第2話 理由


まず自己紹介といこう


俺は東京生まれ、東京育ち

悪そうなやつは皆殺す


俺の仕事は暗殺

利益は殺す奴から搾り取る

それが死んだ後か死ぬ前かはケーバイケース


勘違いしないようにいっとくが

快楽主義で人を殺しているわけでもなければ

誰彼かまわず殺すわけでもない


単純に俺等のルールに反してる奴は殺す

それが俺等の大義名分だ


年齢27歳

身長176cm

髪も染めてなけりゃ

アクセサリーもつけてない

普段はスーツも着てるし、はたからみればただのサラリーマンに見えるだろう



さっき渡された写真には

「今井 輝」って奴がのっていた


こいつは38歳の詐欺師


上京したての10代〜20代前半の奴をつかまえては

詐欺行為で使ってる


使えない奴は監禁し

今井のおもちゃにされる

殺された奴も中にはいるだろう


上京して行方不明になった話なんてザラだ


ただこいつ等を救いたい訳でもないし

同情してる訳でもない


ただこういう奴は

俺のルールには反している


後ろには不良(暴力団)がついているだろう

そこらへんもあらかた検討はついてるが


中々繋がりが掴めない

今回でなにかしら掴むことも念頭に入れて

暗殺にあたる


社長室の横には俺専用のトレーニングルームと道場

あと道具部屋がある


基本拳銃は使わないがやむ終えない時はサイレンサー付きのコルトガバメントを使うがいろいろとあとが残る


基本は己の体とオリジナルで作ってもらった刀だ


刃渡りは80cmほどでデザインは日本刀がモデルだが刃は海外製の強度も日本刀と比べ物にならないくらい強いものらしく黒い刃をしている

これは背中にいつも背負っている


身なりとしては一見黒いジャージに見えるが体にフィットしたセットアップに黒のブーツに革の手袋

全て動きやすさと軽量を重視したものになる

切れにくく破れにくいが耐久性はその程度


そして顔には黒のストールを巻くそれだけだ


そこからさっきのエレベータにのり

さっきとは違うカードキーをタッチする


するとパナメーラを止めた階の一つ上に着く


ここにはハリアーが一台止まってるだけだ


車にのると

運転手のマイクが座っていた


彼はフィリピン人でずっと日本にいるから声だけ聞くぶんには日本人と変わらない

いつも彼に送迎してもらうという

なんと間抜けな暗殺者


まぁ現実はそうだよね


この仕事が終わればこの車も処分だし

まじ経費かかる仕事だ


「マイク出してくれ」


マイクが振り返り静かにいった

「死ぬなよ」




俺はいつも思う

死ぬ時は突然来るだろなって


ただそれは今じゃないし

俺は「ある事」を成し遂げていない

それまでは絶対に死ねない


俺は正直自他認めるくらい

強い


どのくらいかというと

UFCのチャンピオンを1分で殺せるくらい


もちろん武器なしで

オープンフィンガーのみでな


強さと引き換えに俺は強さをアピールして

脚光をあびることは出来ない


理由は簡単

俺の強さは暗殺のために手に入れたものだから

それ以外には使えない


目的地から700mくらい離れた所で車から降りた

時間は深夜2:00をすぎている


ここは横浜にある高級住宅街だ


誰にも見られないよう進むため

家の屋根を渡っていく


自分でも思うがまさしく忍者だ


そして目的地についた


コンクリートを打ちっぱなしのゴツい一軒家になってる敷地もかなりあって向こうの屋根まで渡るのは不可能だ


まぁまず敷地内に潜入するか


ただ今目にはいったのが

ひとつ窓のカーテンが開いている部屋があって

中の状況が見えた






中では

今井がガムテープでぐるぐる巻きにしたであろう

男か女かもわからない人間を

木製バットでひたすらなぐりつけている光景だった






























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