・・私って秋月さんと美樹ちゃん、どっちに似てると思う?」
政樹「はぁ?・・・急にどうしたんだよ!?・・・愛華は愛華だろ?どっちに似てるかって言われてもな・・・」
愛華「美樹ちゃんが秋月さんと電話で話をしている時に私と似ているって言われたらしいの・・・それでね、今美樹ちゃんと電話をしていた時に今度は美樹ちゃんが秋月さんと私って似ていますねって言って来たから、私ってどっちに似てるんだろう?って思ったの・・・」
政樹「あぁ・・・そう言う事か!・・・そうだな・・・どっちも見た目とかそう言う事じゃなくて中身の事を言ってるんだろうな・・・確かに言われてみればどっちの要素も愛華は持っている気が俺はするよな・・・」
愛華「どっちも?・・・」
政樹「あぁ・・・上手く言えないけど、何て言うのかな・・・オーラとか考え方とか色々とあるだろ?・・・そう言う所がそれぞれの特徴と近いって言うのか、2人の良い所を持っている様な部分がある様な気がする・・・」
愛華「そうか・・・それなら私、その良い所をもっと大切に出来る様に頑張るよ!・・・それがどう言う所なのか具体的に知らないから難しいけど・・・」
政樹「まぁ、あれだ!・・・お前はお前らしく今のままで良いって事なんじゃないのか?」
愛華「そうだね・・・私は私のままで・・・分かったよ!ありがとう政樹♪」
あれよあれよと言う間に美樹ちゃんの2作目のライトノベルが発売が近づいて来た・・・
小波「まなせ先生、チェックの方をさせて頂きました・・・率直に申し上げますが、少しぬるい感じがします・・・」
美樹「そ・・・そんな・・・どの辺りがでしょうか?」
小波「全体的にまとまっていてとても良い話の流れになっているのですが、登場人物の一部・・・そうですね・・・このモブキャラの男の子の雰囲気が一部のシーンで強く引き出そうとされていますが、出ていない感じになってしまっています・・・それと、主人公の口調や雰囲気が冒頭部分辺りから物語の華僑にあたって変わってしまっているんです。成長と共に全体的な雰囲気が変わると言う予めて決められた設定なら問題無いのですが、特に大きな時間が過ぎた内容ではありませんし、やはり読者側からすると少々不自然さを残してしまうイメージでしょうか・・・」
美樹「なるほど・・・この孝雄君が影になっていると言う事ですね・・・確かに言われてみるともう少し強い口調とオーラを出してあげた方がインパクトが強まる気がしますね・・・主人公の口調は私も書いている時間が経って来てしまって途中から変わってしまったみたいです・・・ごめんなさい。その部分は修正させてもらいます・・・後、誤字や脱字などは?」
小波「宜しくお願いします。そしてこちらがチェックを入れたものですが、基本的にあまり誤字や脱字が無い所で丁寧さが伺えるのですが、文法や漢字の用い方を少し間違われてしまっている様な気がします・・・大抵が同じ文章の同じ文字を間違われていらっしゃるようですね。例えばこちらの主人公のセリフの一部ですが「そんな事良くある事だから気にするなよなっ。」と言うセリフのこの「良く」ですが、こちらの文脈での意味だと頻繁にある事として「よくある」と言う意味合でしょうが「良く」と言うのは本来肯定を現す言葉ですのでここで使うのは間違えになってしまいます。」
美樹「あっ!!そうですよね・・・言われて気付きました。すみません、もっと国語も勉強する様にします!」
小波「まだ時間の方はありますし、まなせ先生も愛瀬先生と同じく締め切りギリギリで提出する訳では無いのが私としても非常にあり難く助かっている部分ですので、私が今お伝えした部分の修正の方と訂正の方を締め切り日迄にお願い致します。」
秋月さん・・・師匠から色々と教えてもらっていたけど確かに厳しい人だなと思う。
仕事の事になると表情も緊張感があって口調も端的に言う所とか正直師匠に前もって話を聞いていなかったらめげてしまっていたと思う・・・この前の1つ目の小説の時も色々と言われたけど、でも、それだけ真剣に私の作品に向き合って考えて、何よりきちんと読んで内容を理解してくれている事が私は凄く嬉しくて、師匠の言っている事が手に取る様に伝わって来る!!よしっ!それ程大きな指摘が無かったし直ぐに修正を入れたり訂正してもう一度提出しようっ!
翌々日・・・
美樹「よしっ!見直しもOK!秋月さんに連絡して・・・」
私は全ての作業を終えてから再度読み返して間違えや違和感を感じた描写等が無いか確認をした。そして良いと思ったので秋月さんに連絡を入れてチェックに来てもらう事になった!
