第202話【タチアオイ】

「さて・・・では吐いて貰おうか・・・」


少女が大和田をベッドに押し倒しながら包丁で傷をつける。


「くそ・・・誰が言うか」


ぐさり、 と大和田の胸を包丁で突き刺す。


「なっ・・・」


呼吸が苦しくなる大和田、 口から血が溢れる。


「ぐが・・・が・・・」

「・・・・・」


少女の姿が一部変わる、 包丁を握っている手から花が咲く。

桃色の美しい花だ、 その花から蜜が垂れて傷口に触れる。

すると傷口はたちまち治って行く。


「な・・・なんだ?」


困惑する大和田。


「もっと痛めつけられたい? 次は何処を切って欲しい?」

「ま、 待て!! 答える!!」

「良し・・・良い子だ・・・」


首元に手を当てる少女。


「嘘を吐いたら分かるからね・・・」

「・・・・・」


ごくり、 と生唾を飲み込む大和田。


「お、 お前を殺したのは我が社の怪人、 鶴瓶と野木久保だ」

「野木久保・・・社長の親族か何か?」

「い、 いや社長とは姓名が一緒なだけで関係性は無い!!

俺達は誠也と呼んでいた!!」

「なるほど・・・それじゃあその二人の特性は?」

「特性・・・?」


軽く頬を切り裂く少女。


「ぎゃ・・・」

「どんな怪人なの?」

「うう・・・鶴瓶は朝顔の怪人で蔓が伸ばせる・・・誠也は大麻の怪人だ」

「そうだ、 そう言えばそうだった、 思い出したよ」

「うぅ・・・」


ケラケラと笑い出す少女。


「それじゃあ次の質問、 他にノギクボ製薬に怪人は居る?」

「わ、 分からない!! 俺は営業だから商品としての怪人として

二人しか知らされてない!! 本当だ!!」

「そう・・・じゃあ六頭の家って何処だか分かる?」

「六頭の家だと・・・・・分かった連れて行こう」

「口頭で説明してよ」

「う・・・分かった」


大和田は六頭の家の場所を説明した。


「良く分かった、 それじゃあ他に何かノギクボが隠している事は無い?」

「・・・・・・・・・・」


少女は大和田の腕をめった刺しにした。


「あああああああああああああああああああ!!!

分かった!! 言う!! 言うよ!! 最近大量の孤児を海外から輸入したらしい!!」

「何の為に?」

「怪人にする為だよ!! こんちくしょう!!」

「そう・・・分かった

それじゃあ最後に君達の秘密の研究所の正確な場所は?」

「お、 教えるよ!!」


大和田はノギクボ製薬でも一部の者しか知らない秘密の研究所の

正確な位置情報を答えた。


「有難う」


ザクッ


大和田の脳天に包丁を突き刺して少女は立ち去った。

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