第308話【美味しい串カツ】

木天蓼に紹介された串カツ店で食事をする美亜と草佐々。


「うめー!! うめー!!」


ガツガツと串カツを貪る美亜。


「良く食べるなぁ・・・」


その横で草佐々も串カツ食べていた。


「お嬢ちゃん良く食べるねぇ、 彼氏と旅行かい?」

「彼氏じゃなくてお兄ちゃんですよー」

「お、 おい美亜ちゃん・・・」

「ばらす訳には行かないでしょ(小声)」

「・・・そうだな」

「兄ちゃんか!! 兄ちゃんはあんまり食べない様だが良いのかい?」

「いやぁ、 それほど腹減ってないので、 それでも美味しいですね」

「そうだろう? こっちは元祖と行って良い老舗中の老舗だからね」

「それは凄いですね・・・」

「すいませーん、 シュウマイくださーい」

「ほーい、 今揚げちゃうからねー」

「揚げる?」

「ウチの串カツのネタなんだよ、 シュウマイ」

「シュウマイ串カツ!? 何と言う変わり種!!」

「え、 じゃあこの卵焼きとかも!?」

「串カツだねぇ」

「本当に元祖かよ・・・」


運ばれてくるシュウマイ串カツを頬張る美亜。


「美味しー!! 単なる変わり種じゃない旨さを感じるわ!!」

「えぇー、 本当かよー・・・」

「所でお嬢ちゃん達、 ビールは良いのかい?」

「え、 ビール」

「私達呑めないんですよー」

「そうなのか、 じゃあ一杯食べてくれよー」

「はーい!!」

「お、 おい俺は別に」

「仕事で来てるんだから酔う訳には行かないでしょ(小声)」

「・・・そうだな」


串カツを食べ進める二人。


「それにしても何ですかねぇ」

「何が?」

「串カツって美味しいんですけど、 玉ねぎがちょっと」

「玉ねぎも美味しいじゃないー!!」

「ならば牛なんか如何かな?」

「牛?」

「そう、 元々串カツの始まりは牛カツからなんだよー」

「知らなかったー、 じゃあ牛カツをお願いしますー」


待っている間、 キャベツを摘まみながら待つ。


「それにしても本当に美味しいですねぇ!!」

「そうだろうそうだろう、 ははは」


ガララと外から客が入って来る。


「すいませーん、 テイクアウトお願いしますー」

「あいよー、 何時もので良いかい?」

「はーい」

「テイクアウトも出来るんですか?」

「いや、 普段はやらないんだけどね・・・

引き籠っている聖女ちゃんの為に特別にやってあげてるんだよ」

「・・・聖女?」


キャベツを摘まむ手からキャベツが落ちる。

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