第190話【現場からの統計】

「しかし我々が議論した所で何になるんでしょうか」


ひるまではなそう!!の準レギュラーと化した

コメンテーターの余原 雅が何になるんでしょうか論法を展開し始めた。


「おっと余原さん、 それは如何言う事でしょうか」

「はい、 我々は所詮外野でしかないのでは?」

「いや怪人が居る社会で生きている我々は当事者でしょう」

「そうでは無く、 我々自身が武器を持って怪人と戦う訳では無い」

「それは当事者意識が欠けているのでは無いでしょうか」

「そうですよ、 私達は戦う事は出来ませんが出来る事は有る筈です」


境無き医師団所属看護婦のリリー・マーベラスと

逆十字社イメージキャラクター、 瑠璃川 真鍋が反論し始めた。


「そうですね、 私はコメンテーターとして社会に出来る事をしてみました」

「その出来る事とは一体?」

「私が行ったのはズバリ意識調査ですね、 現役の警官や軍人1000人に尋ねてみました

怪人との戦いが辛いと思った事があるか無いか」

「「いや、 それは辛いでしょ!!」」


外国人お笑いユニット『アローンズ』の二人が突っ込む。


「なんと990人が辛いとの回答」

「「残り10人は!?」」

「残り10人の内9人は無回答」

「「1人は!?」」

「1人は仕事だからやらねばならないとの事」

『立派な人だ・・・』

『見習いたいな』


闇沢と獅子堂が呟く。


「そんな中、 システムC2を使ってみたいかと言う問いに対しての回答は

1000人中700人が使ってみたいとの回答を得ました」

「意外に少ないですね、 あれだけ強大な兵器ならば使いたくない理由が分かりませんが・・・」

「良い所に目を着けましたね森さん、 使いたくない人に理由を伺ってみると

『ちゃんと制御出来るか不安』『周囲に被害を与えないか?』『人体に悪影響は?』

との声があります」

「なるほど・・・

確かに強大性に目が行きがちですがそういう視点も有るのですね」

「私からこの疑問にお答えすると、 訓練すれば問題無いですね」


佐々島が回答する。


「人体の悪影響も無いです、 強いて言うなら筋肉痛になる者が偶に出る程度」

「なるほど、 佐々島さん、 ありがとうございました」

「うーん・・・如何なんでしょうか?」


余原が終わりかけた話をすかさず繋げた。


「余原さん、 一体どういう事でしょうか?」

「まだ検証が不十分だと思います」

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