小波「・・・・・・・」
美樹「あの・・・どうでしょうか?」
小波「・・・・・・・」
美樹「あの?・・・秋月さん?・・・」
小波「お待たせしました・・・はい!バッチリです!ありがとう御座います。私がお伝えした事をしっかりと理解されてその分もはっきりと作品に現れています!」
美樹「あぁぁ・・・ありがとう御座います!!」
小波「では、先にイラストレーターの先生にはある程度の描写を描いて頂いていましたので、そちらの確認を頂いて宜しければ今度は修正頂いた部分の3枚程の描写のイラストを改めて先生へお渡しして描いて頂く事にしますね?」
美樹「はいっ!宜しくお願いしますっ!」
流石プロのイラストレーターの先生・・・私が理想としていた描写の雰囲気やキャラクターの表情、全て文句無しだよっ!!
小波「如何でしょうか?特にまなせ先生のご指示が無い場合このイラストを通させて頂きますが・・・」
美樹「はい!こちらのイラストでお願いします。私が望んでいたイラストでした!!」
小波「それは良かったです!では、早速残りの数枚程になりますのでそれ程お時間を要さないかとは思いますが改めて先生のイラストが仕上がって手元に届きましたら再度残りのイラストチェックの方も宜しくお願いします。」
美樹「分かりました。ご連絡お待ちしています。」
結局それから2日後にイラストを確認する事が出来た!!
やはり凄い人だと思った!!残りの描写のイラストも私が理想としていたカラーだった・・・
凄く物語の雰囲気が伝わって来て、こうであって欲しいと思うストーリーを醸し出してくれている繊細なイラスト・・・とても素敵な私の2冊目の小説!出来るのが楽しみだ♪
小波「先生?・・・それで早速この後会議を経て、印刷へ話が進んで行きます。この前お伝えしていましたサイン会の件なのですが・・・」
美樹「あっ!!!そうだった!?サイン会があるんでした!!」
小波「ふふっ♪・・・それだけ作品に真剣だった御様子ですね。」
美樹「それで・・・いつ頃、何カ所でやるのでしょうか?・・・」
小波「はい!一応今から申し上げます場所以外では現在の所挙がっていませんので先に開催ヶ所ですが全国5カ所となります。」
美樹「5ヶ所もですかっ!?・・・凄いです・・・」
小波「ですが、途中2カ所だけ同日で移動しなければいけないので朝1ヶ所周ってから続いて夕方から2カ所目を予定しています。少しだけハードになるかもしれませんが基本的にその他は1日に1ヶ所ずつですので合計1週間近くで周って行く形になります。」
美樹「それでもハードな気が・・・」
小波「まぁ、もう直ぐ長期休みに入るかと思いますのでその間をスケジュールに入れてみたのですが、もしも不都合な場合は仰って下さい。こちらもスケジュールはまだ調整が出来ますから!」
美樹「はい・・・ありがとう御座います。大丈夫だと思います!家も出掛ける用事なんてほとんどありませんし、良い経験だなと思いますので!!」
小波「そうですか・・・それなら私も安心です。ですが何かあれば遠慮無く言って下さい。先生がご無理をなさってお体を崩してしまったり今後の活動に支障が出る様でしたら私はそれを防ぐ必要がありますので!」
美樹「はい!本当にありがとう御座います。私は大丈夫です!こうして秋月さんが凄く気を遣ってくれて、凄くお仕事が楽しいですから♪」
小波「先生・・・・・分かりました。ではその先生のお気持ちも大切にする為にも私は部に戻り次第早急に手配を始めたいと思います!」
むしろ私の心配よりも秋月さん自体の心配の方が必要な気がする・・・
ってこれも師匠が言っていた事と同じ事だと思うけど、秋月さんは自分を犠牲にしている所もあるんじゃないかと・・・そう言う所が私たちも気掛かりで・・・
でも本当に凄く熱い編集者さんだな!!人間として・・・
尊敬するし憧れもあるよ!!!
よしっ!サイン会も頑張るぞっ!!
いよいよ「まなせ るよ」サイン会巡礼の初日に!?
夏休み前半だったので暑さの中私はドキドキしながら出掛ける事に!!
