第144話【準備】

味醂は銃を夢宮に渡した。


「これは?」

「ヤーさんから貰った銃だ」

「貰った? 奪ったんじゃなくて?」


銃を受け取る夢宮。


「手下を人質に取っていてな・・・色々要求させて貰ったんだ・・・

白状するとヤーさんがアンタに俺達の情報を流したのも

美鈴への餌の為だったんだ」

「・・・・・ん? じゃあ何か? 僕はあの人達に売られたって事か?」

「そうなるかな・・・手下も美鈴に喰われたみたいだし・・・」

「・・・・・その美鈴って奴の行先は?」

「分からない・・・」

「・・・・・そうか、 じゃあもう行こう」

「行くのか? 銃は・・・」

「良いよ、 その筋の人に貰って来る」


夢宮はコンテナから出る。

コンテナの外はもうすっかり日が出ていた。


「なぁ、 アンタ名前は?」


コンテナから味醂が尋ねる。


「78だ」

「78? 都市伝説の怪人を襲う怪人」


そこまで言うと夢宮は飛び跳ねて行ってしまった。







「オジキぃ・・・兄貴は大丈夫ですかねぇ・・・」


事務所でオールバックとパンチパーマが片付けながらサングラスに尋ねる。


「仕方ないだろ、 従うしかない・・・」

「大丈夫何すかね・・・」

「糞・・・なんであんなチーマー連中に俺達がペコペコしなきゃいけないんだ!!」


ドンッ!! と机を叩くサングラス。


「お、 オジキぃ・・・」


ガチャリ、 と事務所のドアが開く。


「ん、 誰・・・」


パンチパーマが持っていた箒を落す。


「やぁ」


事務所に入って来る夢宮。


「昨日の!!・・・ど、 如何したんだ?」

「連中から君が僕を売っていた事を聞いたよ」

「・・・・・お、 御礼参りって奴か?」

「ボコボコにされたくなかったらちょっと色々と用立てて欲しいんだがね」

「・・・へっ!! 悪いなこっちにはチャカが有るんだ」


ドン、 と銃を撃つ夢宮。

サングラスの智が砕けサングラスが落ちる。


「あ、 はい、 何でもありません、 全面的に従います」


サングラスを落されタダのおっさんと化したサングラスは全面降伏したのだった。


「そうか、 じゃあ色々と武装をしたいから何か武器が欲しい」

「武器って・・・拳銃とかならアンタが持っているのと大差無い」

「じゃあ武器商人を呼べよ」

「武器商人ってそんな漫画じゃあるまいしそんな奴居るかよ」

「じゃあアンタ、 一体どうやって武器を入手しているんだよ」

「警察からの横流しだよ」

「これは酷いな、 とりあえず色々と武器を調達したい」

「分かったよ・・・」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る