第34話【契約内容】

校長室で大柄のライダースーツを着たゴルフバックの様なバックを担いだ

オールバックの男とスーツを着た禿た中年男性と向かい合う校長と螺旋。


「初めまして、俺が滝 和人だ、こっちのオッサンが弁護士の廉太郎」

「初めまして、本日はよろしくお願いします」

「どーもどーも、よろしくお願いします」

「こちらこそよろしく」


互いに御辞儀する四人。


「それでは滝氏の要望は手付金一千万円と成功報酬二千万円

そして経費との事ですが宜しいでしょうか」


廉太郎が話を切り出す。


「その前に経費、とは具体的にどの様な物になりますか?」

「銃弾やバイクのガソリン代

バイクが破損した場合はバイクの修理費も入りますね」

「あの変わったバイクですか・・・」

「変わったとは失礼な

ドイツのクラウザー社が開発したドマニのカスタマイズした愛車だ

あれ一台だけで五千万円はかかっている」

「五千万円!?」


驚愕する校長。


「対怪人用に作ってあるからその位はする」

「こ、壊れた場合の修理費はどの位しますか?」

「二、三千万はするだろうな」

「そ、その場合は支払いを待って頂く事は出来ますか?」

「いや、悪いが仕事に必要だから直ぐに支払って欲しい」

「報酬と含めて五千万円以上の大金、私にはとても支払えません・・・!!

お願いします、どうか・・・!!」


校長が額を机に擦り合わせる様に懇願する。


「ならば怪人金融に問い合わせて見るのは如何でしょうか?」

「か、怪人金融?」


首を傾げる螺旋。


「ハンターへの報酬を支払うにお金が払えなくなった時の消費者金融です

一億円までなら即座に用意出来ますよ」

「一億・・・!!わ、分かりました、その怪人金融とやらに連絡をして頂いても宜しいでしょうか」

「大丈夫です」

「それから校長、追加報酬に関して決めておきたい」

「つ、追加報酬!?まだウチから金を取ろうと言うのか!?」

「モチベーションの問題だ

三日以内に早期解決した場合成功報酬に五百万円上乗せして貰いたい」

「な、何と!?そんなに早く解決出来る自信が有ると!?」

「あぁ俺はプロだからよ、割と場慣れしているんだ」

「そ、そうなのですか・・・二百万円なら如何でしょうか?」


校長が値下げ交渉をした。


「では間を取って三百五十万だ、それならば良いだろう」

「・・・分かりました、では早期の解決をお願いします」

「任せろ」

「では契約書にサインをお願いします」


契約書にサインをする校長と滝。

サインが終わると滝と廉太郎は部屋から出て行った。

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