小波「先生、今日から1週間、宜しくお願い致します。」
美樹「はひっ!こちらこそ宜しくお願い致しますですっ!!!ふつかものですが・・・いえっ!不束者ですが初めてなので優しくして下さいっ!!!」
小波「ぷっ・・・ははははは!!先生?緊張するのはまだまだ早いですよ?それに初日は地元だから実質的には明日から本格的に動く感じですよ?」
美樹「そっ!?・・・そうでした・・・ごめんなさい・・・私、本当に緊張し過ぎで・・・」
小波「その様子だと昨夜眠れなかったのでは?」
美樹「実は・・・6時間しか眠れませんでした・・・」
小波「先生、普段はどれくらい眠られていらっしゃるのですか?」
美樹「8時間です・・・8時間眠らないと体調がおかしくなるので・・・」
小波「そうですか・・・なら6時間だと結構お辛いのでは?」
美樹「本当ならそうですが、でも今日は大丈夫です!!」
小波「そうですか・・・それなら安心です!」
1ヶ所目、地元の大型書店に到着!
小波「こんにちは!丸川書店編集部の秋月と申します。本日は弊社の新人作家、まなせ るよのサイン会を開催して頂く運びとなりましたが誠にありがとう御座います。本人も初の地元からのスタートとなります為、緊張感でいっぱいではありますが、頑張らせて頂きますのでどうぞ、宜しくお願い致します。」
店長「いや!まなせ 先生がここの方だったとは知って驚いて直ぐにお願いさせて頂きたいと思っていましたよ!本当に高校生とは思えない様な繊細で迫力のある描写は私も釘付けになりましたし!1作目にも開催させてもらえれば良かったのですが・・・生憎丁度その頃私も先生の事を存じ上げたものでして・・・本当残念でしたが、よくぞ来て頂きました!今日は気兼ねなく・・・とは言えないかもしれませんが、地元と言う事ならリラックスして行って下さいね!我々も出来る限り協力させてもらいますので!!」
秋月さんはキャリアウーマンと言うイメージもあるけど、凄く親しみやすいオーラも持っているから誰とでもこうやって気さくなやり取りをしている・・・
凄いな・・・言葉遣いは凄く社会人って感じなのに雰囲気は凄く友達と喋っている時の様な安堵感があるし・・・
挨拶と準備が整い、いよいよサイン会開始!!
小波「皆さまこんにちは!本日は弊社丸川書店の新人小説家である「まなせ るよ」のサイン会へお集まり下さり誠にありがとう御座います。私、丸川書店、そしてまなせ るよ担当編集を勤めています、秋月 小波と申します。本日はまなせ るよの新作をご購入下さり誠にありがとう御座います。作者に代わりまして厚く御礼申し上げます。デビュー間もない彼女では御座いますが、まなせ るよ・・・このまなせ るよと言うペンネームはまなせ本人の師に当たります愛瀬 瑠奈の名前より拝借している事を皆さまはご存じでしょうか?・・・少しお話が長くなってしまうのですが、お付き合い下さいませ・・・愛瀬 瑠奈と言う弊社の同じく新人作家であります女子高生がいるのですが、今回こちらに寄せて頂いていますまなせ るよとは学校の後輩であり、妹子(でし)にもあたります。まなせは愛瀬 瑠奈の一番最初に書いた小説を読んで以来の猛烈な大ファンであり、同じ学校へ通っていると言う事を知り、コンタクトを取り、その後妹子として執筆活動も行う事になりました。前作をご覧になられた皆さまにはお馴染みかと思われますが、彼女の作品の私個人としても大好きな部分は、物語の最後に必ず次回の期待を持たせる様な!!次回作がまだなのか!?と本当にファンの心をくすぐってくれる・・・その様な作品を日々したためております。私も様々な作家の先生方の作品を拝見して参りましたが、この様なお若く前向きに生きている方がこの様な素敵な作品を生み続けて下さる事はこの上ない喜びだと感じております。私はこの2名の新人作家の担当として日々サポートさせて頂いておりますが、本当に毎日が楽しくて生きがいとなっております。今日はその1名のまなせ るよの初めてのサイン会、そして初めての会場となっております。これから約1週間の間我々は全国こちらを含めまして5カ所を周って行く所存であります。どうかこの貴重なお時間を頂戴致しまして、まなせ るよが皆さまにお礼の気持ちも込めましてサインとしてあなただけにお届け致します。どうかこのひと時、有意義で貴重な時間だったと感じて頂ければこれ程の喜びは我々は無いであろうと思います。どうぞ、本日は楽しんでお帰り頂けたらと存じます。それでは、早速主役にご登場頂く事に致しましょう。まなせ るよ先生!本日は宜しくお願い致します。どうぞ!!皆さま、盛大な拍手でお出迎え下さいませ!」
♪パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ~~~♪
小波「さて・・・皆さま、熱いお気持ち、ありがとう御座いました・・・まなせ るよ先生ですが、少し緊張されていらっしゃる様ですので、一度深呼吸をしましょうか?」
美樹「はっ!!はいっ!!・・・スゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥハァァァァァァァァァァァァァァァ!!スゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥハァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
小波「大丈夫ですか?・・・今日は私も真横から応援していますので頑張りましょう!!」
実は秋月さんは最初の時いつもより挨拶の言葉を長くとってくれていた!
