第335話【能力が暴走したのか、とポナタは訝しんだ】

下水道に轟音が鳴り響いた。


「・・・・・なんだ?」


間の抜けた声で誠也が呟く。


「・・・・・マーチン、 ちょっと様子見て来て」

「エーナンデー?」

「顔が割れてないからな、 大丈夫だろう」

「ショウガナイナーポナタモキテー」

「・・・うん・・・」


マーチンとポナタはマンホールから外を見ようとした。

しかしマンホールが上がらない。


「アレ、 ハズレナイゾ? ナニカノッカッテルノカナ?」

「・・・・・怪人に・・・・なれば?」

「ア、 ソッカ」


怪人化して無理矢理持ち上げようとしてもビクともしない。


『ムリッポイナァ』

「・・・・・」


マーチンとポナタは戻った。


「ムリ、 マンホールノウエニナニカアルッポイ」

「じゃあ別のマンホールに行けば良いだろ」

「ウーン、 ジャアサガスカー」


マーチンとポナタは別のマンホールを探した。

少し歩いて見つけた二人はマンホールを探して外を覗いた。


「ヨット・・・」


マンホールを退かずマーチン。

外の様子を見るマーチンとポナタ。

外はまるで地獄絵図だった。

火の手が回りビルが砕け、 サイレンが鳴り響く。

悲鳴や泣き声も遠くから聞こえて来る。


「・・・・・え・・・能力・・・使ってない・・・」


ポナタは自分の能力で幻覚を見ているのでは無いかと疑い始めた。


「・・・・・イッタンモドロウ」


マーチンとポナタは誠也と鶴瓶の元に戻った。


「如何だった?」

「ナンダカヒドイアリサマダッタ、 マチガメチャクチャニナッテタ」

「・・・・・ポナタの能力で幻覚でも見てたんじゃないのか?」

「・・・僕も・・・そう思った・・・」

「じゃあ現実なのか、 ラッキーだな、 この機に乗じて逃げられるぞ」


誠也が前向きに捉える。


「・・・それもそうね、 じゃあさっさと逃げましょうか」


鶴瓶もそれに賛同する。


「ジャアドコカラデル?」

「街中がヤバいならさっさと出られる所から出て逃げてしまおう

それが手っ取り早い」

「マチノソトマデゲスイドウデイケバイインジャネ?」

「下水道の地図でも有ればそれでも良いが

生憎下水道は何処が何処だか分からんから無理だな」

「ソッカー」

「・・・・・!!」

「如何したポナタ?」

「マンホールから・・・誰か入って来た・・・」

「じゃあ別のマンホールから出る事にしよう」


誠也達は移動を開始した。

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