第344話【ヘッドはかっ飛ばす】

ヘッドと癒し屋は畑間へと爆走していた。


「軽口かと思ったが本当に300キロ出てるな」


癒し屋がぼやく。


「はっはー!! 今まで後ろに何人か女を乗せたが叫ばないのはお前が初めてだ!!

イイ女じゃねぇか!! 畑間に何しに行くんだ!?」

「両親を殺した奴が居るから仇討ちに行く」

「ヘヴィな理由だなぁ!! おい!! じゃあもっとスピード上げるぜ!!」

「まだ上がるのか・・・」

「おうよ!! このバイクは改造しなくても350キロは出るが

改造で倍の700キロは出る様になってる!!」

「へぇ・・・じゃあ700キロを体感してみようか」

「700は無理だ」

「何で?」

「運転が難しいからな、 流石に断る」

「やれ」


首に手を回す癒し屋。


「脅しか・・・ふっ、 良いだろう、 偶にはこんなスリリングなのも悪かねぇ!!」


更にスピードを上げるヘッド。


『前のバイク止まりなさい!!』


パトカーがやってくる。


「そりゃそうだ!! 新幹線以上に速いバイクなんて交通法をぶっちぎっているからな!!」

「止めるなよ」

「OK!! OK!! こんな面白い事になっているのに止める馬鹿はいねぇよ!!

ハッハー!! 振り落されるなよぉおおおおおおおおおおおお!!」


ヘッドは尚もスピードを上げる、 後方からパトカーが何台も追って来る。


「これだよ!! このスリル!! たまんねぇなぁ!!

サイッコーの気分だあああああああああ!!

アドレナリンが出っぱなしだ!!」

「もっとスピード上げろ」

「おいおいまだ上げるのか!? 欲しがりな女だなぁ!!

良いぜ!! ビッチは嫌いじゃねぇ!!」

「スピード上げただけでその言い草は無いだろ・・・」

「こっちはおったっているんだぜ!! お前もびしょ濡れだろぉ!?」

「いや、 この程度日常かな」

「どんなスリル有る生活してるんだよおめぇはよぉ!!」


ヘッドは尚もスピードを上げ続ける、 バイクも悲鳴を上げ始めた。


「おぉ!! 良いぜ良いぜ!! 恐くなって来た!!

俺の股間の槍も最高潮だぁ!!」

「あ、 パトカーが前にも出て来たぞ」

「しっかり捕まってろ!!」


強烈なドリフトで曲がりながらパトカーの包囲網を突破するヘッド。


「振り下ろされてねぇだろうなぁ!?」

「私を叩き落としたいならプレス機でも持ってこい」

「良い返事だ!! 惚れたぜ!!」

「ア、 アンタなんか好きじゃないんだからね」

「何故ツンデレ!?」

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