私が極度に緊張状態でかなり固まってしまっていたので登場するステージ横に立っていた私を見ながら進行してくれていた!!
そして隣でと言うのは本来少し距離を空けて待っているはずなのに私に気を遣ってくれてその様に言ってくれた・・・
深呼吸とかも・・・本当に良い人なんだな♪そう考えていると少しずつ力が抜けてリラックス出来て来た♪
小波「では、今日はサインを書かせて頂く前に少しだけまなせ先生に対する質問コーナーを設けさせて頂きます!先生と私は席に座らせて頂きますね・・・それでは、手を挙げて質問を受け付けさせて頂きますがどなたか先生にご質問はありませんか?」
「はいっ!・・・」
小波「あっ!早速大きい声でありがとう御座います。そちらの帽子を被られた男性の方!」
「はい・・・先生が好きなジャンルの作品は何ですか?」
小波「先生が好きなジャンルの作品ですね!?ありがとう御座います、では先生、お好きなジャンルってどの様な作品ですか?」
美樹「はい・・・私が好きなジャンルは、官能小説です!」
♪シーーーーーーーーーーーーーーーーン
美樹「はっ!!いっ!!いいえ!官能小説と言っても一般作品なんです!!その・・・師匠の官能小説が好きで・・・表現が柔らかくて色々と勉強になるって言うか・・・」
小波「実は師である愛瀬 瑠奈は元々八鬼人空 食多郎 (やきにく くうたろう)として官能小説でありながら基本的に一般向け作品を手掛けておりました。そちらの作品が好きだと言う事ですね!?やはり師匠である愛瀬先生のファンと言う事もあり、元々愛瀬先生の作品自体が好きだったのでその流れで官能小説風小説をお読みになられたら・・・と言った所でしょうか・・・」
美樹「はっ・・・はいっ!その通りです!ありがとう御座います!!」
小波「では、続いての質問を?・・・そこの帽子の女性の方でしょうか!?どうぞ!」
「はい・・・尊敬している人は誰ですか?」
美樹「えっ!?・・・はい!勿論師匠です!愛瀬 瑠奈先生!本当に素敵な方なんです!私が最初先生の初めて書かれた小説の主人公に憧れていてその主人公になり切って先生に会いに行ったら先生に傷を付けてしまって、その後クラスメイトの親友に指摘されて急いで戻って謝ってから色々とお話している間にとても優しくして下さって・・・それから更に師匠の事が大好きになりました!将来は師匠の様な優しくてしっかりとした人になりたいです!」
♪パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ
小波「はい、ありがとう御座いました!・・・それだけ愛瀬 瑠奈先生は魅力的だと言う事でしょうね!では、続いて・・・今日は女性の方が多い感じですが・・・そちらの女性の方にしましょうか!ではお願いします!」
「まなせ先生の作品はつまらない・・・」
美樹「えっ!?・・・」
小波「・・・・・・・・・・」
美樹「そうです!・・・私も師匠に初めて会った時に同じ様な事を言ってしまったんです!師匠の初めて書いた作品の主人公になり切って・・・その事ですよね?あなたもひょっとして愛瀬先生の作品の事が・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
美樹「私はその時師匠に言われたんです。何処がいけなかったのかな?言ってくれれば直すんだけどな・・・ってだから私の作品のどこがつまらないですか?その部分を教えてくれれば私も直します・・・」
「・・・・・・合格です・・・」
美樹「えっ!?・・・合格?・・・」
「ごめんなさい、続けて下さい。私の質問は終わりました。」
小波「なるほど・・・分かりましたでは続いてありますか?・・・そちらの男性の方にしましょうか!」
「活動する際に意欲になる事って何かありますか?」
美樹「はい、それは、皆さんからコメントを頂いたり、応援下さる事です!そして師匠や学校の先輩方の応援等です。」
小波「はい、ありがとう御座いました。やはり身近な方、ファンの方あっての執筆活動だろうと思われますね・・・と言う事でそろそろお時間が来てしまいまいた。この後はサイン会の方へと進みます。では、先生は引き続きこちらの席で・・・私は少しだけ椅子を離しますね。」
順番にファンの方が新作小説を手に持って私の前へ来てくれた・・・
私のサイン・・・大事にしてくれるのかな?・・・でも本当に嬉しい♪
そうして皆さんの買ってくれた私の新作の小説にサインを書いている時に!?
