22thSEASON

第315話【ネズミ】

小林と二人になった森永。


「小林君、 内偵の件だが、 やはり猫又が怪しいらしい」

「そうですか、 美亜ちゃんが・・・」

「あぁ、 草佐々君と猫又を調査した結果

猫又はこちらの捜査状況をC2号部隊員の飛馬と言う隊員に漏らしていた」

「飛馬、 聞いた事無いですね」

「この飛馬と言う隊員、 経歴に不審な点がある

卒業した高校に調査をしたが、 明らかに人相が違う

恐らく背乗りだ」


背乗りとは工作員や犯罪者などが正体を隠すために

実在する赤の他人の身分・戸籍を乗っ取ってその人物に成りすます行為を指す。


「そして更に・・・」

「更に?」

「飛馬に連絡した後から大獅子維新会が西京で暴れ始めた」

「・・・つまりC2号部隊と大獅子維新会は裏で繋がっている?」

「全てでは無いとは思うがC2号部隊は完全にシロでは無い」

「と、 言いますと?」

「今回、 キチンと身元が確かなC2号部隊隊員を緊急招集して集めて

君達に着けた結果、 ちゃんと仕事をしてくれた」

「・・・獅子堂さんは身元が不確定な者も部隊に入れている、 と言う事ですか?」

「そうなるな」

「獅子堂さんからは何と返答していますか?」

「いや、 まだ獅子堂君には何も言っていない」

「何も言っていない?」

「今から公安の実働部隊がC2号部隊の基地内で身元が怪しい人物の一斉検挙を行う」

「なっ!? いきなりではないですか!?」


驚愕する小林。


「C2号部隊に不審な事が有るからといきなり突入と言うのは」

「小林君、 事態は深刻なんだよ

人間が怪人になると言う事は先程、 君も知った通り

タイミング良く癒し屋の所に怪人が突入したという事はつまり・・・」

「・・・C2号部隊の身元が怪しい人物は怪人の可能性も有る・・・と?」

「その通りだ」

「先程貴方が言った『人間の中の怪人狩り』を貴方が実行しているじゃないですか!!」

「小林!! もしも怪人がC2号部隊に居た場合

我々は窮地に立たされているという事が分からんのか!!」


ドンと机を叩く森永。


「怪人を自由に使えると言う事は怪人を使って何時でも好きな時に好きな人物を

堂々と殺せるという事だ!! これが如何いう意味だか分からないのか!!」

「・・・・・」

「いずれにせよ、 今回は背乗りをした連中の検挙だ、 獅子堂に文句は言わせない」

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