第409話【癒し屋の治療院】

捌の送迎で癒し屋の治療院にやって来たジム。


「ここが癒し屋さんの治療院ですか・・・」


一見すると廃墟に見える、 蔦が絡まり放題の建物である。


「森林浴の様な効果があるらしいですよ、 それではこれで」


捌と別れるジム。


「さて・・・インタビューに行きますか」


受付で手続きを済ませてインタビューを行うジム。

そして癒し屋の部屋に通される。

癒し屋の部屋には様々な感謝状が飾られていた。


「始めまして、 ジムと申します」

「癒し屋です・・・インタビューでしたね?」

「えぇ・・・しかし随分と・・・その・・・」

「若い?」

「え、 えぇそれもですが感謝状の数が凄いですね」

「勿論、 国外にも行って来ましたからね」

「国外にも?」

「えぇ、 この国だけで活動するのも変ですからね

私の怪人としての能力は癒しの力、 その力はとても有用なんですよ」

「なるほど・・・しかしお若いですね、 まるで高校生だ」

「こう見えても生まれてから10年と少しですからね」

「ほぉ・・・しかし怪人は老化が早いと・・・」

「私の生まれは少し特殊でしてね」

「と言うと?」

「私は元々とあるノギクボの怪人と

とある人間が死んだ時に偶発的に遺伝子が混ざり合い生まれた新人類なんです」


突拍子もない事を言う癒し屋。


「は、 はぁ・・・」

「良く分からない様ですね、 私にもわかっていません」

「そ、 そうなんですか・・・」


話の要領が掴めない。


「まぁ私は滝や捌の様なまともな環境で育っていませんからね

まともな受け答えは期待しないで下さい」

「で、 でもこんな治療院を任されているじゃないですか」

「私の怪人としての能力のみを買われているんですよ

後は客寄せパンダ、 口止めの意味も込められているんでしょうか」

「口止め? ですか?」

「えぇ」

「何の?」

「それを言っちゃあおしまいでしょう」


ジムは考えた、 今までインタビューして来た滝と捌の証言

そして自分がインタビューを行った78との差異、 もしやこれがそうなのかと

ジムは鎌をかけた。


「私はある筋からとある情報を入手しました」

「・・・・・とある情報?」

「78の真実です」

「・・・・・」

「話しては頂けませんか?」

「・・・まぁ話した所で証拠は一切無いですからね

記事にする時は私の名前は出さないで下さい」

「お約束します」

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