「まなせ先生♪」
美樹「あっ!師匠!!来て下さったのですか!?・・・」
愛華「しっ!一応伏せておいてね?・・・バレるとファンとして今日は来ているし・・・」
美樹「はい・・・ありがとう御座います。私のサインなんてこの間の1冊目を出した時に書かせて頂きましたけど・・・?」
愛華「ファンの先生のサインはいくらあっても困らないよ?」
美樹「そうですか!?・・・それなら精魂込めて書かせて頂きますね!」
愛華「嬉しいな♪ありがとう御座います。先生♪」
美樹「はい・・・では・・・・・・・・・・・どうぞ!」
愛華「うん!サインの上達も早いね♪」
美樹「そんな・・・からかわないで下さいよっ!!」
愛華「うふふ♪じゃぁ巡業の方も頑張って来てね♪」
美樹「はい!ありがとう御座います。行って来ます!!」
「大活躍だね!」
美樹「あっ!!政樹先輩も!!ありがとう御座います。」
政樹「俺も一応・・・アレみたいだし、隠せって言われてて・・・ごめんな?」
美樹「いいえ!凄く嬉しいです!先輩方が来てくれるなんて夢みたいで・・・」
政樹「大変だろうけどこの後も頑張って!応援してるから!」
美樹「はい!ありがとう御座います。行って来ますね!」
「まなせ先生!私、おもら・・・いいえ、気絶しそうな程喜ばしいサイン会でしたわ♪」
美樹「夏葉先輩迄!!ありがとう御座います!!私も感激のあまりおもら・・・いいえ、気絶しちゃいそうです・・・」
「だからお前はそう言う余計な事教えるなって言ってんだろ?」
美樹「智也先輩も!?本当におもら・・・いえ、何でも無いです・・・」
先輩方も応援に駆けつけてくれた・・・本当に今日は幸せだよ♪
そう思っているとさっき「つまらない」と質問して来た顔を隠した女性?が来た・・・
「あの・・・さっきは・・・ごめん・・・やっぱりまなせ先生は愛瀬先生の猛烈なファンなんだね!凄く伝わったよ・・・巡業頑張って・・・」
美樹「へ?・・・あっ!はいっ!ありがとう御座います・・・」
何か私の事を詳しく知っている様な?・・・それにしても顔を隠しているから誰なのか分からないけど・・・
サイン会初日も無事に終わり、2日目は飛行機で移動する事に!!
2か所目の会場は地元より遥かに遠くでどうなるか心配だったけど無事に開催しサイン会が始まりそろそろ終盤になったその時だった!?
「お疲れ・・・頑張ってるね!」
美樹「あれ?・・・あなたは、昨日の地元の時にいた・・・」
「サイン会残り3カ所頑張って・・・」
美樹「えっ!?・・・あぁ・・・ありがとう御座います。こんなに遠くに迄来てくれてありがとう御座います!!」
あの不思議な顔を隠した女性が遠くなのに何事も無かったかの様に声を掛けてくれた・・・
3カ所目・・・少し慣れて来たかな・・・折り返しに掛かり私もエンジンが掛かり張り切っていたサイン会もそろそろ終盤を迎え、順番にサインを書いていたら・・・
「大分緊張感がほぐれてみたいだね・・・良い調子、その調子で残り2カ所も頑張って・・・」
美樹「えっと・・・ここ迄来てくれたんですね!本当に・・・本当にありがとう御座います!あの・・・お名前を聞かせて頂いても?・・・」
「ただの通りすがりだよ!気にしないで・・・」
そう格好良い言い方をしても全国各地に来てくれるなんて私みたいな新人なのに!?・・・
そう言えばボソッと喋る感じだからクールに聴こえていたけど何か違和感の様な・・・
4カ所目・・・いよいよサイン会巡業の方も終盤に差し掛かり
そろそろ私は家に帰りたくなって来た・・・でもファンの皆さんが待ってくれているんだ!
私も残り2カ所も気合いを入れて頑張る事にした!!
小波「先生も随分とリラックスして来られましたね!」
美樹「はい・・・色々とお気遣いありがとう御座います。おかがさまで残りも何とか頑張れそうです!」
小波「まぁサイン会は一種のファンとの交流の場だと思っているので気を楽に持たれて良いと思いますよ?後・・・あのずっとついて来てくれている女性って一体?・・・」
美樹「そうなんですよ!?私も顔が見えなくて声もボソッとしていたから誰なのか分からないですがもしかすると私が知っている人なのかな?って考えていました!」
小波「ん~・・・それならあり得るかもしれませんね!先生の本当に大ファンの身近な方かもしくわ・・・」
美樹「その、もしくわの後は聴かない事にします!」
そうして無事に4カ所目のサイン会も無事に終了しようとした時・・・やはり又あの女性が!!
