第189話【視聴者からの意見】

「さて食事休憩も終わった所でここからは司会は私、 森が務めます

ではここでテレコングの集計結果を見て見ましょうか」


テレコングとは電話投票の事である。

電話投票ではシステムC2に対して賛成か反対かの投票を行った。

結果は賛成が454559人, 反対が110551人。


「賛成が多数ですかね? データ放送での投票結果を見て見ましょう」


双方向のデジタル投票の結果は賛成5500011人、 反対が100005人だった。


「賛成がこちらも優勢でしょうか」

「操作していない?」


グレネードが疑問を口にする。


「いえいえ、 していませんよ」

「マスコミの情報操作は基本でしょう」

「うーん、 これは信頼しても良いんじゃないですかね」


元天才子役俳優の見岬 ハラバが口を挟む。


「信じないと始まらないですよ」

「でもこんなに賛成が多いのは可笑しいのでは?」

「怪人が生きていると困る人が多いのは事実でしょう」

『そーッスよ!!』


北国街街長の柳沢 新頃がビデオ通話越しに喋り出す。


『ウチの街の住民が少数ながらも無事なのはシステムC2のお陰ッスから!!

これは妥当な投票結果ッスよ!!』

「・・・60越えのッス口調は聞いて居て違和感が・・・」

『区長じゃなくて街長ッス!!』

「そういう事じゃなくて・・・」

「ちょっと思ったんだけど良いかな」


イケメン俳優の礼二・ハートネスが手を上げる。


「どうぞ」

「いや、 関係無い事かもだけどさ、 こんなネット全盛の時代にテレコングは無いわ」

「貴重な意見有難うございます」

「どうも・・・」

「しかし、 皆がそう言っていると言う理由で賛成するのは如何かと思うぞ」


素手で怪人と戦う自称仙人の六角 千人が異を唱える。


「確かに民主主義的には少数意見も尊重しなければなりません」

「それもそうだが皆がやらない事をやり通して意味があるって思わないか?」

「貴方の様に素手で怪人と戦うとかですかね」

「そうだとも、 私は怪人とは素手で戦う切欠となったのは」


六角は自分の生い立ちを延々と話し始め

師匠との出会い、 別れ、 怪人との戦いへと至った理由を語り出す。


「詳しい事はもちもち出版社から出ている

『六角仙人の人生七転八倒』を是非ともご覧あれ」

「また本の宣伝かよ!! 怪人ハンターの中で流行っているのか!!」

「・・・俺の著書の」

「滝さんはさっき言ったでしょ」

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