第145話【テレビニュース】

事務所のソファにどっしりと座る夢宮。

武器の調達が済むまで事務所に居る事にした。


「とりあえず警察の俺達の仲間を呼んだ・・・けど拳銃以上の

重火器は扱うには訓練が居るぞ」

「慣れれば良いさ」

「慣れればって簡単に言うけどなぁ・・・大変だぞ」

「何とかなるだろ」

「そうか・・・幸い、 今大変らしいからな

武器の持ち出しは簡単らしい」

「大変?」

「テレビを点けよう」


テレビを点けるサングラス、 もといタダのおっさん。

テレビでは臨時ニュースを放映していた。


『御覧下さい!! 街中に現れた巨大蛙が人々を丸呑みにしていっています!!』


テレビ画面ではヘリコプターから街中の様子を映していた。

そこには7,8mの蛙が次々と人々を飲み込んでいる様子が見える。

舌を伸ばし人々を丸呑みにして行っている。

アナウンサーの声が響き渡る。


『何という光景でしょう!! あ!! 今警官隊が攻撃を仕掛けています!!

恐らく対怪人部隊でしょうか!! 重装備です!! 撃ちました!!』


警官達が蛙に向かって一斉射撃する。

しかし蛙にはまるで通じず、 逆に伸びた舌で警官達は次々と丸呑みにされていった。


「これは酷いな・・・」


タダのおっさんが呟きを漏らす。


『本当にむごい光景です・・・こちらを見ました!!』


蛙がカメラ目線をする。

そして口を開いた、 こちらに向けて舌が伸びる。

ヘリコプター迄は数十mは有るのにも関わらずその距離をものともせずに

舌はヘリコプターを捕らえた。


『う、 うわあああああああああああああああ!!!!

誰かアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!! 誰かアアアアアアアアア!!』


アナウンサーの絶叫、 カメラがぶれる。

パニックになる機内。

そんな光景を映しているのに耐え切れずに夢宮はテレビを消した。


「酷い・・・何と酷い・・・」

「・・・・・もうチーマーが如何とか言っている場合じゃないな・・・」

「・・・そのチーマーだけどさっきの蛙に喰われたよ」

「マジか・・・・・」

「え・・・じゃあ捕まっていた兄貴も・・・」

「・・・・・」

「糞!! 助けられなかったのか!!」


ドンッ!! と机を叩くタダのおっさん。


「兄貴が居なかったらこの組・・・これからどうなるんですか・・・」

「糞!! 糞!! 畜生め!!」

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