「いよいよだね・・・後1ヶ所を残すのみとなった!残念だけど次でお終いだね・・・頑張って!」
美樹「は・・・はい・・・本当に交通費だけでも大変なのでは?・・・そんなに私の作品を?・・・」
「まぁ、追っかけみたいな感じで思ってくれれば良いよ・・・じゃぁ、残りの場所で!」
美樹「本当にありがとう御座います。明日も楽しみに待ってます!」
反対に私の方がファンになっちゃいそうだったよ・・・
あのくらいの熱意があれば私もきっと師匠もこの様なイベントをもしやったとしたらあの人と同じ様に顔を隠してクールな声で・・・
妄想美樹「やぁ!頑張ってるね?大変だろうけど私も追いついて行くから頑張ってね!」
妄想愛華「あぁ・・・本当にありがとう御座います♪次の会場でもお会いしましょうね!」
美樹「なんちゃって~♪えへ・・・えへへ~♪」
小波「え・・・と・・・先生?どうかなさいましたか?後1ヶ所ですし頑張りましょう?」
そしていよいよ最後の会場へ!!
「お疲れさま・・・1週間だったけどようやく終わったね!」
美樹「はい!途中からあなたの熱意に胸を討たれて自分も頑張らなきゃなって思って初めてのサイン会も無事に終了しようとしています!本当にありがとう御座いました・・・ところで、5カ所全部周って下さったと言う事は、やはり5冊購入して下さったのですね!?・・・同じ本でも良いのでしょうか?」
「あぁ・・・これは全部家宝にするから安心して!別で読む用と人への薦める用、友人に貸し出す為の分も含めると合計8冊になるかな!」
美樹「そっ!?・・・そんなにですか!?・・・本当にありがとう御座います。頭が下がる思いです・・・宜しければお名前をお聞かせ頂けませんか?こんなに私の作品を大切にしてくれる人、何処の誰だか分からないって失礼極まりない事だと思うんです!だから・・・お願いします。」
「そうだね・・・私の名前は・・・愛川 カラズ (あいがわ からず)とでも言っておこうかな?」
美樹「愛川 カラズ・・・さん?」
結局愛川さんとその後出会う事は無かった・・・
それにしても何か本当に違和感があるんだよね・・・あの喋り方や声、顔を隠す・・・
特に思いきり照れ屋だって感じもしなかったし、こう言う事に慣れているのだろうか?私に対しても手慣れた感じで励ましてくれたし・・・
夏休みはその事で頭がいっぱいだった。
勘が鋭い秋月さんでさえ、全く予想が付かなかったみたいだし・・・
一体何処のどなたなんだろう?・・・
夏休みが終わり私も学校へ又通い始める・・・
美樹「加奈子!久しぶりだったね!夏休み何してたの?」
加奈子「うん・・・何て言うの?色々と忙しくて動き周っていたんだけどね・・・」
美樹「加奈子も色々とあるんだね・・・」
加奈子「あんたはどうだったの?サイン会だっけ?どうだった訳?」
美樹「うん!無事に1週間で日本の5カ所を周って来た!」
加奈子「そう!大変だったんだね・・・まぁ、あんたくらい人気になったら色々なオファーって来るだろうし、今の内に唾付けておこうかな?」
美樹「何言ってんのよ!そんな事しなくたって私のサインなんていくらでも書いてあげるよ?」
加奈子「サインは・・・良いよ!」
美樹「えっ!?・・・いらないんだ!どうして?唾付けるくらいなら欲しいものじゃないの?ってそりゃ親友のサインなんていらないよね?普通・・・」
加奈子「ま・・・そう言う事になるかな?・・・」
美樹「あっ!?そうだ、サイン会なんだけど、不思議な女性と出会ったんだけど・・・」
加奈子「へぇ~!やっぱファンって熱烈な人がいるんだね・・・」
美樹「そうそう!全国5カ所だよ!?全部網羅して来てくれた人がいて、私その人に途中から逆に勇気づけられて!!凄い熱だよね!尊敬しちゃうって言うか・・・」
加奈子「そうか・・・追っかけっているからね!あんたも幸せじゃん?そう言うファンに恵まれたらさ?」
美樹「そうだよね・・・でも名前が変わってて本名なのか偽名なのか分からなくて・・・」
加奈子「そうか・・・知らないんだ・・・」
美樹「うん・・・あんな変わった名前・・・そうだっ!初日質問コーナーで一瞬凄く傷つく事言われてさ」
加奈子「そうなんだ?それで?」
