第286話【鬱陶しいファン・その2】
席に着く事になった三人。
「『北国スタンピート!! ~籠城の警備室~』買いましたよ!!」
「そうか、 如何だった?」
「緊迫感溢れる状況かと思ったら意外と余裕が有りそうでしたね」
「いや、 俺の表現が悪いだけでピリピリしてたんだぜ?」
「そうなんですか、 でも滝さんと閉じ込められるならアリだと思いますね」
「ははは・・・そうなんだ」
コイツヤバい奴だ、 と思い始めた滝。
「そうそう黄金坂さんの本も読みましたよ!!」
「え、 そ、 そうなんだ、 色々出したけど何を見たの?」
「『黄金坂の忙しい時の感嘆お料理!!』あれって感嘆は誤植じゃないんですか?」
「あ、 あれは簡単と感嘆をかけた洒落で・・・」
「そうなんですか!! 感嘆しました!!」
ちょっとウザいな、 と思い始めた黄金坂。
「それにしてもお二人で一緒に来るとはデートですか?」
「いや、 仕事で一緒なんだよ」
「そうそう、 仕事なの」
「さっき仕事じゃないって言ってましたよね?」
「仕事は明日で今日は現地入りしただけ」
「そうなの」
「でも一緒に行動する意味無くないですか? やっぱりデートじゃ?」
「いやタクシー移動だから二人で移動すれば交通費半額じゃないか」
「でもハンターって結構稼いでいるんでしょう?
交通費目当てに態々こうする理由は無いんじゃないかなって邪推しますよぉ」
勝手に邪推してろ、 と言いたくなる滝だったが堪えた。
「私も最近はタレントにシフトしたいからハンターの御仕事は少な目にしてるのよ」
「そうなんですか、 黄金坂さんってグラビアとかの仕事はなさらないんですか?」
「しない」
「勿体無いですよ!! そんなにスタイルが良くて美人なのに水着とか来たら
男子高校生とかに人気出ると思いますよ!!」
「・・・・・」
イラっとして来た黄金坂だった。
「でも南国に一体何の御仕事で? やっぱり噂は本当だったんですか?」
「噂? 何の話だよ」
「最近刃弾獅子像周辺で怪人を見かけたってネット上で話題になっているんですよぉ
私の知り合いもそこで怪人を見たって噂してまして、 それの調査ですか?」
「初耳だな、 知ってた?」
「いや、 知らない・・・どういう事? 刃弾獅子像って何?」
「とあるシーサーの仇名なんですけど・・・」
「あのー、 すみません、 御注文をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
店員が注文を聞きにやって来た。
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