第240話【研究家魂】

翌日。

いきさつを聞いた鶴瓶。


「なるほど、 phantom energyは怪人に変身するドラッグだったのか、 むぐむぐ」


合田が作ってくれたベーコンエッグトーストを食べる鶴瓶。


「まさかパンまで買っていたとは驚きだ」

「昨日買物した時に朝食の分もついでに買って来てたので・・・」

「ウマーイ」

「おい・・・しい」


ポナタとマーチンも絶賛している。


「phantom energy・・・長いから怪人ドラッグと呼称する事にしようか

怪人ドラッグの成分を突き止めてそれで如何する訳?」

「さぁ・・・それは兄貴に聞いて貰わないと・・・」

「ふーん、 まぁ個人的には如何でも良いかな

それで社会がどう変わろうと知ったこっちゃないし」


薬も売っているしな、 とへらへら笑う誠也。


「私としてはその怪人ドラッグ、 興味が有るか無いかで言えば興味津々だね」


鶴瓶が残ったトーストを頬張る。


「じゃあ早速調べてみようか」

「そうだな」


合成麻薬の精製機が有る部屋に移動する鶴瓶と誠也。

ヤクザ達も来ようとするが、 誠也は制止する。


「アンタ等は外で待っててくれ、 色々と情報が乱れたら困る」

「しかし・・・」

「大丈夫だ、 逃げたりしないし、 部屋の外で待機していれば良い」


誠也に言いくるめられて外で待機するヤクザ達。


「・・・如何思う鶴瓶さん」

「怪人溶液に近い・・・と思う」


所見を述べる鶴瓶。


「詳しい解析をしてみないと何も分からないけど・・・

その為の機材とかって有る?」

「勿論、 合成麻薬の世界は見つかれば一攫千金

それ用の機材の準備は万端だ」

「そう、 なら安心だ」


コキコキと指を鳴らす鶴瓶。


「久々に研究出来ると思うとワクワクするなぁ

これは初めての自慰に似た様な感覚だよ」

「生々しい表現止めて」

「おっと、 ごめんあそばせ」


クククと笑う鶴瓶。


「さぁ、 この怪人ドラッグの貞操を暴き

純血を侵し、 正体を隅々まで嘗め回してやろう!!」

「テンションがおかしい事になっているぞ

何だ、 アンタ下ネタキャラじゃないだろ」


そんな感じで妙なテンションのまま、 phantom energyを調べつくす鶴瓶。

途中でヤクザ達が『何かラップ音が聞こえる!!』『何か居るぞこの屋敷!!』と騒いだ以外

平穏無事に調査は終わったのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る