第232話【死者からの通話】

「この死体が誰の死体かとか色々ツッコミたい事は有るけども

さっき脅しになるかなって言ってたけど・・・」

「そうですね・・・当座の金にはなるかもしれない

今まで忘れていたが持つべきものは友達ですね」

「君の友達・・・サイコ野郎なの?」

「まぁ・・・はい、 便利な奴なんで」

「・・・友達は選びなよ」

「まぁまぁ・・・」


そう言いながら誠也は固定電話から人峰に電話をかけた。


『・・・・・誰だ?』

「オレオレ」

『・・・母さん助けて詐欺?』

「誠也だよ」

『!? ば、 馬鹿な君は死んだ筈!?』

「ところがどっこい生きていたんだよねぇ・・・」

『そうだったのか・・・・・それで今何処に?』

「山の中の洋館だ、 ちょっと頼みがあるんだが良いか?」

『何だ?』

「ちょっと金が必要でさ、 一千万位持って来てくれね?」

『やっぱり詐欺?』

「ちげーよ、 今色々物入りでさ」

『・・・・・・・ちょっと困るよ・・・』

「てめぇ、 俺に貸しがあんだろ、 ばらすぞ」

『・・・分かったよ、 マジで何が有ったの?』

「まぁ色々とな」

『・・・分かった、 今行くよ・・・』


電話を切る誠也。


「今から一千万持って来るってさ」

「ポンと一千万持って来るって凄い友達ね・・・」

「便利な奴なんで・・・」

「ジャアボクタチドウシマス? カクレテマショウカ?」

「そうだね・・・念の為隠れていた方が良いかな?」

「そうしますか・・・」


ポナタとマーチン、 鶴瓶は隠れて待った。

数時間後、 鞄を持った人峰がやって来る。


「よっ」

「・・・・・本当に生きてたのか・・・あの世からの電話かと思ったよ・・・

しかし、 今まで一体何してたんだ?」

「ちょっち裏社会に入ってた、 色々ベビーな目に遭ってね

聞かないでいてくれると嬉しい」

「そ、 そうか・・・因みにここに来ている事を知っている奴って他に居るの?」

「いや? 居ねぇよ?」

「そうか・・・なら良かった」


鞄から拳銃を取り出す人峰、 そしてそれを誠也に向ける。


「・・・・・何の真似だ?」

「悪いけどここで死んでくれ、 君の脅しに乗れるほど

僕の家には体力が無い」

「どういう事だ?」

「・・・・・親父が覚醒剤で捕まった」

「あちゃー、 でもよ、 それ使えるのか?」


バンッ、 と銃を撃つ人峰。


「使える様だな、 当たらなかったけど」

「撃ち続ければ当たるよ・・・」

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