第287話【鬱陶しいファン・その3】

とりあえずタコライスとビールを人数分頼んだ三人。


「でさっきの・・・なんだっけ? 刃弾獅子像?」

「えぇ、 昔の戦争でシーサーを囲んで戦った時に刀傷やら

銃痕やらがついたシーサーなんですけど」

「如何したらそんな事になるのか気になるな

その周辺に怪人が出る? 本当かよ?」

「えぇ、 目撃情報も凄い有るみたいですよ!!

これは怪人ハンターとしての出番なんじゃないんですか!?」

「いやこれは警察とかC2号部隊の出番じゃないのか?

怪人が居るなら警察呼べよ、 噂する前にさ」

「でも怪人って直ぐいなくなるじゃないですか」

「それは同感、 あるあるだわぁ」

「あるあるなのか? それ?」

「御待たせしました、 タコライスとビールです」

「お、 来た来た」


タコライスとビールを食す三人。


「確かに旨いな、 ビールもいける」

「そうでしょうそうでしょう、 ささもう一杯」


ビールをグラスに注ぐ猫。


「いや一杯だけで良い」

「そうなんですか?」

「この後、 暇だし刃弾獅子像とやらに行ってみようと思う

黄金坂は如何する?」

「私はホテルで休むよ」

「あ、 じゃあ滝さん、 私が刃弾獅子像まで送って行きますよ」

「いやタクシーで行く」

「えー、 じゃあ私も連れてってくださいよぉ」

「何でだよ」

「私も刃弾獅子像に行ってみようと思って南国に来たんですよぉ

ちょっと足を伸ばしたからタコライスを食べたんです」

「お前、 結構馴染んでいたけど地元民じゃないんか?」

「ばりっばりの本州っ子ですよ!!」


えへん、 と胸を張る猫。


「胸を張る事なのか?」

「ドヤァ」

「ドヤ顔する事じゃないだろ」

「とりあえず一緒に行きますね!!」

「いやタクシーで行くって」

「ガイドブック見たんですけど、 ここから近いですから案内しますよ!!」

「案内しますよって・・・ここも奢って案内までして貰うのは悪いよ」


実際にはこれ以上コイツと関わり合いたくないと思っているからなのは黙っている。


「良いですって遠慮なさらずに」

「えー・・・黄金坂も何とか言ってくれよ」

「巻きで行けば良いんじゃない?」

「巻き・・・」


つまり隙を見て逃げ出せという意味だろう。


「なるほど、 それもそうだな、 じゃあこれ食べ終わったら行こうか」

「やった!! ありがとうございますー!!」

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