第234話【蜘蛛の巣】
数日後の夜。
繁華街の会員制のダンスクラブ『spider WEB』にやって来た誠也と鶴瓶。
「ここが例の暴力団の?」
「そうですね、 付いて来て下さい」
中に入ろうとするが守衛に止められる。
「お二人さん、 会員証はあるか?」
「浦吉に会いに来た」
「どうぞ中へ」
ダンスクラブの中に入る二人。
ダンスクラブの中は怪しげなライトに照らされている中で大勢の男女が踊り狂っていた。
「さてと・・・浦吉は・・・」
「おいおい餓鬼の来るとこじゃねぇぞここはぁ?」
大柄なスキンヘッドの男が顔を寄せる。
「何だ女連れかぁ?」
「浦吉に会いに来たんだ」
「あ? 浦吉だ? 誰だそいつ」
「おい、 ここの浦吉っていうのはここのボスだ」
スキンヘッドの男にモヒカンの男が耳打ちする。
「はぁ? 何だこんな餓鬼が口を聞けるんだ?」
「商売の話だ」
「じゃあその商売の話を寄越せ」
会話になっていない話を展開するスキンヘッド。
「・・・」
スキンヘッドを殴り飛ばす誠也。
「ってぇなぁ!!」
殴りかかろうとするスキンヘッドをとめる角刈りのサングラスをかけたスーツの男。
「!?」
「ボスの客に手を出すな」
「~~~!! 分かったよ!!」
スキンヘッドはすごすごと退散した。
「こちらへ」
「どうも」
スーツに案内されて裏の部屋に通される二人。
「よぉ、 久しぶりだな野木久保」
そこに居たのはタンクトップに肩に蜘蛛のタトゥーを入れた男だった。
「噂じゃ死んだって聞いてたが・・・」
「修司も大分驚いてたよ、 ちょっと揉め事に巻き込まれてね」
「ふん、 今日みたいに最初から俺の庇護に入っておけば良かったんだ
そっちの女は誰だ?」
「鶴瓶さんだ、 揉め事中に仲良くなった」
「鶴瓶です」
「谷野字 浦吉だ、 浦吉で良い、 それで物を見せろよ」
「これだ」
自家製の合成麻薬を見せる誠也。
「・・・・・まぁ学生の作品じゃこれが限度か、 まぁ良いだろう
ウチのヤサでこれを流す事を許可する、 だがこの間も言った様に
俺に7、 お前に3の割合だ」
「え? 売り上げの七割持ってかれるってぼったくりじゃないの?」
「今は派手に動けないからそんなにお金要らないじゃない」
鶴瓶を窘める誠也。
「まぁこれからよろしくお願いしますね」
「あぁ、 よろしくな」
「早速だけど、 これ流して来て良い?」
「おぉ、 売ったれ売ったれ」
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