第361話【招集】

C2号部隊の左近寺副隊長は困惑していた。

先程ビデオ会談で対話していた人首相とまた会談する事になった。

態々首相官邸にまで呼び出されるとは一体何なのか・・・


「左近寺副隊長、 率直に伺います、 貴方は何処まで知っていますか?」

「何の事でしょうか・・・? それとこの重々しい警備は一体・・・?」


周囲には対怪人用ライフルを構えた守衛が大勢待機している。

一国の首相の警備でもこれはやり過ぎでは無いだろうか?

実際、 これは一国の首相の警備としてはあまりにもオーバーな物である。


「・・・・・嘘発見器に反応は?」

「ありません」


左近寺には嘘発見器が取り付けられていた。

嘘は分かる、 あまりにも物々しい体制に首を傾げる。


「あの・・・一体何なのですか?」

「実は先程公安から報告がありました」

「公安から?」

「まず一つ、 怪人の正体は人間だと言う事」

「それは如何言う事ですか?」

「怪人は人間が変身した者だったのです」

「・・・・・」


左近寺は驚愕した、 今まで怪人退治を生業としてきた自分ですら知らなかった事実を

公安が知っていたとは・・・


「何処からの情報ですか、 それは」

「公安が調べた情報です、 これだけならまだ私も信じ難いと思いました

しかし問題は二つ目、 獅子堂が怪人だったと言う事です」

「な、 何だって!?」


左近寺は更に驚愕した、 獅子堂はC2号部隊を作った男。

怪人が怪人を殺す為の部隊を作り上げた?


「馬鹿な・・・じゃ、 じゃあ私達は一体何の為に居るのですか!?」

「それなのです、 問題は、 貴方方は我々人類の味方なのか、 それとも敵なのか」

「・・・・・」


震えながら左近寺は言った。


「わ、 私の知る限り、 この国の、 人類の為に戦って来たと思っています・・・」

「・・・・・」

「嘘発見器に反応は無いです」

「そうですか、 ではその言葉を信じましょう

しかし貴方の部下であるC2号部隊を信用する訳には行きません

もっと綿密な調査を・・・」


ばららららららららら、 と銃声が鳴り響いた。


「!?」

「銃声!?」

「首相!! 官邸の外に怪人が!!」

「ここにも来たのか!! 怪人の数は!?」

「30強!! ここは危険です!! 官邸地下のシェルターに御逃げ下さい!!」

「分かりました!!」


人と左近寺、 そして護衛はシェルターに逃げ出した。

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