美樹「あれ?どうして私が傷付く事言われたのにいつもみたいに必死にならないの?いつも直ぐに反応してくれるのに?」
加奈子「えっ!?・・・それはあんた今、その人の熱意に惹かれた様な事言ってたから途中で理解出来たんだろうなって思って・・・」
美樹「そうだよね!?・・・こうして加奈子の前で又2学期も一緒に勉強出来るもんね!・・・それでね、その人が言ったセリフがあまりにも頭に来たから少し私も言い返してやったら・・・「合格」だってさ・・・面白いよね?」
加奈子「そうなんだ!イベント中にそんな事言うのもどうかと思うよね?あんたが怒るのも無理ないよ!」
美樹「それでどうしてもあの人が最後言った名前が思い出せなくて・・・なんだっけ?あの・・・喉迄昇って来てるんだけど・・・出て来ないや・・・何か動物の名前みたいな・・・カラスだったっけ?う~ん何か捻った名前だったから印象深かったんだよね・・・でも思い出せなくて・・・メモしておくんだった・・・又会いたいし・・・何とかカラスだった気が・・・ダメだ・・・もうちょっと・・・もうちょっとなんだよね・・・加奈子?何て名前?」
加奈子「本当あんたって記憶力があるのか無いのか・・・愛川 カラズよ!!覚えなさいよあんな覚えやすい名前くらい・・・ってしまった・・・」
美樹「そうそう♪ありがとう!愛川さんだよ!愛川 カラズさん・・・ううん!愛川先生♪愛瀬 瑠奈・・・私の師匠の名前に授かって「あいがわからず」=「愛が分からず」・・・う~ん!私より先を越されちゃったみたいだけど・・・中学の時にライトノベル作家としてプロデビューするもいまだ正体不明な所、実は大人が書いているのでは?と囁かれるが現在の年齢的に言うと丁度・・・私たちと同級生って所かしら?・・・って探偵気取りをやってみたんだけど・・・ありがとね・・・あんなに大変だったサイン会・・・あなたのおかげで無事に終わる事が出来た・・・それに、何より親友に応援されて、親友がファンでいてくれる・・・こんなに嬉しい事と幸せな事は無いよ・・・あんなに大人気のラノベ作家の先生でもあるなんて私、もうこれ以上の幸せはいらないよ?加奈子・・・ううん!愛川先生、私、愛瀬先生も大ファンだったけど愛川先生の事もずっとファンだったんだよ?」
加奈子「そう・・・だったの・・・それは想定外だったな・・・それに絶対にあんただったらバレないだろうなって踏んでたのに・・・恥ずかしいな・・・合計8冊も同じ小説持っているだなんて・・・」
美樹「そんな事無いよ!作者にとってはこの上ない幸せだと思うよ?それを私は断言出来るから!」
加奈子「本当にあんたは優しいよね?・・・最近はあまり良いのが書けなかったけど久しぶりに良いアイデアが浮かんで来たわ!」
美樹「うん!それは何より♪・・・私もあなたの作品5冊ずつ持ってる!流石に8冊は無理だったけど・・・」
加奈子「それで私の気持ちを断言してくれたんだ・・・割とオタクだったんだね?あんたって?」
美樹「えぇ!人間皆何かのオタクよ!」
加奈子「それにしてもいつから気付いていたの?」
美樹「う~ん・・・初日にあのセリフを言われてきっと師匠のファンだろうなって思ったんだけど、最後の最後迄違和感しか無くて・・・口調や声がボソッとしていたし、顔も隠していたし・・・照れ屋と言う感じには見えなくて・・・それで最後の日に名前を教えてくれた時にいつも文字で名前を見ていたから一瞬誰?ってなったんだけどその後直ぐに思い出した。」
加奈子「じゃぁ私=愛川 カラズって言う図式はもっと前から知ってたって事?」
美樹「あぁ!それは最初の頃からね!中学の時?」
加奈子「そんな・・・最初から知ってたの!?」
美樹「愛瀬 瑠奈先生が初めて投稿したサイトで初めて書いた小説を読んでからのファンだよ!」
加奈子「そんな・・・あの作品って全く受けなくてちっともアクセスもコメントもほとんど・・・待って・・・1件だけあった・・・その人その後にもずっとコメントくれてたし評価ももらってた・・・まさか!あんたが?・・・」
美樹「やっと気付いたんだ?そう・・・PN/愛が大好き=愛瀬先生、愛川先生の「愛」って意味♪」
ガバッ!!!
