第233話【交渉】

「・・・まぁ落ち着けよ、 お前から金を取れないならばお前を脅す意味も無い

そしてお前を売る意味も無いからな」


誠也はそう言いながら座る。


「とは言え金は入用なんだ、 仕方が無いからちょっとお前から

浦吉に話を着けてくれよ」

「う、 浦吉に!? 本気かよ・・・」

「仕方ねぇよ、 背に腹は代えられない」

「・・・・・わ、 分かった、 だけど浦吉とは話したくない・・・

電話を貸すから君から話を着けれくれよ」

「おう」


携帯電話を人峰から借りて電話を始める。


「もしもし浦吉? オレオレ、 誠也だけどー」

『・・・・・何の用だ』

「アンタの所で薬売らせてくれね?」

『・・・7:3で7が俺なら良い、 あと品物を見せな』

「おっけー、 用意出来次第アンタの店に持って行くよ」

『分かった』


電話を切る誠也。


「じゃ、 じゃあもう行くよ!!」

「おう、 御疲れー」


人峰はその場を立ち去った。


「・・・・・面倒な事になったね」


三人が隠れていた所から出て来た。


「・・・ウラキチッテダレ?」

「浦吉って言うのは早い話がヤの付く職業の方だ」

「ヤ?」

「暴力団、 マフィア、 ギャングの事よ」

「ウチノクニデハフツウ、 トイウカオトコハミンナギャングヨ」

「まさに修羅の国だなぁ・・・じゃあ今から薬を作る作業に入るよ」

「ボクタチハドウシヨウカ」

「その辺で寛いでいてくれ」


実験室で合成ドラッグを作り始める誠也。

寛ぎ始める鶴瓶達だったが早くも鶴瓶が不満を口にする。


「・・・この家、 テレビとか無いの?」 

「無いね」

「テレビトカゼイタクヒンスギルヨ、 ラジオデモジュウブンイジョウ」

「ラジオも無いね」

「(何か言っている)」

「なんて?」

「コウヤッテボーットスルノハハジメテダッテ

タシカニコウシテナニモシナイノハハジメテノケイケンカモネ

ムコウジャドンパチバッカリダモン」

「そうか」

「ギャングトノトリヒキツイテイコウカ? ケイケンアルヨ?」

「子供連れは遠慮しておくよ」

「私は・・・ここ暇だからね、 一緒に行っても良いかな?」

「良いですよ鶴瓶さん」

「やった」

「(何か言っている)」

「ボクタチハココデマツトスルヨ、 コウヤッテボーットスルノハホントウニイイ

ジツニタノシイ、 コノクニニキタカイガアッタヨ」


そんな事を言いながら薬を作り続ける誠也だった。

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