第76話【野木久保 翔は解説する】
誠也が白い部屋の中で目が覚めた。
「ここは・・・そうか・・・・・」
『おはよう誠也』
「!?」
部屋についていたスピーカーから声が聞こえる。
「お、親父?ここは・・・精神病院か何かじゃないのか?」
『何でそう思ったんだ?』
「いや・・・その・・・」
『・・・当ててやろうか?荷物に有った薬だろう?』
「・・・・・最近、怪人に付け狙われてて不安なんだよ!!」
『君を襲った怪人か同じか知らんが
君の学校に出現していた怪人は駆除されたらしい』
「本当か!?」
『あぁ、最もお前が一番気にしなければならないのはそんな事では無いのだが・・・』
「・・・・・」
自分の腕を見る誠也、大麻の様な形状のままである。
「親父・・・これは何だ・・・現実なのか・・・」
『現実か否かならばお前は死んだんだ、覚えていないか?怪人に襲われたのを』
「・・・・・・・」
誠也の脳内に怪人に襲われた時の事が鮮明にフラッシュバックする。
巻貝の様な部位で自分を丹念に痛めつけて刺殺されたをのを鮮明に追体験する。
「・・・・・」
吐き気は有ったが何も吐かなかった。
『お前の死体を回収して私が研究している怪人溶液に漬け込んだのだ』
「怪人・・・溶液?」
『色々と解説をしてやろう
ます私達ノギクボ製薬は怪人の死体の一部を回収し、DNAを解析した結果
怪人のDNAは人間と近しい事が判明した』
「・・・・・人間と怪人は同郷だった、って事か?」
『その例えは分かり易い様で分かりにくいかな
兎も角怪人の体から怪人の細胞を摘出し溶液として怪人溶液を造り出した』
「なんだ、その・・・怪人溶液って言うのは」
『詳しい論理は省くがこれを人間に摂取させると怪人になる』
「・・・・・・・・・・つまり、何だ、親父、俺は怪人になった、って事か?」
『そう言う事だな』
「自分の子を怪人にしやがったのか!!」
『お前は死んでいたんだ、助けるにはこういう方法しか無かった』
「・・・・・」
頭を抱える誠也。
「・・・親父、俺は自分が怪人になったから人生終わりだとか考えていねぇ
寧ろ普通の人間より強いんなら勝ち組とすら思える、だけどよ!!
こんな姿で一体どうやって生活していけばいいんだ!!」
『それならば安心しろ、先輩に教えて貰え』
「・・・先輩?」
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