第150話【嘔吐】

飲み込んだ抜け殻を吐き出す美鈴。


『げほっ・・・げほっ・・・!!』


距離を取って再度突撃する夢宮。


『ぐほぁ!!』


胃液を吐き出す美鈴、 美鈴の頭部にのしかかり目玉を潰す夢宮。


『ぎゃ!!』


体当たりだけでは限界だと感じた夢宮は思案した、 如何すれば美鈴を倒せるのかと

そうだ、 自分にはこの手が有った。

美鈴から距離を取って助走をつける夢宮、 そして夢宮は走りながら自分の体を鋭く尖らせ

一本の槍の様に変形させたのだった。


ぐさりと刺さり貫き後ろに飛び出す夢宮。


『も・・・もっと食べた・・・い』


ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!

と大爆発を起こす美鈴、 その大爆発に吹き飛ばされる夢宮。


『うおおおおおおおおおおおおお!!!』


しかし幸いにも強固な甲殻が彼の身を守っていたお陰で吹き飛ばされ

海に着水して一命は取り留める事が出来た。


『う・・・息が・・・出来る?』


三葉虫は海生の生き物である、 海の中で生活出来るのだからこれ位は出来る。


『・・・・・まだだ・・・もっと殺したい・・・』


夢宮は泳いだ、 何故かこちらにもっと怪人が居る

と強い確信を得る事が出来たのだ

本能的な物なのだろうか、 彼は必至に泳いだ、 三日三晩泳ぎ続けて

とある海岸に打ち上がる夢宮。


『ふぅ・・・・・・・ここは何処だ? ん?』


海岸を見ると如何やら整備されていない場所に辿り着いたらしい

そして近くの森の中には数匹の怪人が居た、 オオカミやクマと言った怪人だ。


『何でこんなに怪人が居るのかは分からないが、 狩らせて貰おう』


怪人達の所に突っ込む夢宮。


『ん、 何』


オオカミ怪人は叫ぶ暇すら無く押し潰されて殺された。


『な、 何だ!? 敵か!?』

『くっそ何でもいいやれええええええええええええ!!』


一斉に怪人達が襲い掛かって来る、 しかし夢宮の甲殻を貫くには至らなかった。


『かてぇ!! バケモンか!!』

『おい、 誰か』


騒ぎ始める怪人達を次々に倒していく夢宮。

そして爆発する怪人達。


『おのれえええええええええ!!』


クマの怪人が真正面から夢宮にバックドロップを決める。

夢宮は投げられて甲殻に罅が入った。


『良し!!』

『・・・・・』


罅の入った甲殻を突き破り何時もの怪人形態の夢宮が現れる。


『お、 お前は!?』

『78だ!!』


怪人に飛び掛かる夢宮。

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