第395話【混迷の状況】

クルセイダーズのアジトに連れられる夢宮。


「畑間市の事を覚えているかな?」

「忘れる訳が無いですよ」


捌の言葉に夢宮が答える。


「そうだな、 我々が出会ったのも畑間近辺だ・・・

その畑間にノギクボ教と言うのが出来たのは知って居るか?」

「噂で知って居ます、 何でも怪人を造り出す事が出来るとか」

「ノギクボの技術者が居ると見ている」

「なるほど、 ですがノギクボ教は大々的に侵略をしている訳じゃないですよね?

助けを求めている人が全国中に居る、 悪いのですがノギクボ教は後回しにさせて下さい」

「そうも言っていられない」


携帯電話を取り出す捌。


「それは?」

「獅子堂一派が持っていた携帯電話だ

中のSIMカードだけだけどね、 何らかの情報が無いか調べてみたんだ」

「それで?」

「獅子堂一派がノギクボ教と戦争をしているらしい」

「怪人が減るのは良い事です」

「それなんだが・・・獅子堂一派は

ノギクボ教の四天王と呼ばれる人物を連れ出そうとしている」

「とある人物?」

「そうだ、 何でもそいつは怪人で大麻の怪人らしい」

「大麻の怪人・・・つまり麻薬って事ですね」

「その通り、 獅子堂一派はこの麻薬怪人を自身の勢力に取り込むつもりだ」

「それは・・・不味いんですかね?」

「獅子堂一派が更に勢力拡大する危険性が有る

我々クルセイダーズもこの動きを危惧し、 獅子堂一派よりも早く四天王を殺害し

悪用を防ごうと思う、 そこで君の出番だ」

「なるほど、 僕が行って四天王を倒して来ると言う事ですね?」

「いや、 君一人でも厳しいだろう、 我々クルセイダーズも

ノギクボ教の総本山の畑間に攻め込む予定だ、 一緒に攻め込まないか?」

「・・・いや、 僕が陽動をします

貴方達は別で攻め込む、 と言うのは如何でしょうか?」

「悪く無いな、 それじゃあ話の細部を詰めよう」

「お断りします」


きっぱりと断った夢宮。


「・・・・・何故だ?」

「物事が全て順序良く行くとは思えません

日時だけ決めて後は流れで行きましょう」

「うーん、 だとしてもだ、 一応予定は立てておいた方が良いのでは無いか?」

「いや、 何方かが捕まった際に計画が漏れるかもしれない

それは危険ですよ」

「そうか・・・君がそこまで言うのならば・・・」


そう言う事で夢宮は畑間に攻め込んだ。

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