第37話【安心感】

夜、人峰邸での事。


「人峰君、帰っても良いか?」

「何でですか滝さん!!」

「何でって君ねぇ・・・」


人峰の所業を眉をしかめて非難する滝。


「何で君の変態プレイを観なくちゃならないんだ?」


人峰は家に帰るなり女を抱いた、滝は人峰の傍に居なくてはならない為

否応無くその情事を見る事になった。


「・・・別に見なくても良い」

「音だけでもグロッキーになるわ、きっしょく悪い

と言うか胸糞悪い、女ってあんな声出るんだな」

「派手に喘いでこそだよ」

「寧ろ叫んでいただろうが・・・」

「貴方も如何です?」

「仕事中だよ、寧ろ仕事じゃなかったら帰りたい所だよ」

「追加で五百万円払うよ」

「倍は欲しいな」

「払うとも」


人峰は無造作に一千万円を滝に渡す。


「お、おぉ・・・マジでくれるのか」

「親の愛は無いが金と女と薬なら幾らでも有る」

「爛れてるなぁ・・・それよりも何時もこんな感じなのか?」

「いや・・・昨日からちょっと怖くてね・・・

でも貴方が来てくれたから昼から勃ってしょうがないんだ」

「この変態が」

「はは、その変態にお金貰ってるんだから黙っていてくれよ」

「っち」


バルコニーに出る人峰。


「清々しいなぁ、初めての精通の様な感覚だよ!!」

「マジでドン引きだよ・・・それよりもバルコニーに出て大丈夫なのか?」

「大丈夫だよ、巡回も居るし怪人が来たら分かる様になっている

怪人が来たらお願いするよ」

「あぁそれは大丈夫だ・・・任せ」


ろ、と言う前に滝の視界から消える人峰、人峰がしゃがんだのだ

いや違うしゃがんだのでは無く・・・


「うわああああああ!!足掴まれて」

「っ!!」


滝は対怪人用の銃弾が入ったピストルで怪人を撃った!!


『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!』


怪人の絶叫が周囲に響き渡り人峰は直ぐに下がった。

如何やら足を離された様だ。


「出やがったな!!よぉし!!」


ゴルフバックの様な鞄から巨大なライフルを取り出す滝。


「ま、待って滝さん!!」

「何だよ!!」

「こ、ここに残って下さい!!」

「馬鹿言ってるんじゃない!!断るよ!!」

「金は幾らでも払います!!」

「ここで逃せば校長の方の依頼がおじゃんだ!!悪いが断るよ!!金は返す!!」


人峰から渡された金をばら撒く滝、そしてバルコニーから飛び降りる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る