第411話【超人】

『人首相、 貴方は怪人ですね?』


怪人態で78は人首相に質問した。


「否」


人首相は否と答えた、 しかし怪人の言葉を介するのは怪人のみの筈。


「私は怪人を超えた超人なのだ!!」


人首相が怪人態になる。

その姿は頭から角が生えた骸骨の様な姿をしていた。


『その姿が貴方の怪人の姿か!?』

『超人だと言っているだろう!!』


腕を78に向ける人首相。

指先からは火が灯り、 火の球になり、 その火の球が向かって来た。

78は咄嗟に回避する。


『はっはー!!』


次々と人首相が炎の弾を撃ち続ける。


『くっ・・・』


数発貰った78、 しかし巨大な三葉虫の姿に変身する78。


『やるなッ!!』

『うおおおおおおおおおおおお!!』


三葉虫が突進して骸骨の悪魔が火球を撃つ。

その光景はまさに地獄絵図だった。

私はその地獄絵図に飛び乗った。


『癒し屋!?』

『もう一匹いたかぁ!!』


私は78の上に飛び乗った。

そして彼を癒し続けた。

かなりの長時間に渡って私達の激戦は続いた。

78は私が居なければ、 私は78が居なければ直ぐに死んでいただろう。

火球の業火でしっちゃかめっちゃかになる国会議事堂。

私達は気が付いたら外に出ていた。

そしてクルセイダーズ、 滝の協力でなんとか人首相を倒す事が出来た。


『馬鹿なぁ!? 何故だ!? 俺の様な力を持った者が支配する!!

それが真理じゃないか!? 力の有る物が弱者を虐げるのが世界だろうが!!

お前達も力で俺達を排除している!! 何故だ!? 何故力の支配を拒むんだ!!』


人首相が絶叫していた。

78はこう言ったよ。


『それはお前が人を殺すからだよ』


そういって78は人首相を殺した。


『終わったな』

『あぁ、 癒し屋、 離れてて』

『?』


私は首を傾げた、 そしてクルセイダーズがこちらに襲い掛かろうと身構えている。


『ど、 どういう事だ!?』

『ここで78は死ぬよ、 人首相を襲った責を負ってね』

『そんな!! そんな事をする必要は無い!!』

『いや、 ここで人首相が死んで多くの人が迷惑する、 死ぬ人も居るだろう

その人達の復讐をここで終えるよ』

『・・・・・っ!!』


その後は君も知っての通りさ、 彼の心はまさに超人と言っても良いだろう。

死ぬ事を良しとしたのだから・・・私には真似出来ないよ・・・。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る