第24話【修行】

山に籠り怪我の治療に専念する事にした夢宮だが

具体的に如何すれば良いのか分からない。


『怪人の姿になっていれば自然に治るよー』

『銃で撃たれたのだが・・・』

『うーん・・・半月位で治るんじゃないのー?』

『何とかもっと早く治す方法は無いのか?』

『沢山食べれば良いよー』

『沢山食べる?何を?』

『食べ物色々、とは言っても山の中じゃキノコやら木の実やらが限界かなー

ここらへん野生動物少ないしー、虫とか位しか居ないしー』

『・・・怪人の姿を維持し続ければ腹は減らないのか?』

『そんな事無いよー、お腹は空くよー』

『・・・じゃあアンタは如何やって体を維持しているんだ?

その巨体なら食べる量も相当の筈だ』

『腐葉土とか食べて暮らしているよー、幼虫の体だからかなー?』

『・・・なら虫とかでも行けるかな・・・』

『そうだねーコンセントレーションとかもおススメかなー?』

『コンセント何?』

『精神を集中するって奴ー』

『禅や瞑想の一種か?』

『そうだねー』

『効果有るのか?』

『うーん一生懸命やれば大丈夫だと思うよー』

『一生懸命?』

『僕も怪人になってアイツを殺したい時必死に『我慢ー我慢ー』って

集中していたら怪人から人間に戻ってたし、集中すれば大丈夫だよ、多分』

『・・・・・』


試しにやってみた。

傷を認識し、その傷が治るのをイメージしてみた。

必死にリアルに明確に、ありえない事だが怪人と言う存在自体が有り得ないので

この精神集中も強ち無意味では無いと信じて・・・

暫くして、怪我が完全に治っているのを自覚した

と同時に空腹感が夢宮を襲った。


『うわ・・・何だ・・・物凄い腹減った・・・なんかふらふらする』

『おー動いたー』

『動いた?』

『気が付いて無かったの?君5日間ずーっとそのままの状態で動かなくなったんだよ?』

『嘘だろ!?』

『ほんとほんと、いやー集中力凄いねー君』

『・・・』


集中してずっと意識し続ければ怪我の治りが速くなる事を自覚した夢宮。


『・・・ヘンリーさん、禅とか瞑想とか教えて貰っても良いですか?』

『んー?如何したのー?』

『コンセント・・・何でしたっけ』

『コンセントレーションねー』

『意識の集中とかを熟せば傷の治りが速くなるのならば

もっと心を鍛えればこの体を上手く制御出来ると思うんですよ』

『ちょっと何言っているか分かんないー』

『えーっとですね・・・何と言えば良いのかな・・・・・

もっと禅とかそういうのを知れば僕は強くなれると思うんです、勘ですが』

『強くなって如何するのー?』

『怪人を殺す』

『僕はー?』

『僕の中の怪人の定義は『自分勝手に人を害する奴』です、貴方は違う』

『ふーん・・・』


夢宮の腹がぐぅうううと腹が成る。


『とりあえず何か食べた方が良いよー』

『・・・そうですね』

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