第184話【グラタン・モンテネグロ】

グラタンが立ち上がった。


「まず始めにシステムC2は凄いって事は俺も良く分かる

動画も見た、 凄いと言う事は分かった」

「それでは何故システムC2には反対なのですか?」

「それにはまず俺の住んでいる国の事について話そう

俺の国は貧しくて碌に仕事なんかありゃしねぇ

男はギャングか傭兵か怪人ハンターになるしかねぇ

当然ながら貧しい国だから碌な教育は無いし装備も貧弱だ

買い替える余裕もありゃしねぇ

つまりシステムC2を買う余裕が無いって言う事だ」

「買えないから反対と言うのは少々短絡的では無いですか?」


ロームが意見を言う。


「まぁそれならそれで良いかもしれないが

システムC2を買った怪人ハンターが俺の国に来たら

俺の国の怪人ハンターは職を失う事になる、 それは不味いだろ

俺も飯が食えなくなるのは困る」

『そいつは勝手な意見だと言わざるを得ないな』


ビデオ通話で参加している警視庁総監の闇沢 沢田が呟く。


『怪人ハンターの職を失うのは確かに悲劇だが

怪人を放置する訳にも行かない、 怪人を早急に倒さなければ人が死ぬのだ』

「それは重々分かるんだが、 俺達の生活、 命は如何なるんだ」

「君程の実力者ならばWorldguardでもやっていけると思うよ」

「おぉーっと!! ここでローム氏ヘッドハンティングかぁ!?」

「ほら、 こうやって金の有る所に優秀な怪人ハンターが集まる

雇用機会がどんどん減っていくと俺は思うね」


グラタンが纏める。


「確かに怪人ハンターをしている人で

お金の無い人はシステムC2を買う事が出来ないですね

因みに佐々島さん、 システムC2は一台幾らで購入できますか?」

「1500万円ですが、 まだ販売には至りませんね」

「意外に安い・・・のですかね?」

「戦車が憶単位なのでそれに比べれば安いですね」

「戦車とまともに張り合った場合、 どちらに軍配が有りますか?」


ロームが尋ねる。


「戦車に分が有るのでは? 確かにシステムC2は強いですが

戦車の装甲も強固ですよ、 そう簡単には破壊出来ないでしょう」

「しかし戦車とシステムC2が戦う事は有るのでしょうか? 対怪人用兵器ですよね?」

「いや、 分からないですよC2スタンピートでは

怪人が車両を操作していた事が分かっています、 戦車を使わないとは限らない」

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