美樹「ちょっ!!加奈子?・・・どうしたの急に抱きついて来て・・・」
加奈子「もう少し・・・もう少しこのままでいさせて?・・・」
加奈子は感極まったのか私にしっかりと抱きついて来た・・・私が加奈子のファンだった事が嬉しかったのだろうか?・・・
日が落ちそうになって夕焼けが真っ赤に染まった教室内に生徒は私たち2人きりだった・・・
加奈子は作家である事を隠しているみたいだったからこの事は誰にも言わない様にしよう・・・加奈子と私だけの秘密にしておこう・・・
帰宅後・・・
美樹「あぁ~・・・今日は嬉しかったんだけど色々と疲れたな・・・よし、久々にさっき話をした師匠と加奈子が書いたサイトを見てみようかな・・・あれ?加奈子更新してる?」
近況報告・・・
9月1日・・・
私、愛川 カラズはしばらくの間創作活動を停止させていましたが、この度、9月1日から活動を再開する事にしました。
長年私の側で励ましてくれたり助けてくれていた親友がプロとしてデビューをしてから少し時間が経ちましたが、その親友は私のファンでいてくれて、こちらのサイトへ私が初めて投稿させてもらった小説の頃からファンであった事を教えてくれました。
その事が私に再度意欲を発揮させてくれました。
これからは共に歩める仲間と共に、又負けない様に・・・そして私の憧れでもある学校や小説家としての先輩に負けない様な作品を書き続けて行きたいです。
これからも、私、愛川 カラズの作品をどうか応援して下さい。
そうか・・・良かった!最近学校では明るいいつもの加奈子だったんだけど、作品が挙がっていなくて、活動も停止していたのかどうか分からなくて、確認したくても本人が正体を知られたく無い様な感じだったから何も言えなかった・・・
あの日、私たちの学校に愛瀬先生が在籍していると教えてくれた時、自分はあまり知らない様な顔をして私に教えてくれたけど・・・本当はあの子が一番嬉しかったんじゃないかな?・・・あの子が先生の妹子になりたかったんじゃないかな?・・・そう思えて来た・・・
師匠にだけこの事を話そうかな?・・・一度加奈子にも話してみようかな?
私は加奈子に電話を入れた。
加奈子「えっ!・・・私の正体を香波先輩に?・・・いいよ!恥ずかしいから・・・私は一度中途半端になった訳だから今更・・・」
美樹「いや、これはちゃんと伝えようよ!師匠ならきっと喜んでくれると思うし、結構色々な作品読んでるから愛川先生の事も知ってるかもしれないし!!これは大チャンスだよ!師匠の妹子だよ?私が先になっちゃったけど、一緒に妹子とか憧れない?」
加奈子「そ・・・そんな・・・香波先輩に負担が掛かるでしょ?」
美樹「大丈夫だって!師匠は懐の広い人だから・・・それに妹子が増えて師匠も喜ぶって!!1人も2人も変わらないし!!」
加奈子「ぷっ・・・ふふふふ・・・ははははははっ!!・・・あんた本当それ自分の価値観でしょ?先生にとってはどうなのよ?・・・まぁそんなに言うなら一度話をしてみても良いかな?」
美樹「うん♪じゃぁ明日早速一緒に告白しに行こうよ!」
加奈子「告白って!!別の意味になっちゃうじゃない!!」
美樹「まぁまぁ、ある意味告白と同じだよ!大ファンで猛烈なファンってさ?」
こうして私たちは翌日師匠に「告白」もとい、加奈子の正体を明かしに行った!!
愛華「2人共どうしたの?屋上に私だけ呼んで・・・」
美樹「師匠!?師匠に確認したい事があるのですが良いでしょうか?」
愛華「う・・・うん!!私だけにしか言えない事なのかな?」
美樹「はい!少し事情がありまして・・・あの・・・カラス・・・いや、何だったかな・・・カラスの方にしか意識が向かなかったから名字忘れちゃた(・ω<)」
加奈子「あんたねぇ・・・はぁ・・・ありがとね・・・あの・・・香波先輩?少しお尋ねしますが、作家の愛川 カラズをご存じでしょうか?」
愛華「うん!知ってるよ!凄く繊細な文脈で惹き付ける内容だから私も色々な作品を読んでるけど・・・確か私と同じサイトに投稿していたな・・・あまりアクセス数が無かったみたいだったけど私あの最初だったかな・・・書いていた作品凄く心に残ってるな♪」
加奈子「師匠・・・私、感激です!!」
愛華「へっ!?・・・師匠?感激?・・・えっ!?」
美樹「実は愛川 カラズって何を隠そうここにいる片桐 加奈子だったんです!!」
加奈子「はい・・・恥ずかしながら・・・私が愛川 カラズです・・・」
愛華「えっ!?・・・えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!?」
こうして新たに人気若手作家が同じ学校のしかも身近に存在していた事を私は知ってしまった!!まさか加奈子ちゃんがプロの小説家だったなんて!?それにこんな身近に3人も小説家がいるだなんて!!信じられないけど・・・事実なんだよね!?・・・
でもこれから先、きっともっと面白い事が待ち受けている・・・そんな気がする!!
第九巻 終
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