第10話 都市伝説

喜んで死ぬやつなんていない

今朝考えてたことだ

それは違った

実際栞は本当に救われた顔をしていた


ただ死ぬことに喜びを感じるほどの

苦痛なんて残酷すぎる


俺は倒れている栞起こし

抱きしめた

「ごめんな。もっと早く助けてあげれればまた違ったかもな。」

そっと栞をまたねかせ

今井に近づいていった

今井は土下座をするように前のめりになってた体を起こし俺を見て言った

「お、、お願いです、、、許してください!!!」


俺はコルトガバメントをしまい、背中の刀を抜いた


すっと今井の顔の横を通して

今井の左耳を切り落とした


「あああああ!いだい!あだいいい!」

今井は左耳があった場所を抑えながら泣き叫んだ


「お前が生きるのも、死ぬのもお前次第だ。今から質問していくから正直に答えろ。嘘ついて後でめくれたら分かるよな?」

右耳の横に刀を突きつけ俺は言った


「は、、、はい!!」


それから俺は栞達が暮らしていた場所を聞いた

ひとりいなくなったら、またひとり入れてを繰り返してたらしい

そして、クソみたいな顧客情報も

最初に栞を孫のように扱っていた老人達は

元ホームレス、ギャンブルや薬が原因で今井に借金のカタにハメられたサクラ達だ

最初はいい思いをさせながらOUT漬けにしていく流れが主流だったらしい


他に犯罪行為に使われてる奴らはいないか聞いた

犯罪行為をさせられ、監禁じみたことをされてるのは男女合わせて40人近くいた

その被害者達の場所も聞いた


今井は金を銀行に預けずどこかに隠している

約4億くらいあるのは調べでわかってた

今井はその場所も躊躇せずに答えた


「最後はお前等の背景だ。ストレートに聞くが、お前等の裏にいるのは誰だ?」


今井は今まではスラスラ話をしていたのに黙った


「おい。答えろ。」

今井は深いため息をついた

そして諦めたように口を開いた

「どっちみち死ぬんだったらもういいや。はい。教えます。教えます。俺等の後ろにいんのは不良じゃない。普段は表で動いてますよ。今世界規模で広がっている、誰でもしってるだろ、ネットショッピングサイトから始まって、投資だったり、介護や教育、CMなんかでもあなたの生活を」


「だまれ。」


今井が話をしているのを遮るように俺の後ろから

低く、ドスの効いた

そして聞き覚えのある声がベランダの方から聞こえた


窓が開いており、カーテンが夜風になびく

その向こうには丸い満月がベランダの手すりの上にしゃがみこんでいる奴を照らしていた


頭には歌舞伎で獅子がつける白く長いカツラのようなもの付けいる

顔には般若の能面をつけて

上は真っ黒の道着、下は真っ黒い袴をはいている

首元と両腕には白い包帯が指先まで巻かれており

一切肌は見えていない

足には地下足袋をはいていて

180cmはあろう

長い日本を肩に担いでいる


身長は160半ばだろう

ただこの尋常じゃない殺意に満ちたオーラで奴を

物凄くデカく感じる


コイツは俺と同じ都市伝説と言われる存在

地上最強の生命体と言われる

通称「鬼神」

まさにコイツは桁違いなくらい強い殺人鬼だ

正直コイツの目的もなにもかも謎だ


過去に俺はコイツと戦ったことがある

その時は蹴りを一発くらい吹っ飛ばされた

あの時はレベルが違いすぎた

だが今の俺は強い


俺は即座にコルトガバメントを抜き

鬼神に向かって打った


だがもう奴はそこにはいなかった


「久しぶり。元気そうでなによりだよ。」


奴がベランダの手すりの上にいないのを認識したのと同時に右横から声がした

その瞬間体の力が抜け

俺は膝を床についた

気づかないうちにボディーブローを食らっていた

息ができない

気が遠くなっていく中でかすかに

「まだ先だ」って声が聞こえた

俺はその場に倒れ、気を失った

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る