第33話【学園】

H5の内3人が学校に来ていない事は夫天大人ノ学園の生徒達に衝撃を与えた。

食堂では生徒達が各々勝手な事を言い合っていた。


「遂に天童様が敏則様に反旗を翻したのよ!!」

「いやいや、遂に警察にパクられたんじゃないのか?」

「ただのサボりじゃね?」

「いやいや案外もう太平洋に沈められているのかも・・・」

「おい!!来たぞ!!」

「「「!!」」」


人峰と野木久保が来た途端、それまでの喧騒が一気に静かになる。


「・・・好き勝手言ってくれるね、ねぇ野木久保君」

「そーだなー」


瞳孔が開いた目で返す野木久保。


「・・・君、薬やったの?」

「おー」

「・・・・・」


刺激するのは良くないと黙る人峰、昨日の出来事は校長から口止めされている。

もし下手に外部に漏れたら自分達の悪行も白日の下に晒されかねない。


「・・・とりあえず何食べる?」

「シャブでも」

「あーうん分かった、黙っていろ」


人峰は蕎麦を注文して食べている。

好奇の目で周囲の生徒は見て来るが

学園の支配者に対して声をかける事はしない。


「・・・全く不愉快だな」

「お前も一包行っとく?」

「遠慮する」


最早野木久保は駄目だなと思う人峰、怪人の恐怖に負けて薬物に頼ってしまった。

薬物を自分に使用するにしてももっと注意を払っていた筈だ。

小遣い稼ぎでの薬売りがジャンキーになっては元も子もない。

野木久保の様子を見ると相当使っている様だ。


「人峰、今日は如何する?」

「・・・直ぐに家に帰るよ」

「そうだなー俺も今日は家に帰っておくよー、ヤバそうだしなー」

「野木久保君、声が大きい」

「わりーなー」


ヤバそう?何が?と周囲がヒソヒソ話をする間に

蕎麦を食べ終えて食堂を離れる人峰と野木久保。

そして食堂に喧騒が戻る。


「野木久保様は結局何も食べなかったが一体どうしたんだ?」

「見たか?あの眼球・・・薬やってるな」

「まさか!!5Hなのに!?」

「何か嫌な事でも有ったのか?」

「うーん、他の三人に関係が有るのかもしれない・・・」




「好き勝手に言っているな」

「そーだなぁー」


食堂の声を後目に廊下を歩く野木久保と人峰。


「・・・何だか今日は授業受ける気にならないや、このまま帰ろう」

「そーだな、バックレようぜー、ん?」


野木久保が何かに気が付き窓の外を見る。


「・・・如何した?」

「何だあのバイク?」


駐車場に物凄くゴツい変わった形のサイドカー付きのバイクが泊めてあった。

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