第114話【緊急事態】

C2号部隊の報告を獅子堂にしていたC2号部隊隊長 中目黒 仗助。

帰路に着いていたが部下が廊下の向こうから走って来る。

その部下からの報告に中目黒は困惑していた。


「ウチの基地に怪人の群れぇ!?」

「凄い大軍で・・・基地四か所の門はダンプカーが突っ込んで封鎖され

盾の様な物で武装していると情報が・・・」

「・・・・・怪人の数は!?」

「少なく見積もっても500近く・・・」

「500!? スタンピート並・・・いやそれ以上じゃないか!!」

「直ぐに救援を・・・」

「いや!! 待て!! これが外部に漏れて見ろ

マスコミからのバッシングがある、 内内に処理しろ」

「で、 ですが・・・敵の数が余りにも多過ぎます・・・」

「何とかしろ!! これで怪人を倒せませんでは我々の存在意義に関わる!!」

「中目黒!!」


ビクッ!! となる中目黒。

恐る恐る振り返ると怒髪天を抜いていた獅子堂の姿が有った。


「し、 獅子堂さん・・・」

「何を考えている!! そんな名を惜しんでいる場合では無いだろう!!

そもそももう自衛隊にスクランブルが入っている、 隠しきれない」

「な、 何ですと!? 何とか取り消さないのですか!?」


獅子堂が中目黒を殴る。


「何をするんですか!?」

「目を覚ませ!! 怪人を倒す為の部隊が襲われるのは世間的に良くないのは分かるが

あまりにも相手が悪過ぎる!! 今回は甘んじて救護を受けるべきだ!!」

「しかし!!」

「もうスクランブルは出ている!! 諦めろ!!

お前がやるべき事は一つだけだ!!」

「・・・何をしろと・・・」

「戦え!! お前は強いんだからせめてお前が最前線で戦って実力を見せるんだ!!」

「くっ・・・おおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


叫ぶ中目黒。


「気合いを入れるのは良いが廊下で叫ぶな、 五月蠅い」

「やってやるぜえええええええええええ!!!」


獅子堂を無視して中目黒は走って立ち去った。


「・・・・・何なんでしょうかね」

「アイツは保身に気を取られがちだがC2号部隊では間違い無く最強

保身の為なら自分で戦場に出る事も厭わないんだ」

「そうなのですか・・・」

「私もやる事が有る、 君は中目黒に付いて行きたまえ」

「分かりました」


中目黒の部下が中目黒の後を追う。


「さて・・・賽は投げられた・・・か」


獅子堂が身を翻した。

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