第310話【衝突】

串カツ屋から出て来た癒しの聖女の使いの者を尾行する草佐々と美亜。


「あんまり近づきすぎず、 かつ巻かれないようにしないと」

「そうですね・・・」


尾行を続けている内に周囲の様子が変わって来た。


「どうやらりんりん地区に入った様ですね」

「何とも怪しい雰囲気だ・・・」


りんりん地区に入るとガラの悪い男が目に付くようになって来た。

そうこうしている内に使いの者がガラの悪い男とぶつかった。


「ってーな!! 何処見て歩いてるんだよ!!」

「す、 すみません!!」


その光景を見る草佐々と美亜。


「如何する?」

「助けましょう、 足がかりに出来ます」

「良し来た」


ガラの悪い男の元に向かう草佐々と美亜。


「おい、 何をしてるんだ?」

「んだてめぇ、 やっちまうぞ?」


バタフライナイフを取り出すガラの悪い男。

草佐々は踵落としでバタフライナイフを叩き落とし返す足でガラの悪い男の顎を蹴り飛ばした。


「ぐはっ!!」

「失せろ!!」

「お、 覚えてやがれ!!」


ガラの悪い男はすたこらと立ち去った。


「大丈夫ですか?」

「大丈夫です、 すみません・・・あれ、 アンタ等さっきの店の・・・」

「へへ・・・実は貴方の話に興味が有りましてね

是非とも癒しの聖女に会ってみたいんですが・・・」

「・・・アンタ等ヤクザの仲間か?」

「いや、 違います」

「・・・聖女様の所に行く前にボディチェックはさせて貰うぞ」

「それで構いません」

「・・・付いて来な」


何とか聖女に会える事になった草佐々と美亜。

使いの者の後を付いて行くととある大きな建物の一角に辿り着いた。

まるで要塞の様な建物は威圧感があった。


「ここは?」

「西京りんりんセンターや」

「西京りんりんセンター?」

「りんりん地区に仕事を斡旋したりしている場所だったが閉鎖されたんだ」

「こんな大きな場所が?」

「そうだ、 そしてその後の何度かの抗争で無政府状態になった時に

俺達が占拠したんだ、 聖女様が来てからは聖女様を守る城になったんだ

勿論周期的に居場所は変えているが、 メインはここだ」

「聖女に城か、 まるでファンタジーだな」

「ここら辺にも図書館は有るからな

インテリ気取りのホームレスが本を借りて読んでいるんだよ」

「そうなのか・・・」


その城の中に入る美亜と草佐々だった。

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