第203話【開かない扉】
六頭の家にやって来た少女、 だが六頭は如何やら留守の様だった。
「そうか・・・家を訪ねても家に居ないんじゃ意味無いな・・・
何処に居るのか聞けば良かったか、 後の祭りだな」
六頭の家のドアをガチャガチャと回す。
「ふーむ・・・開かない扉はこじ開ける・・・無いな」
警備を雇っている可能性も有る。
警備員が殺到して来たら面倒な事態になるのは必至。
「となると帰って来るまで待つか・・・」
それも問題である、 馬鹿正直に待機して数日後になる可能性も無きにしも非ず。
「ならばこうしようか、 開かない扉は開けて貰うに限る」
そう言うと少女は回り込んで、 窓を叩き割った、 なるべく大きな音が出る様に。
そしてジャンプしたり等でその場から立ち去った。
数分後、 警察がやってきた、 少女は何食わぬ顔で戻って来た。
「何か有ったんですか?」
警官に尋ねる少女。
「ん? あぁここの家の窓が割られていたらしくてね」
「まぁ、 泥棒ですか? 物騒ですね」
「今、 ここの人を呼んで確認している所だよ」
「そうですか、 では」
少女はその場を立ち去った、 と思わせて近くで潜伏していた。
暫くすると六頭が自家用車でやって来た。
「泥棒って本当ですか!?」
六頭が慌てて警官に尋ねる。
「えぇ・・・窓ガラスが割られていて・・・
何か盗まれた物が無いか確認して貰っても?」
「えぇ!! 勿論ですとも!!」
少女は六頭の車に乗り込み隠れた、 暫くすると六頭が戻って来た。
「悪戯かよ、 全く・・・一体誰がやったんだか・・・」
六頭は車を出した。
車のスピードが出た所で少女は起き上がった。
「!? 誰だ!?」
ざくりと運転席を包丁で刺し貫き、 六頭の背を軽く刺す。
「刺し殺されたく無ければこれから言う所に向かって貰おう」
「・・・強盗か・・・いや・・・お前葵か? 死んだ筈じゃあ・・・」
「黙って車を出せ、 後で嫌と言う程喋って貰うんだからな」
「・・・・・」
六頭は黙って車を運転した。
少女の指示通りの場所に向かう。
少女が指示した場所はとある路地裏の廃ビル風の建物だった。
「降りろ」
「・・・・・」
六頭は降りた。
「中に入れ」
「・・・・・」
六頭は少女に促されるままに入る。
そしてビルの中の一室の前に立つ、 そこには【黒崎医院】と書かれていた。
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