第241話【それどころじゃない】

鶴瓶が調べた結果、 鶴瓶の予想通りphantom energyは怪人溶液と

酷似している事が判明した。

但し怪人溶液と比べて極めて効果が不安定である。

モルモットへの投薬結果でモルモットの体の一部のみが変異した。

但しその後に死亡するモルモットが多く、 中には行動が異常になるだけのケースも有った。


「恐らくはノギクボで資料をガメた誰かが再現しようとしたんだけど

材料が集まらなかったとかで再現率が低いんだと思う」

「なるほどな・・・因みに怪人溶液って再現出来るの?」

「色々と取り扱いが厳しい薬物を使っているから個人じゃあ、 まず不可能だね」

「そうか・・・」

「とりあえず一通り調べ終えたから報告しようか」

「報告するのか? バレたら面倒じゃないのか?」

「モルモットへの投薬結果とかで誤魔化しながら言えば大丈夫でしょ」


部屋から出る誠也と鶴瓶。


「おいおい!! 二人共!! 早く逃げろ!!」

「この屋敷なんか居るぞ!!」


ソファーをひっくり返してその中に籠城するヤクザ達。


「如何した?」

「お化けいるぞ!! お化け!!」

「いやお化けが居たとしてアンタ等ヤクザだろ

何怖がってるんだろ、 そんな事より一通り調べ終わったぞ」

「それどころじゃないだろ!! これ!!」


ドンドンドンとラップ音が鳴る。


「ひやあああああああああああああ!!!」


はぁ、 とため息を吐く誠也。


「拳銃有る?」

「有るけど、 幽霊相手じゃあ・・・」

「ちょっと貸して」


合田から拳銃を借りる誠也、 上に向かって何発が銃弾を撃つ。

そして銃声が鳴り響く。


「・・・・・し、 静かになった?」

「脅しはやっぱり効果的だな」

「幽霊にも拳銃の脅しは有効なのか・・・?」

「らしいな、 大きな音にビビっているんじゃないのか?」

「と言うか銃には誰だってビビるよ」


誠也にツッコむ鶴瓶。


「何二人で納得してんだよ、 幽霊出たんだぞ!?」

「いい加減どっか行って欲しいんだけどね」

「最初は驚いたけど慣れた」

「ユウレイヨリモイキテイルニンゲンノホウガコワイ」

「・・・・・同居人」

「子供まで肝が据わっていやがる・・・!! なんて奴等だ・・・!!」


ヤクザ達は心底驚いていた。


「さてと、 じゃあ一応の研究結果が出たから君達のボスの所に報告に行こうか」

「お、 おう・・・」

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