25thSEASON

第363話【激変】

この国は変わった。

半年前にテレビ局やインターネット会社、 更に携帯会社。

通信機関のほぼ全てに怪人達が襲撃した。


同時期に同盟国や共和国、 連邦と言った大国の

主要な地点にも怪人達が襲撃したらしい。

大国の中には敵の攻撃と誤認し核攻撃を行った国も有るらしい。


らしいと言うのは事実確認が取れないからだ。

政府の広報車が事実を広めているが事実かどうかすら怪しい。


この国は何もかもが可笑しくなった。

人間が怪人に変身すると聞いた人々は

怪人狩りと称して気に入らない人間を狩って行った。

そんな人々を食い止める為、 警察や自衛隊、 C2号部隊は強権を高めていき

警察、 自衛隊、 C2号部隊は国防軍として再編成されたのだった。


人首相に権力が集中していたが、 民主的な時間がかかる話し合いでは

この状況に対応できない為、 強行採決が度々行われた。

野党も最初は難色を示し抵抗していたが共和国がこの国に攻め入った事で

反戦や軍縮と言った印象は全て吹き飛び、 軍隊の立ち位置が重要になった。

そして軍備の要としてC2システムの価値は飛躍的に高まったのだった。


怪人の正体が人間だと言う事実を国民が受け入れるのは難しく無かった。

何故ならこの国の中で怪人の三大勢力が生まれたからだ。


一つはノギクボ教。

ノギクボ製薬の怪人作成技術を惜しみなく使い怪人を次々と造り出している。

ノギクボ教の教祖は四天王と呼ばれる怪人達に守護されているらしい。

畑間市に拠点を築きそこを神都としている。


二つは獅子堂一派。

怪人だった公安、 獅子堂 怜雄が自身が怪人による武力制圧を目論み

最重要拠点としてこの国に本拠地を置いている。

世界中の怪人騒乱の元凶は獅子堂の仕業と見られている。


最後はクルセイダーズ。

各地で暴れている怪人達を殺す怪人達。

C2号部隊のメンバーも数多くいるとか居ないとか噂されている。


これからこの国がどうなるのか・・・

それは


――――――――――――――


「Heyジム、 何を書いているんだ?」


ツインテールの少女が椅子に座って書き物をしている男に尋ねる。


「マミか、 すまない、 これまでの状況を簡単に紙に書いていたんだ」


ジムと呼ばれた男は手帳をひらひらと見せる。


「ジャーナリスト・・・だったっけ? アンタの記事を載せてくれる会社、 有るのかねぇ」

「言ってろよ」

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