第115話【四面獣咆】

ジョナサンと戝部、 左近寺はC2号部隊の部隊員を引き連れて

東門に向かって移動していた。

しかし東門まで残り半分と言う所で怪人達に囲まれてしまった。


「・・・・・盾で武装してますね」

「・・・・・試してみよう」


財部はライフルで怪人達を撃つ。

カンッ!! キンッ!! と盾に銃弾が当たる。


「対物狙撃銃並の威力は有るの筈だが・・・」

「あの盾・・・ただの盾じゃ無いデスね・・・一体何処から・・・」


ジョナサンが警戒する。


『UUUUU・・・』

『UGAGAAAAA・・・』

『GIIII・・・』


四方から怪人の唸り声が聞こえて来る。


「万事休す・・・デスかね?」

「如何しますか・・・?」


左近寺が支持を乞う。


「・・・諸君、 はっきり言おう、 恐らく我々は死ぬだろう!!」


ざわつく隊員達。


「だが、 少しでも生き残りを出す為に東門に向かって猪突猛進する!!

包囲を突き破るぞ!! ついて来い!!」


走り出す戝部、 その後に続く隊員達。

隊員達の持つ銃から銃弾が放たれる。

盾に弾かれ続ける。


「足だ!! 盾でカバー出来ない足を狙うんだ!!」

「はい!!」


足元を集中して狙う。

地面が抉れて土埃が舞い、 煙幕になっている。


『GEHOHGEO!!』

「今だ!! 突撃ィイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!」


ナイフで盾でガード出来ない所を狙う隊員達。


『GWAAAAAAAAA!!!』

「ぐわっ」

「げっぇ・・・」


怪人もダメージを受けるが圧倒的に人間側に死者が多数出る。


「戝部!!」

「何だウィリア・・・ム」


腸を出しながらすまなそうに笑うウィリアム。


「悪い、 奢りは無理そうデスねぇ!!」


怪人の群れに突っ込んで行くウィリアム。

怪人の爪が、 牙が、 ウィリアムの体をボロボロにしていく。


「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」


カチッ。

場違いな音がした後に慌てて逃げようとする怪人達。

しかし逃げるのが遅く、 怪人達はウィリアムが体中に着けていた爆薬で吹き飛ばされた。


「ウィリアムさあああああああああああん!!」

「走れ!! ウィリアムの頑張りを無駄にするな!!」


前方が開けたが三方から怪人が殺到している事には変わりなかった。


多くの犠牲者を出しながら涙を堪えて

隊員達は怪人の群れの間を突っ切って来たのだった。

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