第75話【野木久保 誠也は起き上がる】

野木久保 誠也、【夫天大人ノ学園】の支配者。

五人の悪童【5H】の一人。

井の中の毒蛇、小さな独裁者の一人、ドラッグジャンキー。


そんな彼だがトイレの中で怪人に襲われあえなくその生涯を閉じた。

筈だった、彼が目覚めた時に溶液に漬かっていた。


「・・・?」


不思議と息苦しさは無かった。


『おい、今、目を開けたぞ』

『意識を取り戻したのか!?』

『成功か!?』

『おい、野木久保チーフを呼んで来い!!』

『これはやったな!!』

『ああ!!久々に成功だ!!』

『今日は旨い酒が呑めそうだ!!』

「・・・・・?」


そんな声を聞いた気がした、そして困惑しながら起き上がる誠也。


「・・・・・何処だここは?」


溶液の浴槽から出る誠也。

頭がふらふらする、まるで頭に霞がかかっている様な・・・

そんな事を考えながら周囲を見渡す、そこはまるでサイバーパンクの世界の様な

研究施設だった、周囲には誰も居なかった

先程の声達は一体何だったのだろうか。


「・・・・・何だよ、こりゃあ・・・」


困惑しながら周囲を探索する誠也。

するとドアの一つが開く、そこに居たのは・・・


「・・・ロボット?」


下腹部がドラム缶の様になっており、両腕が鉄球の様なロボットが現れた。


『ヒョウテキハッケン』


そんな事を言いながらドラム缶の様な下腹部には何か移動機構が備わっている様で

ロボットはゆっくりと誠也の元に移動して来た。


「・・・・・・・な、なんd」


鉄球の右ストレートが誠也を襲う。


「!?」


唐突な攻撃に面食らい倒れる誠也。


「何ししやがんだてめぇ!!」


誠也はカウンターで右腕でロボットを粉砕した。


「・・・・・!?」

『ソンガイジュウド、キノウテイシ・・・ジジジ・・・』


煙を吹き出すロボットを見ながら

自分がこんな鉄の塊のロボットを破壊したのが信じられないと驚愕する誠也。


「な、何じゃこりゃあああああああああああああああああ!!?」


自分がロボットを殴った腕を見て絶叫する誠也。

自分の腕が大麻の様な形になっていたのだった。


「うわああああああああああああああ!!!」


蹲り絶叫する誠也。

ぷしゅー、と部屋中にガスが散布される

そして誠也の意識はまた途切れるのだった。

そしてハザードスーツを着た人々が誠也を

部屋の外に連れ出し別の部屋に運んで行く。

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