第116話【トマホーク】

中目黒が東門に自衛隊の一個大隊と共にやって来た。


「やっと来たか!!」

「速く!! カバーを!! もう銃弾が無いのよ!!」

「兄坂教官申し訳無い!! そちらの方は?」

「近くを通った怪人ハンターの滝だ!! 急いでくれ!!」

「分かりました、 行きます!!」


中目黒が怪人の群れに突っ込んで行く。


「お、 おいおい!! 盾で武装しているんだ!! そう簡単には」


ザクッ!!


中目黒の持っていた斧が怪人を盾ごと両断する。


「なっ・・・」


怪人が爆発する。

爆発の衝撃を利用して別の怪人に飛び掛かる、 そしてまた怪人を両断し

爆発の衝撃を利用して・・・のループに入る。


「な、 何だアイツ・・・」

「ウチの部隊の隊長の仗助君、 中々に良い筋肉をしていて凄いパワーで暴れ回るのよ」

「凄いな・・・あんなの怪人ハンターでも滅多に見ないぞ・・・」

「そうね・・・あの斧も特別性の武器だとか・・・」

「すげぇ・・・俺達、 一回下がって武器の補充をするか」

「そうね」


この二人はボロボロだった為、 この戦いではこれ以降戦線に立つ事は無かった。

と言うのもここから先は中目黒と自衛隊達が活躍したので

彼等二人の出番は無かったのである。

とは言え怪人の数は余りにも多かった。


「この数・・・本当にスタンピートとやらが起こったようだな・・・」

「中目黒さん!! あそこを!!」

「ん」


怪人が集まっている所にC2号部隊の隊員達が悪戦苦闘していた。


「今行くぞ!!」

「幾ら何でも数が多過ぎて危険です!!」

「くっ・・・ならば仕方ない!! ヘリを出しなさい!!

上空から釣り上げて救出します!! 四方が駄目なら五方目だ!!」

「はい!!」


自衛隊の隊員は輸送ヘリから縄梯子を下ろして回収を試みた。


「まさに天の助け!!」


次々と隊員達がヘリコプターで回収されていく。


『GUAAAAAAA!!!』

「怪人が昇って来た!!」

「何をおおおおおおおお!! これでも喰らえ!!」

『GUGGUAA!?』


梯子を上って来た怪人は盾を持っていないので

銃弾を盾で防御する事が出来ず普通に銃弾が通用して爆散した。


「うお!?」


ヘリコプターが揺れるが特に問題は無かった。

複数のヘリコプターで回収作業を行った為、 想定よりも多くの隊員達を

救出する事に成功したのだった。

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