第185話【六頭 攻】

「同じ怪人ハンターとして背油さん如何でしょうか?」


背油 豚太郎に話を振る美濃。

背油 豚太郎は嘗て第一線で活躍していた怪人ハンターだったが

老化で前線を退き

怪人ハンター派遣会社【豚骨ラーメン】を経営している社長である。

社名の豚骨ラーメンはゲン担ぎの食べ物らしく、 豚骨ラーメンを食べた日は

怪人と戦って負けた事が無いとの事。


「システムC2はいわば身体能力を上げるステロイドとかと

同じ物じゃないかと思う」

「ほう、 しかし貴方は是に投票している、 その心は?」

「ステロイドは海外では警官にも使われているのだよ

ステロイドは競技に使わなければ是だと私は思う、 まぁ健康被害があるから

私は豚骨ラーメンを食べるけども」

「なるほど・・・」

「ステロイドと言う発言が有ったので良いですか?」

「六頭さん、 どうぞ」


六頭が立ち上がって発言する。

六頭は否に投票している。


「身体能力を上げるのならばステロイドや薬の方が私は良いと思います」

「それは何故?」

「生成に設備と技術が必要でテロリズムへの転用のリスクが低いからです」

「それは違うのではないか? 設備と技術があればテロリストでも

ドーピングはし易いと思える」


佐々島が反論する。


「そうでしょうか? 薬学は工学とは違い専門分野且つ稀少性が高いと思えます」

「稀少性が高い?」

「えぇ、 金属の塊の機械よりも薬の方が組み立てるのが困難です」

「そうして組み立てた薬でノギクボは大儲けと言う事かな?」


1憶を分で稼ぐフリーエージェント界の大物、 大塚 聖約が鋭いツッコミを入れる。


「その発言は訂正します」


ノギクボ製薬営業部長の大和田 ミツルが挙手する。


「ノギクボ以外の製薬会社もドーピング薬剤の研究は行われています」

「そうなのですか?」

「えぇ大手の製薬会社は日々ドーピング検査に引っかからない栄養剤等の開発を行っています」

「それはそれで問題では?」

「いや法律にも体にも問題が無ければ如何なる薬も販売して良いと思います」

「ふむ、 それで?」

「儲かるのが製薬会社かシステムC2の作成元の何方かと言う違いだけですよ

大した差は無いと思います」

「確かに・・・システムC2は工場で造られているのですか?」

『システムC2の製造元は機密とさせて頂きます』


ビデオ通話越しに獅子堂が喋った。

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