第16話【サイレン鳴る夜】

怪人の絶叫が拡声機で街中とは行かずとも広域に広がった事により

街中はパニックになっていた、人々は家から出ずに隠れたり

或は早々に街から逃げ出そうとしたり、逃げ出す人々の車で交通渋滞が起こり

警察が到着が遅れたのは悲劇だった。

陸路が駄目ならば空からだと武装ヘリの出動が決定し

街の上空には武装ヘリが飛び立った。


一方ライダーズカフェにも避難して来た

常連客にコーヒーを振舞う飾玉の姿が有った。


「何だってんだ・・・さっきのデカイ声は・・・」

「怪人が出たそうですよ」

「物騒な話だな斎藤・・・」

「お父さん・・・」


寝間着姿で桜子が店に降りて来る。


「桜子か・・・大丈夫か?」

「・・・・・」


桜子は震えている、明らかに怖がっている。


「そういえば徹君は?」

「昨日の忘れ物を取りに図書館に行った・・・大丈夫かな?」

「うーん不安だな・・・」

「そうだな・・・無事に帰って来てくれると良いんだが・・・」


パトカーのサイレンが鳴り響く外を眺めながら祈る飾玉。



一方その頃、進学塾の帰り道の一条は路地裏に縮こまっていた

先程の怪人の叫び声に腰を抜かしてしまったからだ。


「か、隠れていれば見つからない・・・よね?」


不安で体が震えるのを押さえながら見つからない様に祈る一条。





サイレンが鳴り響く街中、その街のビルの屋上の一つで夢宮と栗林は対峙した。


『・・・・・』


栗林は空を見やる、ヘリまで出て来ると空を飛ぶのは危険だろう。

ならば戦うしかないと腹を括る。


『行くぞ!!』


殴りかかる夢宮、栗林は拳をいなして反撃するも甲殻で大したダメージは無い。


『ちっ・・・ならば!!』


拳が通らないのならばと肩に噛みつく栗林!!

噛みつかれた甲殻は砕け散り出血し始めた!!


『・・・っ、らぁ!!』


構わず拳を突き出して反撃を行う夢宮!!


『がぁ!!』


拳を喰らいながらも怪我をした所を重点的に狙う栗林!!


『っ!!』


怪我した肩を庇いながら何とか立ち回るも劣勢に陥る夢宮!!

追い詰められ屋上の柵の所まで追い詰められる!!


『うおおおおおお!!!』

『!?』


柵を引っこ抜いて即席の武器にする夢宮。


『考えたな・・・だが!!』


栗林も柵を引っこ抜く!!


『これでイーブンだな!!』

『・・・・・うおおおおおお!!』


柵を振り回す夢宮、同じく柵でガードする栗林!!

一進一退の攻防の中で火花が散る!!果たして勝つのは何方だろうか!?

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