第182話【うたもん】

「・・・・・君は失礼だが何なんだ? 見た所小学生の様だが・・・」

「はいはい!! まいど!! 小学生不登校革命家うたもんです!!」

「うたもん?」

「うん!! あれな!! 俺な!! 学校に通う奴等がな!!

奴隷みたいに見えてしょうがないねん!!」

「はぁ・・・それで不登校に?」

「そや!!」

「・・・・・君は失礼だよ」


ロームが淡々と語り始めた。


「君は子供だからとグレネードさんを庇ったがここに居る全ての人は

それぞれ自分の信念を持って喋っているんだよ

それを子供だから甘く見ろ、 って言うのは侮辱だよ」

「大人が子供に優しくしないのは問題だと思うで!!」

『ちょっと良いかな』


ビデオ通話越しに革命家縷々 朱が口を開く。


『君は革命家って言っているけども具体的に何をしているんだ?』

「動画投稿とかしているんや!!」

『・・・・・あぁ、 これね、 今こっちのパソコンで見ているけど

チャンネル登録者10万人も行っていないじゃないか

ちょっとこの数字は少ないんじゃないのか?

動画もあまり上げていない様だし・・・』

「いやいや昨日上げたし!!」

『3,4日に一度のペースは少ないのでは? 動画で世界を変えるのなら

毎日投稿はしても良いと思う、 幸い君は学校に行っていないのだから

動画を取る時間はあるだろう』

「毎日はちょっと辛いわ!! 毎日上げると動画投稿の奴隷みたいになるわ!!」

『・・・私も革命家だが革命家を名乗るならもっと真面目にやったら如何だ?

正直君を見ていると腹が立つよ』

「じゃあ見なきゃ良いじゃない!! 別にな!! 俺はな!!

世界全部が俺の想う通りになったら良いなとか思ってへんよ!!

それじゃ世界が俺の奴隷になってしまうもん!!

俺は俺のやりたいようにやる!! 皆そうすれば良い!!」

『・・・・・うん、 分かった、 君の動画に低評価を押しておくよ』

「やーめーてー!!」

「・・・・・兎に角だ、 ここは議論の場だ

何を言っても良いが何と返されても文句は言えない、 そういう場所なんだ」

「うーん、 でも大人の男が女の子に何か言うのはなぁ・・・」

「グダグダ五月蠅い」

「はい、 議論が過熱して来ましたがここでCMに移ります!!」

「ここでCMかー・・・」

「今の内にトイレに行って来よう」

「俺も行くー!!」

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