第112話【これは訓練では無い!!】


昼休みのC2号部隊の基地内に警報が鳴り響く。


『緊急!! 緊急!! 現在当基地は四方から怪人の群れに襲撃を受けている!!

現在の基地戦力では対処は不可能!! 当基地を放棄する!!

隊員全員はA武装で正門に集合!!

これは訓練では無い!! 繰り返す!! これは訓練では無い!!』


隊員達は騒然となった。


「怪人が群れで襲撃?」

「怪人に群れる知性が有ったのか?」

「そもそも群れで怪人が?」

「俺達助かるのか・・・?」


ざわつく隊員達。


「落ち着けお前達!!」


副隊長の左近寺が立ち上がり檄を飛ばす。


「今は早急に準備を整えて退避するのが鉄則だ!! 急げ!!」

「はっ、 はい!!」


隊員達が一斉に準備に取り掛かる。


「隊長が不在の時に何と言う事だ・・・」


左近寺は頭を抱える。


「左近寺さん、 有難うございます」

「戝部教官」


戝部が後ろから現れる。


「四方から怪人が群れで・・・と言っていましたが

群れで怪人が現れるなんて事あるんですか?」

「国内では滅多に無いが海外では偶に発生します

俗にいうスタンピートと言う奴ですね

ですがこんな風に知性的に囲んで襲うなんて事案、 聞いた事が無い」

「怪人達にも知性が有るのでしょうか・・・」

「分かりません、 怪人達の唸り声が言語になっていると言う学説もありますが

怪人に知性が有るとは個人的には思えません」

「そうですか・・・」

「所で隊長は?」

「獅子堂氏の所に報告に行っていて不在です」

「そうか・・・彼は正直私達にも負けず劣らない人材だから居ないと困るが・・・」

「車両も点検中で使えません、 ない物強請りは止めましょう」

「そうですね、 じゃあ私も正門へ向かいますので、 急いでください」

「分かりました」


正門へ向かう戝部、 左近寺も部下達を連れて正門に向かった。

部隊員を前にしてジョナサンが指揮を出す。


「良いデスか皆サン!! 今、 兄坂さんが東門で戦っています!!

恐らく他の門は兵力を置いていないので既に落とされているデショウ!!

我々は東門に向かって陣形Fで逃走を始めます!! 訓練の成果を見せて下さい!!」

「「「「「了解しました!!」」」」」


隊員達は走り始めた。


「ジョナサン、 生存確率はどれ位だ?」

「2割生き延びられればいい方でしょうね・・・私達を含めて」

「生きてられたら飯でも奢るよ」

「珍しく太っ腹デスね」

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