第345話【黒幕は叫ぶ】

某所にてPLLLLと電話が鳴る。


「私だ」

『すみません、 畑間市内に怪人を展開したのですが・・・

一部地域に送った怪人から返事が有りません』

「は? 何だ? 連中に殺されたと言う事か?」

『すみません、 増員を・・・』

「そこにはスタンピートを起こせるだけの人員を送った筈だ!!

これ以上の増員は無い!!」

『で、 ですが・・・』

「くどい!! 警戒し事に当たれば問題等起こらない!! 人員は充分に送ったんだ!!

さっさとやれ!!」

『は、 はい・・・』


電話を切る。


「全く・・・」


またPLLLLと電話が鳴る。


「もしもし」

『獅子堂です!! テレビを点けて下さい!! レターニュースです!!』

「何だ、 いきなり・・・」


テレビを点ける。


『繰り返します、 現在畑間市に向かって一台のバイクが爆走中です

時速推定700キロメートルは出ていると推測されパトカーも追跡がやっとという事です

繰り返します』

「畑間にパトカーを連れて向かっているだとぉ!?」

『ど、 如何しますか? このままパトカーが畑間に向かえば・・・』

「スタンピートまでは公にするつもりは無かったが・・・

怪人の増援・・・駄目だな、 誠也に弄ばれている連中が増えても問題だ

このまま撤退するか?」

『しかしそれでは怪人の秘密が世間にバレてしまう!!』

「くっ・・・・・私はこれから予定が有る、 出る訳には行かない・・・

背に腹は代えられない!! 怪人達を撤退させろ!!」

『い、 良いんですか!?』

「後の対処は私が何とかする!!」

『わ、 分かりました!!』


電話を切った。


「くそ!! 何でこんな事が起こるんだあああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

畜生め!! 何で俺にばかりこんな事が起こる!! 有り得ねぇ!! 理不尽だ!!」


絶叫した。

この部屋が防音で無ければ何事か騒ぎになっていただろう。


ブッーとブザーが鳴る。

如何やら部屋の外に誰か来たらしい。


「・・・・・」


息を整えてインターホンの様な機械に向かって返答をする。


「如何しましたか?」

『そろそろ大使とのお食事のお時間です、 ご用意をお願いします』

「分かりました」


さっきまでの激昂が嘘の様に冷静な仮面をつけ直しネクタイを締める。


「・・・・・じゃあ行くか」


そう言ってドアを開けた。

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