第311話【公安と聖女】

美亜と草佐々はボディチェックを受けた。


「おい、 コイツピストル持ってるぞ!!」

「公安の草佐々です」

「同じく美亜です」

「公安!?」

「おい、 どうするよ!? 聖女様の所に連れてく!?」

「いや、 しかし・・・」

「何の騒ぎだ?」


階段を降りてやって来る聖女、 もとい癒し屋。


「貴女が噂の聖女?」

「まぁそうなるかな、 君達は?」

「公安の草佐々です」

「同じく美亜です」

「公安ね、 何の用件?」

「何の用かと言うと・・・何の用だろう?」


草佐々は呟く。

ズッコケる一同。


「草佐々さん!!」

「いや俺達の仕事は都市伝説を調査し怪人の特定をする事だ

癒しの聖女は如何見ても怪人じゃないじゃんか、 じゃあここで仕事終了じゃね?」

「面白そうな話じゃない」

「聖女様?」


癒し屋はにやりと笑う。


「お二人さん、 上に上がって下さい、 暫く誰も上に上がらないでね」

「はい」


草佐々と美亜と癒し屋は階段を上る。

そして部屋に入る。


「・・・さてと草佐々と美亜と言ったか」

「あぁ、 さっき言った通りアンタは怪人じゃないから仕事終わりなんだ、 帰って良いか?」

「草佐々さん!!」

「残念だがそうじゃないんだよなぁ・・・」


癒し屋は怪人に変身する。


「!?」

「こ、 これは・・・」

『とまぁ、 こういう事だ、 理解出来たか』

「は、 はい・・・貴女が怪人だったなんて・・・」

『ははははは・・・』


人間から怪人に戻る癒し屋。


「とまぁ私は怪人だ」

「し、 信じられん・・・」

「怪人って言うのは普段人間になっているんだ

いや寧ろ人間が怪人に変身している、 と言うのが正しいか?」

「神出鬼没な筈だ・・・」

「その通りだ、 さて、 こんな重大な秘密を教えたからには

君達には手伝って欲しい事が有る」

「て、 手伝って欲しい事?」

「そう、 私の目的と言っても良い、 この目的が達成されたのならば

私は公安に協力して国家の狗として働く事も吝かでは無い」

「そ、 その目的とは一体・・・?」

「なぁに、 簡単な話だよ、 君達公安には人探しをして貰いたいんだ」

「人探し・・・?」

「誰を探して欲しいんですか?」

「私の両親の仇だよ」


にひひ、 と笑う癒し屋。


「両親の仇・・・両親も怪人なのか?」

「怪人なのは母さんだけだね、 父さんは普通の人間だったよ」

「・・・・・詳しく聞かせてくれ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る